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『残心残暑』 blue

2024年8月28日に発売された、aiko16枚目のアルバム『残心残暑』

今回初めて聴きながらメモを残すことに成功したので、初めて聴いた時のメモも交えて感想を垂れ流していく回(全13回の予定)
自分の語彙力のなさを嘆きながらも、ただただ身体になだれ込んでくる”はじめてのaiko”を感じて脳内を書き残したメモ。
毎日聴いてしゅませた私の感じたことも書いてるけど、ほぼ勢いだけですほんと。

できるだけ簡潔に短く描きたい気持ちなので、一曲ごとにnoteにしていく。
もし読んでくれる方がいたのなら、
・楽曲考察初心者🔰
・音楽知識ほぼなし
・感情と勢い論
・個人見解

っていうことをまず念頭に置いてぜひ読み進めてください。

『残心残暑』

8/28 0:04 聴き始めたらしい。たしか仕事が終わった後、フラゲして届いていたCDを取り込んだ。
曲を再生して歌詞カードを見ながら聴き、メモをとりつつ歌詞カードの最後のページで誰が演奏しているのかを確認…というなかなかに忙しい作業を行い、一人で大焦り。
曲間を止めずに一気に再生していたもんだから超あたふたしてた。おもしろいね。

ジャケ写について

通常盤
黄色基調で「ハニーメモリー」を思い出したり、ぽわっとした光の感じが「相思相愛」みたいだなあと感じた。あと「残心残暑」のフォントも鬼刺さった…「残暑」の色が薄くなってるのもとてもいい…

通常盤のジャケ写

初回限定盤
「May Dream」みをすごく感じていた。何でだろう…あのコンクリートの退廃的な感じとaikoの色がパキッとした衣装の感じがそう思わせてくるのかも。こっちの文字デザインもいい…「残心残暑」の文字たちが少しずつふわっと浮いてるのがとてもいい…とても。夏の暑さが残ってる中で秋の風が生まれたりするこの残暑のイメージに合いすぎる。

初回限定盤のジャケ写


タイトルについて

「相思相愛」に続いて四字熟語。ただこの「残心残暑」は、「残心」と「残暑」を合わせたaikoの造語。ただ、この曲たちを聴いていくと「残心残暑」以外のタイトルはない!くらいぴったりなタイトルだと思う。

残心
 武道や芸道に関する言葉。
 ・武道での残心
  「技を決めた後も心身ともに油断をしないこ 
  とである。」(Wikipedia「残心」より)
 ・芸道での残心
  茶道においては「主客は帰っていく客が見え 
  なくなるまで、その客が見えない場合でも、 
  ずっと見送る」こと。
・舞踊での残心
  舞踊においては「最後まで気を抜かず、手先 
  足先まで神経を行き渡らせ区切りの「お仕舞 
  い」まで踊る」こと。

をそれぞれ指す。要するに「最後まで手を抜かずにいる心構え」みたいなこと。
ただ、私がとても惹かれた「残心」の解釈は

「『残心』とは心を残さないようにして残すこと、初めから心を残すつもりで残すのは『残心』ではない。」
「残さんと欲すれば残らない、思い切って捨てれば残る。
(剣道日本コラム「残心とは心を残さないこと?残心の二つ目の意味について(前編)より)

というものだった。
いや、深いな〜〜〜〜。
しかもなんかとってもaikoっぽい…。え、そう思わないですか??笑
なんでなんだろうって考えてみたら結構自分の中でしっくりきたので書いておこうかな。

aikoの楽曲は、切ない歌詞であればメロディはそれに反して明るくなる。個人的にこれを「aikoの切なポップ」と呼んでるんだけど、この「切なポップ」と「残心」はとても似たものがあるんじゃないかと考える。
切なくさせようとすれば切ない静かな哀しげなメロディにだってできるはず。でも、それじゃただ「なんか悲しいね」で終わってしまう。ところがaikoの切ない歌詞に明るいメロディの「切なポップ」だとどうだろうか。
「なんかめっちゃ曲調明るいのによく聴くと歌詞バカ切ねえな!なんだこれ」となって、さらにのめり込んで聴くことになる。

私の残心はこれです。(言葉にすることを諦めんな)
残さないようにした結果残ってしまう。
あなたに未練なんかない!と吹っ切れたはずの曲は最後が「じゃあまたね!」で「え、めっちゃ未練?それとも!?」ってなったり…ね!?そんな感じ。
だから今回の『残心残暑』のタイトルの意味を知りたくて『残心』をふと調べたら、かなりグッときてしまった。aikoじゃん。残心はaikoだよ。
そしてその後の「残暑」最高ですね…夏が終わるのってなんか、一つの恋が終わったような気持ちでもあるし、恋が始まった時のような気持ちでもある。
もうこのアルバム『残心残暑』以外のタイトルありえないです。

blue

さて、やっと本題です!!文字で喋りすぎちゃうという悪い癖が…(でもタイトルについてもすごく話したかった)

