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手術当日(入院3日目)
朝から手術終了後まで、ほぼ記憶のない1日です。
手術前
食事は前日の夜、飲水は朝5時以降禁止で迎えた手術当日。
手術予定時間の30分前に、術前・術後着とT字帯に着替え、
病室で病棟看護師さんとともに手術室からの連絡を待ちます。
待っている間、看護師さんは「昨日は寝られた?」「緊張してます?」など
いろいろと声をかけてくださって。
「ぐっすりでした」と聞けばサムズアップで応えてくれ、
「緊張はしてないです。でも、待ってる時間がちょっとイヤですね」と言えば、
「そうですよねー。準備万端だし、やるなら早く、って感じですよね」と
笑顔をくださり。和む。感謝。
そんなこんなで予定より少し遅れて連絡が。
手術室に向かう道中も、いろいろと話してくださっていたように思うのですが、
やっぱり少し緊張していたのでしょうか。
内容はまったく覚えていません。
手術室がいくつも並ぶスペースに入ると、手術室看護師さんに迎えられ、
氏名やなんの手術をするのかの確認があり、不織布のキャップを着用。
そこから手術室に向かいました。
で、えーっと、羽織っていたカーディガンはいつ脱いで、
メガネはいつ外して病棟看護師さんに渡したかな?
記憶がないあたり、やはり緊張していたのでしょう。
手術室の内部もどんなだったか、まるで覚えていません。
厄介な体
手術台に上がり、生まれたままの姿になるべく術前・術後着とT字帯を剥がれ、
心電図の電極パッドを若い看護師さんがつけてくださったのですが、
つけ位置が違うことを先輩看護師に指摘されていて……。
大丈夫か!? 不安やーん。
続いては、点滴のルート確保です。
最初に電極パッドをつけてくれた若い看護師さんが左手甲に針を刺すも、
針が進まないようで断念、のち先輩看護師さんに交代。
無事にルートが確保されました。
これはのちのちわかったことですが、なんでも血管がカタイらしく、
針がなかなか進まないのだとか。
そのため、その後、ルート確保の度にあちこち針を刺されまくることに(泣)。
点滴のルート確保後は、硬膜外麻酔の針を入れるため、手術台の上で横向きに。
背を丸めて、局所麻酔をしたあとに、硬膜外麻酔をするための針を棘突起間
(ざっくりいえば出っ張っている背骨と背骨の間)に通すのですが、
動くと危険なので何かあれば口頭で伝えるよう、麻酔科でも言われていました。
が! 通しているときに、何かに触れた? 勝手に体がビクンと反応し、
さらにその後、左脚にしびれ、左脇腹に痛みも出て、断念。
ベテランらしき医師(たぶん)が呼び出されて登場し、針を刺し直して、
無事にカテーテルが挿入できましたが、その医師いわく、「棘突起間が狭いね」。
血管はかたくてルート確保しづらいし、背骨の間は狭いし。
なんて厄介な体。
8時間20分
硬膜外麻酔のカテーテルが通って、上向きに戻ったあとは、ほぼ記憶なし。
気づいたのは「アンさーん。終わりましたよー」と声が聞こえたときです。
そのとき同時に時間を読み上げる声も聞こえてきましたが、
手術室に入ってから8時間20分が経過していました。長っ。
そのあとベッド(いつの間にか病室用のベッドに移っていた)のまま、病室まで。
途中、エレベーターに乗りましたが、乗り物酔い的な気持ち悪さが……。
あっという間だったので、オオゴトにはなりませんでしたが。
さて、まだ手術室にいるときのこと。
目覚めて最初にかっすかすの声(人工呼吸だったため)で発した言葉は「痰が」。
正しく言えば、痰ではなく鼻水なのですけど。
実は後鼻漏の気が少々ありまして。
後鼻漏というのは、鼻水が喉に流れ込んでくる症状です。
鼻をかんでも鼻水が出ないこともあるそうですが、そこまで酷くはなく。
ただ、目覚めた直後にある程度粘度のある鼻水が喉に流れこんできまして。
術後は2日目まで水も飲めないことをわかっていたので、
この鼻水はそのまま飲み込んではイカン! と瞬時に判断して
看護師さんに訴え、吸い取ってもらいましたが、この後もガンガン流れ込み発生。
ふだんはある程度自分で流れ込みを阻止できるものが、まったく制御不能で。
病室に戻ってから、病棟看護師さんが枕元にティッシュを置いてくださり、
ベッドの手すりにかかっているゴミ箱も蓋を開けたままにしてくださって、
だいぶん助かりました(あっという間にゴミ箱山盛りでした)。
病室に戻って
病室には酸素マスクを着けて戻りましたが、うまく呼吸ができているとかで、
両鼻の穴に管を直接入れる鼻腔カニューラにかえてくださいました。
そのときに「鼻をかむときはどうしたらいいですか?」と聞いた記憶が。
ほかに記憶していることは、夜中だったか翌朝早朝だったか、
留置されたドレーンからの排液が多かったのか色が異常だったのか。
看護師さんが主治医を呼んで確認してもらっていたことをうっすらと。
それから、夜中にたぶん3〜4回、傷の痛みでナースコール。
痛み止めを点滴で入れてもらったほか、
夜中に様子をうかがいに来てくださったことも。
気にかけてくださっていることを実感してうれしかったことを覚えています。