会社の体温計は油断ならない。
僕の会社では流行りの感染症の影響により、社内に入る前に体温を測ってから出社するという決まりがある。
ここ最近導入されたシステムなのだが、それが社員からしたら少し油断ならないモノとなっている。
その体温計にはカメラが付いており、カメラ部分に顔を近づけると自動で体温を測ってくれて体温が表示されるという流れだ。
しかしこの体温測定には大きな罠が仕掛けられていて、社員にとっては油断ならないモノになっている。
それは測った時の体温が規定値よりも高かった時に限り、その体温を測ったその瞬間の顔写真が社長のパソコンにすぐさま送信されるというのだ。
これがどれだけ恐ろしいことか考えてもみてほしい。
朝早く起きて眠い目を擦りながら会社につき「ああ、今日もこれから1日仕事か…」っていうマイナスオーラ全開の顔写真が撮られるのだ。
とんでもなく死んだ顔になっている。
そんな顔した写真が社長に直接送られるなんて想像したら嫌すぎる。
しかもその体温計、そこまで精度が高く無さそうで平気で34℃とかも出ることもある。ヤツは熱もないのに急に高熱判定をしてくる危うさも持っているのだ。
だから僕は毎朝その体温測定の時だけちょっと顔を作ってビクビクしながら測っている。
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