Johnson & Johnson 2024年第2四半期決算

Johnson & Johnson(以下、JNJ)の2024年第2四半期決算報告が2024年7月17日に行われました。

財務概要:
2024年第2四半期におけるJNJの総収益は224億ドルで、前年同期比6.6%増加しました。米国内の収益は7.8%増加し、米国外の収益は5.1%増加しました。COVID-19ワクチンの影響を除くと、世界全体の収益成長率は7.2%となります。ドル高の影響により、国際収益の増加は一部抑制されました。
純利益は47億ドルで、1株当たり利益(EPS)は1.93ドルでした。特別項目を除いた調整後の純利益は68億ドル、調整後のEPSは2.82ドルで、前年同期比それぞれ1.6%、10.2%増加しました 。

分野別売上:

  1. オンコロジー分野:売上は前年同期比15.7%増加し、総売上は50億900万ドルに達しました。

    • DARZALEXの売上は前年同期比18.4%増加し、売上は28億7800万ドルに達しました。

    • CARVYKTIの売上は前年同期比59.8%増加し、1億8600万ドルに達しました。

    • TECVAYLIは前年同期比42.9%増加し、1億3500万ドルの売上を記録しました。

    • ERLEADAは前年同期比29.8%増加し、7億3600万ドルの売上を達成しました。

    • IMBRUVICAの売上は前年同期比8.5%減少し、7億7000万ドルとなりました。

    • RYBREVANTおよびTALVEYの売上も順調に増加しており、詳細な数値は記載されていませんが、非小細胞肺がんおよび多発性骨髄腫において強い需要が見られました。

  2. イムノロジー分野:売上は前年同期比5.0%増加し、総売上は47億2200万ドルに達しました。

    • TREMFYAの売上は前年同期比28.3%増加し、9億600万ドルに達しました。

    • STELARAの売上は前年同期比3.1%増加し、28億8500万ドルの売上を記録しました。 昨年patent expirationを迎えています。

  3. メドテック分野:売上は前年同期比2.2%増加し、総売上は79億5700万ドルに達しました。循環器領域の売上が伸びています。

    • Abiomedの売上は3億7900万ドルで前年同期比15.4%増加しました。新製品であるImpella 5.5およびImpella RP技術の採用が成長を後押ししています。

    • Shockwave Medicalの買収が5月31日に完了し、これに伴い7700万ドルの売上が計上されました。

市場の反応:
決算発表後、JNJの株価は上昇し、投資家の間で好意的に受け取られました。特に、新しいオンコロジー治療法の進展やイムノロジー分野での成長が市場から高く評価されました。また、メドテック分野での買収と新製品の投入が、将来の成長に対する期待を高めました。

パイプラインの分析:
JNJのパイプラインは、多様な治療領域にわたり、強力な研究開発活動が展開されています。現在101の適応に対して開発が行われています。28がイムノロジー分野、47がオンコロジー分野、15が神経科学分野の開発です。24がフェーズ1、17がフェーズ2、43がフェーズ3、17が申請済みです。

以下は、主なパイプラインのハイライトです:

  • オンコロジー: 新規がん治療薬の開発が進行中であり、CARVYKTI、TECVAYLI、RYBREVANTなどの既存の製品に続く新薬が期待されています。

  • イムノロジー: TREMFYAの新しい適応症や、次世代の抗体治療薬の開発が進められています。

  • 神経科学: SPRAVATOの適応拡大や、新しい神経科学的治療法の研究が行われています。

結論:
JNJの2024年第2四半期の業績は、収益の増加とともに、主要分野での強力な成長が確認されました。STELARAの特許切れの影響は大きいですが、オンコロジーおよびイムノロジー分野での新薬の成功が特に注目され、メドテック分野での買収も将来の成長を後押しする要素となっています。投資家は、JNJが引き続き市場でのリーダーシップを維持し、イノベーションを通じて持続的な成長を達成することに期待しています。

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