#商店街巡り vol.6
事例6:もみじ通り
「あ、ここなんとなく好きかも」と来た瞬間にそう思いました。時間の流れ方がなんとなくしっくりくる場所ってありますよね。
前回ご紹介したHOTTANから30分ほど歩いたところに、もみじ通りという通りがあるんです。昭和初期の頃は商店街として栄えていたそう。このもみじ通り、ただの通りではないんです。本当に。なんて言っちゃうと大げさに聞こえてしまいますよね(笑)
何がすごいって、「何にもなかった通り」が「何かある通り」になっちゃったんですよね。ビルスタジオの塩田さんという方の手によって。
モミジオフィスあたりから、そよ風が吹いたみたいで。タンポポの綿毛がふわ~っと飛んで、次第に周辺にお店ができていっちゃったんですよね。
いくつかお店を拝見したのですが、卓越したセンスをお持ちなのだと思います。何のお店にするかを決める前に「ここでお店をする」と決められた方もおられたくらい。
カフェに、ドーナツ屋さんに、子ども服屋さん、それからセレクトショップ...。こんなの「あったらいいな」ができちゃったんです。
たぶん、ご案内してくださったユミさんがおられなかったら...。ゆっくりお話していただけなかった気がしています。ありがとうございました。
これは私の勝手な勘なのですが、人との距離感にとても敏感な方なのではないかな、と思いました。でもそんな風に感じさせないというか。ゆるく見せておいて、眼差しだけは鋭いというか。
実際のところはわかんないですけどね、憶測なので(笑) そして、この日がはじめましてだったもので。ただ、甘いものがお好きなのかな~とだけメモしておきました。
そんな塩田さんの「集積」と「距離感」のお話について少し。
「集積の作り方」「店の距離感」そんな言葉がぽんぽん宙に出てきて。商店街に明確な定義ってそういえばないなあと思いました。
ひとえに商店街といっても、横一列にびっしり店が立ち並ぶところもあれば、3~4軒空いていても店が並んでいることになる。
その土地にあった「距離感」でできた「集積」が商店街なのだと。
無理に商店街にしなくても、メンバーの関係性が「悪くない」くらいの距離感が丁度いいところもありますよね。
新しくもみじ通りで何かを始めたい人がいたら、先にコミュニティに参加してもらうこと。自分の元へまず来なくていい。
もし仮に塩田さんに別の商店街に入ってもらったとしても、同じようにはなりませんよね。なので、他の地域にそのまま展開するのは難しい。ですが、もみじ通りでたくさんのヒントを頂いた気がしました。
「出ようかな」と言うと「入ろうかな」が出てくる。ブレーンとして入っている塩田さんにとっても、「抜け方」や「終わり方」はキーワードのようでした。
頭の片隅に置いておきます。片隅に置いておきすぎて、いっぱいになりそうですが(笑)
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同じようなものが溢れる世の中なので、上っ面だけマネしていてもすぐに崩れてしまう気がしています。
しっかり片足を地につけながら、もう片足は自由に離してあげようと思います。ピボット大事ですもんね、バスケでも。