まずは私の初聴きのメモはこんな感じ

流石に勢いとフィーリングだけで書いてるこのメモ。
aikoのブレスから始まる曲が大好きなのですが、このblueはブレスから始まる。aikoの息を吸う音から曲の物語が始まるのって、すごくいいよね。

たしか2番の終わりくらいでブワーって涙が出てきて自分でもびっくりした。

タイトルを歌頭に歌うのって珍しい?
イジワルな天使よ 世界を笑え!
恋堕ちる時
相合傘
ずっと
恋をしたのは …etc
もっとあるのかもしれないけどあんまり多くないと思う。


果たして雨は空が泣いた涙なのか

まず歌い出しの歌詞が素晴らしく物語の始まりだった。まさに『残心残暑』のはじまりの曲。

このハンカチ湿った夏の匂いがするな
さっき拭いたのは
頬をかすった雨だったような気がする
blue それとも空が泣いてたのか

えぇ…aikoだ…
よく雨が降ることを「空が泣いてるんだね」みたいな表現することあるじゃん。それがすごく陳腐だなあと感じることが私はよくある。脳内の夏井先生に言わせれば「雨で空が泣いていることを勝手に想像するのは凡人の発想です。」
そしてズバァーーーっと「空が泣いている」と添削)
でも今回の表現、

”それとも”空が泣いてたのか

なんだよね。決して雨=空が泣くではない。
さっきハンカチで拭ったあの水滴は「頬をかすった雨」だったような気もするし、それとも空が泣いていたのかな?ってあたしは感じている。

頬をかすった雨って本当に雨なのかという疑問。雨でも空が泣いてるのでもなく”あたしが”泣いていたんじゃない?
「空が泣いていたのか」って言ってるけど、ご自分が泣いてること隠そうとしてない??本当は1番泣いてるのは”あたし”なんじゃないのaiko??
これは個人的な話だけど、雨が頬をかすったからといって私はわざわざハンカチを取り出して拭ったりしたことがない。aikoはわからない。ちゃんとハンカチで拭く系女子なのかも。そうだったらごめんね。
でも、だからこそこの”ハンカチを取り出したあたし”は泣いているんじゃないかなと余計に思う。

やばいこのシーンだけで永遠に語れそう。次。


あなたの本体はあなたの細部

あたしってあなたの細かい仕草よくみてるよね。好きな人のちょっとした仕草や表情って気になるよね。aikoが語る「あなた」は、「あたししか気づかないような細部」が本体。「あなた」っていうよりも「あなたのその低い声」とか「あなたのその右肩が少し上がる癖」とか。そういう部分をあたしはよく見ている。

あなたが話す時動く喉仏に
色んなこと一喜一憂する姿に
笑ってみたり一緒に悲しかったりしてたのは
あたしだったはずなのに

あ、aikoさん…「あなた」の些細な仕草をこんなにも鮮やかに表現するaikoさん…
好きな人の声帯を見てみたいというaikoなら話す時に動く喉仏なんて序の口っすよね。
でも、歌詞にこういう描写があるから「あなた」と「あたし」の二人の形が容易に想像できる。

でも、「あたしだったはずなのに」なんだよね…悲しいかな過去形。あなたとの小さな幸せを重ねる日々は今はない。
この時点ではあなたとあたしの関係は別々に変化してしまっていると思われる。
「笑ってみたり」と表現するところもすごく気になっていて「笑ったり」じゃないんだね。
そこもなんか切ない…


変で奇跡なあなたを

このサビの歌詞はaikoにしか書けないよね。ほんとに。

髪切ったくらいじゃ気付いてくれないけど
隠れてついたため息や 感情の機微に気付く
変なあなたを誰より知りたくて
奇跡なあなたを何より愛してる
blue

髪を切ったことは気づかないくせに、あたしのちょっとした気持ちには気付く。あたしをみてないようでちゃんとみている。どこか捉えどころのないあなた。「もう💢」ってなることも多いけれど、狙ったわけでもなくちゃんと大事なとこは逃さないあなた。なイメージ。笑
そんなあなたを「変なあなた」「奇跡なあなた」と表現するのもうなんか…天才すぎだろ(表現諦めんな)

しかもこれの1番好きなところが、あなたの知らないこともあると認めている”あたし”なところ。あたしとあなたは完全に分かりあうことはできないから、だからこそ知りたい。っていうaikoの想いが全面に出ててただただ好き。

「変なあなた」を”誰より”知りたい
「奇跡なあなた」を”何より”愛してる

きっと「変なあなた」を知っているのはあたしだけっていう気持ちがあるんだと思う。だから誰より。(変なあなたの”変”っていう部分は「髪切ったくらいじゃ気付いてくれないけど 隠れてついたため息や感情の機微に気付く」)
でも「奇跡なあなた」は何より愛してる。誰と比べるでもなくあたしの中で何より愛してる。それがすごくいい。
そしてフェイクのような「blue」
この曲、1番Bメロ以外最後に必ず「blue」と出てくる。あーこれ何かを見た時に必ずあなたを、あなたと重ねた幸せの日々を思い出してしまう現象に似てるね。
何かのインタビューで『blue』はパソコンに青い表示が出てきてその瞬間に初っ端の「blue」って浮かんできて曲ができたって話してたよね。


