Novartis 2024Q2決算

財務概要:

NVSは第2四半期において、前年同期比で売上高が9%増加し、125.12億ドルとなりました。主な財務指標は以下の通りです 。

  • 売上高: 125.12億ドル (前年比+9%)

  • 営業利益: 40.14億ドル (前年比+43%)

  • 純利益: 32.46億ドル (前年比+43%)

  • 一株当たり利益 (EPS): 1.97ドル (前年比+17%)

  • フリーキャッシュフロー (Non-IFRS): 46.15億ドル (前年比+40%)

これらの成長は、主にEntresto、Kesimpta、Cosentyx、Kisqali、Leqvio、Pluvictoといった主力製品の強いパフォーマンスによるものです。

分野別売上:

心血管・腎・代謝分野:売上高20.8億ドル、前年同期比30%増

  • Entresto: 心不全および高血圧の治療薬。売上は18.98億ドル、前年同期比25%増。

  • Leqvio: 高コレステロール血症の治療薬。売上は1.8億ドル、は、前年同期比78%増。(Leqvioは評判いいですね。投与間隔が長く、コンプライアンスも高い)

  • Atrasentan: IgA腎症の治療薬。もとは抗がん薬として開発されていましたが、まだ売上データはありませんが、

免疫分野:売上高23.2億ドル、前年同期比19%増

  • Cosentyx: 乾癬、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎、潰瘍性大腸炎などの治療薬。売上高は15.2億ドル、前年同期比20%増。

  • Xolair: アレルギー性疾患の治療薬。売上高は4.2億ドル、前年同期比18%増。

  • Ilaris: 自己炎症性疾患の治療薬。売上高は3.6億ドル、前年同期比16%増。

神経科学分野:売上高12.2億ドル、前年同期比41%増

  • Kesimpta: 再発性多発性硬化症の治療薬。売上高は7.99億ドル、前年同期比63%増。

オンコロジー分野:売上高36.4億ドル、前年同期比12%増

  • Kisqali: ホルモン受容体陽性、HER2陰性乳がんの治療薬 売上高は7.17億ドル、前年同期比45%増。

  • Pluvicto: 前立腺がんの治療薬。放射線医薬品。売上高は3.45億ドル、前年同期比44%増。

  • Scemblix: 慢性骨髄性白血病の治療薬。売上高は1.64億ドル、前年同期比55%増。

  • Lutathera: 神経内分泌腫瘍の治療薬。放射線医薬品。売上高は1.75億ドル、前年同期比17%増。

その他

  • Fabhalta: 発作性夜間血色素尿症の治療薬。米国で発売されたばかり。売上高は0.22億ドル。

2024年度通期の業績見通し

ノバルティスは、第2四半期の堅調な業績に基づき、2024年度通期の業績見通しを引き上げました。

  • 売上高: 前年比で1桁後半から10%台前半の成長率(以前と変わらず)。

  • コア営業利益: 前年比で10%台前半から10%台後半に引き上げ。

市場の反応

  • 決算発表後、ノバルティスの株価は一時的に下落しましたが、その後持ち直しました。

パイプラインの分析

NVSのパイプラインは、多様な治療領域にわたり、強力な研究開発活動が展開されています。現在94の適応に対して開発が行われています。37がオンコロジー分野、20が免疫分野、14が心血管・腎・代謝分野8が神経科学分野の開発です。22がフェーズ1、33がフェーズ2、31がフェーズ3、8が申請済みです。

心血管分野の強みが他の製薬企業との差別化につながっているように感じました。放射性医薬品やsiRNA薬など新しい技術の創薬にも積極的で好感を持ちました。

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