Amgen 2024年度 Q2決算

Amgenは、2024年第2四半期の決算報告を2024年8月6日に発表しました。

財務情報

主要財務指標

  • 売上高:84億ドル(前年同期比20%増)

  • 非GAAP営業利益:39億ドル(前年同期比11%増)

  • 非GAAP EPS:4.97ドル(前年同期比1%減)

  • フリーキャッシュフロー:22億ドル(前年同期比43%減)

その他重要な財務情報

  • 12製品が2桁の売上成長率を達成しました。特に、Prolia®、EVENITY®、Repatha®、TEZSPIRE®、BLINCYTO®、TAVNEOS®は顕著な成長を遂げています。

  • Horizon Therapeuticsの買収が完了し、売り上げ増加に貢献しましたが、諸経費はEPSの減少につながりました。

分野別売上

オンコロジー

  • IMDELLTRA™(抗CD3/DLL3抗体、進展型小細胞肺がん): 1,200万ドル(新薬のため前年同期比はなし)。流行りの二重特異性抗体。

  • BLINCYTO® (抗CD3/CD19抗体、B細胞急性リンパ性白血病治療薬):2億6,400万ドル(前年同期比28%増)。流行りの二重特異性抗体。

  • KYPROLIS® (プロテアソーム阻害薬、多発性骨髄腫):3億7,700万ドル(前年同期比9%増)

免疫分野

  • TEZSPIRE®(抗TSLP抗体、喘息治療薬):2億3,400万ドル(前年同期比76%増)

  • Otezla®(PDE4阻害薬、乾癬治療薬):5億4,400万ドル(前年同期比9%減)。競合の出現

  • Enbrel®(TNFa阻害、各種炎症性疾患):9億900万ドル(前年同期比15%減)。特許切れ。売り上げは今後も減少。

希少疾患

Horizon Therapeuticsの買収により大きく成長しています。

  • TEPEZZA®(抗IGF1R抗体、甲状腺眼症治療薬):4億7,900万ドル(新薬のため前年同期比はなし)

  • TAVNEOS®(補体C5阻害、活動性ANCA関連血管炎治療薬):7,100万ドル(前年同期比137%増)

  • UPLIZNA®(抗CD19抗体、視神経脊髄炎治療薬):9,200万ドル(新薬のため前年同期比はなし)

一般薬

  • Repatha®(抗PCSK9抗体、高コレステロール血症治療薬):5億3,200万ドル(前年同期比25%増)

  • EVENITY®(抗Sclerostin抗体、骨粗鬆症治療薬):3億9,100万ドル(前年同期比39%増)

  • Prolia®(抗RANKL抗体、骨粗鬆症治療薬):11億6,500万ドル(前年同期比13%増)。2025年に特許切れ予定。

  • (XGEVA®(Prolia®の別用量、骨髄腫に伴う骨病変):5.62億ドル(前年同期比6%増))。2025年に特許切れ予定。

主要な開発

  • IMDELLTRAが5月にFDAの承認を取得しました。BLINCYTOと共にBiTE技術を利用したその他の二重特異性抗体の開発も期待されます。

  • TEZSPIRE®は、COPDへの適応拡大を狙い第2相試験で有望な結果が得られており、FDAからブレークスルーセラピー指定を受けました。

  • UPLIZNA®は、IgG4関連疾患への適応拡大を狙っています。第3相試験で、プラセボと比較してIgG4関連疾患の再燃リスクが87%減少することが示されました。

パイプライン

  • 一般薬:MariTideはGLP1受容体を活性化し、GIP受容体を抑制するユニークな作用を有します。抗肥満薬としての開発が行われており、2024年末にPhase 2試験の結果が発表される予定です。爆発的な売り上げを示しているEly Lillyのマンジャロ、ゼップバウンドの競合薬となるか。

  • オンコロジー: Bemarituzumab (抗FGFR2b抗体)が胃がん治療薬としてPhase 3試験の患者登録を終了しました。AMG 193は、MTAP-null腫瘍の治療薬として、第1/1b/2相試験が進行しています。Xaluritamig (AMG509) はBiTE技術を利用した前立腺がん治療薬としてPhase 1試験中です。

  • 炎症性疾患: Rocatinlimab (AMG451, 抗OX40受容体抗体)は、アトピー性皮膚炎の治療薬として、第3相試験が進行しています。

  • 希少疾患: Dazodalibep (Tリンパ球のCD40Lと結合してBリンパ球の活性化を抑制する:面白いMOA!)が、シェーグレン症候群の治療薬として第3相試験を実施中。

  • バイオシミラー: SOLIRIS (eculizumab) のバイオシミラー (BKEMV)、OPDIVO (nivolumab)のバイオシミラー (ABP206)、Keytruda (pembrolizumab(のバイオシミラー(ABP234)の開発を進めています。バチバチですね。

まとめ


大ヒットとなったEmbrelの特許切れ後は複数の領域の新薬の売り上げ成長により成長を続けています。適応拡大や市場拡大による成長に加え、オンコロジー、炎症性疾患、希少疾患における新規治療薬の開発は、大きな市場機会と収益機会を生み出す可能性があります。流行のGLP1薬がNovo、Lillyに続くことができるか。バイオシミラー分野における積極的な展開は同社の収益安定化に貢献しそうです。

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