切なさと程よい湿度の間奏

ふっしーのトランペット…すごくいいよね…
「残暑」って言葉がピッタリすぎる。
繰り返すフレーズが多いのもなんだか心地よくて、少しずつ変化していくフレーズが最高に気持ちいい。あなたのことを反芻するかのようなこの間奏が大好き。
あ、ただそれだけが言いたくてこの段作りました(笑)それだけです。


あなたのすべてを知らない

この歌詞共感する人多いんじゃないかな。私は首がもげるほど深く頷きまくる日々。

誰かを誰かが思い出す時
バラバラで まちまちだから
耐えられなかったり忘れようと思ったり
どこかで期待を望んだり
blue

わかるぅーーーーーーわかるよaiko…
思い出す人によってその人の人物像は本当にまちまちでバラバラ。
だからこそ「変なあなた」や「奇跡なあなた」は”あたしが思い出すあなた”であって、あなたの全てではない。まだ知らないあなたがあることの嬉しさの反面、あたしの知らないあなたがあることに耐えられない不安があったり。なかったり。ラジバンダリ。
「忘れようと思ったり」してもどんな時も色々な表情のあなたが浮かんでくる。あなたはあたしの生活に染みつきすぎた。何しててもふと思い出してしまう。

「どこかで期待を望んだり」これただ期待するって意味じゃないと思うんだよね…「期待」を「望む」
あなたが期待することを望んでるってこと?深読みしすぎ?この意味の重ね気になる。

深い…もう何も言えない。まだ私にはこの歌詞は深すぎる。もっと日々聴き続けて年を重ねたら分かる時が来るのかもなあ。

ここのblue、だんだん音程が上がっていくことであたしの感情の昂りがみえる。今まで割と静か目にあなたとの日々を噛み締めながら心の中で涙を流していたあたしが、はじめて私たちに涙を見せてくれたような気分になる。多分、その涙は悲しい切ないだけの涙じゃなくて、あなたが好きすぎるが故の愛の涙でもある。きっとね。


「奇跡なあなたを何より愛してる」

からの大サビ。ここはもう感情ドバァーーーーだよね。今まで抱え込んできたあなたへの想いが溢れすぎてる。あなたが本当に好き、というより愛してるんだなあってわかる。

奇跡なあなたを何より愛してる
奇跡なあなたを何より愛してる
blue

大事なので二度言いました的な念押し。
一度目のメロディの裏でだんだん音程が上がって、二度目では落ち着いていくトランペットがあたしの確固たる気持ちを表す。
ただ切ないだけの終わりではなく、あたしの意思を感じる終わりだな〜。
この『blue』はバラードだけど力強さ感じるなあ〜って思ってたけど、そういうことだったのかも。アルバムの一曲目で世界観出来上がりすぎ…もう私たちは『残心残暑』の世界に居ますね。いらっしゃい。

そして最後の「blue」は今までのどの「blue」よりもミックスボイス寄り(?)な歌い方をしている(気がする。音楽の知識何もないですすみません)
それか、歌頭のblueと似てるかも。
はじまりとおわりの統一感ありつつ、でもあたしの気持ち的には最初とは全然違うベクトルを向いている気もするし…感覚的にだけど少し前向きになった気がする。

おわり

こういった考察は楽しいけど、知識のない私にとって自分の無知を晒すだけなのでは…?と若干の怯えがあって今までなかなかできてなかった。
『残心残暑』のおかげで、aikoのおかげでちょっと踏み出そうと思えたわけです。ありがとう本当に。
どのアルバムも大好きなんだけど今回のアルバム、個人的には結構大ヒットで。
個人的に『泡のような愛だった』(2014)と似た感覚になる。アルバムの統一感然り、アルバムの構成だったりもあるのかも。

最初は全曲まとめて一つのnoteにする予定が、書き出すと書きたいことが意外と多くて。
だから、今回はコンパクトにまとめようと一曲ずつにしようかなーと書き始めてみました。(コンパクトとは?)
全曲9月中に書き切れるのか。ROCKまでに書き切れるのか。怖いです。

みんなの『残心残暑』聴いてこう思った、ここはこういうことだと感じたとか色々聴きたい。
ビーマスラジオの「残心残暑回(2024/9/16放送)」は楽しかったから何ヶ月か後にやってほしい!

読んでくださった方いましたらぜひあなたの『blue』について聴かせてください🤝🏻
ありがとうございました!
次回は『skirt』です


引用サイト




読んでくれてありがとうございました💐💙

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