2021.3.25(木)神聖かまってちゃん「一刀両断」ツアー@横浜1000CLUBライブレポ
一年二ヶ月ぶりのライブ参戦
前回参加した神聖かまってちゃんのライブは2020年1月13日のZepp DiverCity Tokyo。
ベース担当ちばぎんのラストライブ。
皆が大いに叫び、盛り上がり、涙し、後々まで語りたくなるような美しい時を共に過ごした。
今でも宝石のように大切にしている記憶。
けれど、それから一ヶ月も経たないうちに疫病のニュースが出始めるようになった。
対岸の火事と思っていた未知のウイルスがじわじわ世界中に広がって、個人個人の生活や仕事に影響が出るほどの脅威になるとは、この時は全然思っていなかった。
ライブハウス内での集団感染も報道されて、かまってちゃんの春ツアーも延期に次ぐ延期の結果中止になってしまった。
私も2月23日のZOCとの対バンチケットを一応持ってはいたものの、大事を取ってお譲りすることにした。
ベーシストがユウノスケ君になる新生・神聖かまってちゃんの初ライブだったので本当はとても参じたかった…。
それからは世の中も大半はライブ配信が主流になって、私もいくつか購入して楽しんではいたものの、生のライブの楽しさを味わえない切なさを抱きつつ一年が過ぎていった。
そして今月21日、1都3県に出された緊急事態宣言がやっと明けて、無事今回のライブ参戦に漕ぎ着けることが出来た。
なので、生のライブは一年二ヶ月ぶり。
当日まで指折り数えてこの年で完全に遠足前の子供だった。(有給を取りました)
今回のライブは換気タイムを設けるので二部構成、合わせて正味二時間ほど。
何もかもが久しぶりの感覚で、最高に楽しかった。
オープニングSEに合わせてする手拍子すら嬉しかった。
(声援が出来ないので、映画版プ○キュアが如くミラクルライトを指に着け応援する。思いのほか楽しい)
配信はいくつも見てきたけど、やっぱりアーティストが眼前に現れ出る衝撃とその輝きに勝るものはないと実感した。
音の洪水に飲まれる気持ち良さ、ライトのまばゆさ、メンバーそれぞれの表情、奏でる動き。
それらを間近で感じることができるのがライブの良さだとあらためて感じる。
目まぐるしく動き回るカオティックなボーカルのアクト、バックに流れる繊細なピアノ、心地よく力強いドラム、そして楽しそうに奏でられる新鮮なベースの響き。
終始和やかな雰囲気で時は進んで、一秒一秒が愛おしかった。
普段はライブの締めを譲らないの子が、ユウノスケ君の肩に手を置いて「ユウ、決めてやれよお前が」と声を掛ける様子には思わずグッときてしまった。
先日これまでの配信を振り返る記念のキャスがあり、13年前の渋谷駅で誰一人立ち止まって彼の曲を聴いてくれない当時の様子が画面に映し出されたことがあった。
許可を得ずの路上ライブではお巡りさんからの叱られがあって当然のことなのだが、私はその原初の衝動を見るのが密かに好きだった。
その彼も今では後輩を育てる側にいるとはと、時の流れを感じずにはいられない。
なんだか無性に感慨深い瞬間だった。
楽しい時間はあっという間というけれど本当にその通りで、
じっくり堪能しようと思ってもいつも気付けば帰りの電車の中にいる。
忘れないようにスマホのメモに散文を打ちまくっても、開場前にロッカーに荷物を入れてる時の記憶の方が無駄に鮮明で悔しかったりする。
そんなライブあるあるも久しぶりに噛み締められた。
今回はZAIKOのアーカイブ配信があるので、二日くらいかけてゆっくり細部を反芻することができた。
500円で高画質、高音質のライブが見られる手厚さに感謝しかない。
疫病は憎いけれど、こういう恩恵もあるのだなぁと思う。
負の感情から産み出される聖歌
特に心に残った曲について書き留めておきたいと思う。
↓はみさこさんが載せてくれた今回のセットリストです。
第一部の6曲目「コンクリートの向こう側へ」。
これまでも何度かライブで聴いたけれど、透明な神聖さが際立っていてこの曲が今回最も胸に響いた。
間奏のの子の動きにも世界が構築されていて引き込まれる。
不思議な賛美歌のように感じられる静謐で綺麗な曲ですごく好き。
そこから7曲目「黒いたまご」、8曲目「僕の戦争」とホーリーでダークな曲たちが続いてそこも良かった。
の子の負の感情から産み出される聖歌は美しい。
「僕の戦争」。
10年「神聖かまってちゃん」の名を体現し続けるスゴ味が、この曲に集約されていると思う。
原点感かつ洗練された曲構成に聴いた瞬間引き込まれて、いつか生で聴きたいと思っていた。
Cメロ前間奏の妖しさを纏ったの子の指揮と極彩色の照明のOP再現が良い。
余談だけど、ライブの最中にテレビでアニソンランキングという番組をやっていたらしい。
残念ながらかまってちゃんはランクインされなかったらしく、検索したところ大勢の人がそのことに不満を持っていて、「僕の戦争」がトレンドワード入りしていた。
アニメタイアップ効果とはいえ、ファン外の人々にこれほど愛され沢山聴いてもらえていることが嬉しくて堪らないし、凄いと思う。
この曲からかまってちゃんに入ってくれる人も増えたみたいだ。
諫山創先生という神聖かまってちゃん強火トップオタによる全世界ダイマ、凄まじい。
(MCでの子さんが「諌山見てるかー!!ありがとなー!」と叫んでいた。よかったですね、諫山先生…!)
第二部の5曲目「るるちゃんの自殺配信」から「ズッ友」、「夕暮れの鳥」、「僕の戦争」、「夕方のピアノ」、「躁鬱電池メンタル」と続く流れもとても良かった。
夕間暮れの寂しくて少し優しい空気感を音に乗せるのが一番上手いアーティストではなかろうかと思う。
るるちゃん〜の後のMCで「学校」の歌詞を想わせる「人生が0点」という言葉があり内心興奮した。いつかアルバムに再録してほしい。
躁鬱電池メンタルのアウトロはいつもより激しめのアレンジだった。カッコイイ。
今回一番思ったこと。
やっぱり生のライブはものすごく楽しい。
コロナ禍になって、娯楽物は真っ先に切り捨てられてきた。不要不急、不必要であると言われてきた。
けれど今回私が生きる上で手放したくないものは日頃の糧、好きな音楽なのだとかなり実感した。
心の栄養は人間にとって、とても大切なものなんだね。
地味に味気ない仕事の日々に風穴が空いた気がしてスッとした。
ライブの最後にの子が「またツアーやるから、鬱憤を溜めとけ」と言ってくれたし、私も昨日の続きをまた頑張ってみよう。
なお、筋肉痛については未だに癒えていない。
アンコールにフロントメモリーが入ると絶対楽しくなっちゃうよね…。自業自得です。
〜余談〜
開場前に寄った横浜ビブレにP丸様。さんのサイン色紙を発見。
「とっても大好きっ!」大好きでいつも聴いてます。