イラストレーターの大先輩方に講評していただいた話
きっかけはタイムラインに流れてきたこのツイートだった。
東京イラストレーターズ・ソサエティ。略してTIS。知る人ぞ知る、大御所イラストレーターさんが多数所属するイラストレーターの団体だ。(定期的に行われているTIS公募、昨年の募集時は「私にはまだまだ敷居が高い…」とチャレンジすらしていなかった…。)
プロのイラストレーターさんたちに講評してもらえるチャンス(それも無料で!)はなかなかないと思い、すぐに申し込んだ。講評してくださる方は網中いづるさん、ケッソクヒデキさん、竹井千佳さん。いずれも素晴らしいイラストを描く方ばかりだ。
これは私がこれまでに実感してきたことだけれど、デザインにしろ、イラストにしろ、人に見てもらい意見をもらうことは、一人で勉強したり、試行錯誤したりしているより、はるかに勉強になるし成長が早い。ここで間違えてはいけないのが、相談する相手だ。その道の先輩方や信頼できる人に聞くのが一番良い。私はたまに夫に「このイラストをどう思うか」と尋ねるが、その答えを聞いて「うーーーーーーーーーーーーーん」と首をかしげていることの方が多い。
さて当日。緊張が高まる中、講評会が進んでいった。参加者は15名。
私は事前に、この作品を見てもらおうと決めているものがあった。たった10分しかない講評のチャンス。質問も準備していた。(とはいえ緊張して早口だし、質問がうまく話せなくて焦った)
見てもらった作品は、昨年初めて背景までしっかり描き込んだこの作品。
私からの質問は「今はカットイラストなど挿絵のお仕事が多いが、もっとお仕事の幅を広げたい。例えばキービジュアルや本の装画など、一枚として魅せる絵にするにはどうすれば良いか、私のイラストをもっとよくするには、どうすれば良いかアドバイスがほしい」というようなことだった。
以下、講評で頂戴した意見の箇条書き
器用さが絵に出ていて全体的にちゃんと描き過ぎている
ちゃんと描くところとそうでないところ。アイキャッチが必要
くずし、色をしぼる、トリミング、そぎ落としなどをして、グラフィカルにもっていく方法も。
「点目」のカテゴリーで見られやすい。目の特徴を出してはどうか
新しいタッチにチャレンジしてもいいかもしれない
アナログで描いてみるのもよい
新しいアカウントを作って全く別のイラストを描いてみるのもアリ
なるほど…!!
講評してもらってる間は聞くのとメモするので必死だったので、即座に反応できなかったが、めちゃくちゃ納得できる内容ばかりだ。別のタッチもいいかもなぁと最近思い始めていたので背中を押された気分になった。全部をうまく描こうとしていることにも自覚がある。もっと抜けのあるイラストを描くための研究が必要そうだ。
あとはやはり「点目」というカテゴリーで見られるんだなぁと思った。とはいえ、長場さんやゆたんぽさんなど、点目を描くイラストレーターさんはTISにも所属しているし、どの方もそれぞれの世界観や視点でイラストを描かれているので、それがだめというわけでもないという話もされていた。
それと、今回良かったのは、御三方のさまざまな意見を聞けたところかもしれない。それぞれに着眼点も感想も違う。多面的に見てもらえるところはとてもよいなぁと思った。
自分の番以外も勉強になることばかりだった。私から見れば素晴らしい作品を描いている方々も、いろんなことに悩みながら描いているんだなあぁとか、同じ悩みも結構あるなぁとか、なかなかに面白かった。さらに講評者である御三方からも「私が4年目のときはこんなに上手くなかった」とか、「最初は仕事がなかった」とか「自分で冊子を印刷して配った」とか、そういう過去の経験を話してくださり、当たり前だけど、コツコツと活動を続けていくしかないんだよなぁと勇気をもらった。
私の備忘録としてここに記しました。
最後まで読んでくれた方、ありがとう。
インドネシアより、ANでした。