見出し画像

【pkmn SV】DLC 番外編 感想

こんばんわ、あんこです(*‘ω‘ *)
DLCのキタカミ編にシナリオが追加されたのが2024/01/11、もうそろ1週間たったし、いろいろ喋っても問題ないか?というところでプレイした感想を。今回はあまり考察せずに、プレイしながらよぎったことや考えていたこと、クレジットをみて感じたことをまとめておきます。
諸事情で時間取れなかったので1時間で書けるところまで(またタイムスケジュール管理できなかった人)(感想記事ワンドロ)

私の中のSVシナリオの設定なのですが、本編(パルデアの大穴)は以前記事にもしている通り、ユダヤのセフィロトやエデンを想定しています。
DLC前編のキタカミ地方のオーガポン・3毒のシナリオは、桃太郎ポストが不在の桃太郎モチーフの話とみていいと思っています。

パルデアは大穴以外はスペイン近隣と見えますが、大穴に入ってしまえば、もうお伽噺の中の世界に近く感じました。
キタカミに関しては、舞台美術よりも、キーになるポケモンたちのデザイン、キャスティングで判断したのですが、番外編で新登場したモモワロウ。
このポケモンが桃太郎枠なのでは。という話は各所で上がった通りとして、デザインモチーフと名前が一致している、というのは神話オタク的には「意味のあること」ではあるものの、断定材料にはなりきらないです。
これが神話であれば、モモワロウの見た目・名称もすべて、本質における「意匠(衣装)」でしかないはず。どこぞのヌシではないのだから「私が桃太郎です」と言われて「はい、そうですか」というわけにはまいりません。モモワロウが桃太郎ポストで問題ないのか、その与えられた役割まできにかけていきたいところです。

DLC配信後、公式から「知られざる「モモワロウ物語」」というようつべ動画がアップされて、音声ナレーションと挿絵アニメーションでシナリオ補完相当の設定補完がなされた。
私が「あっ」となったのはDLC中にも動画中にも出るこちらのオブジェクト。

クサリ餅というらしい。キビ餅じゃないんかい。

キビキビダンスを踊りだす、という認識になっていそうですが、事実に概ね相違なく、モモワロウの支配下に置かれるという支配アイテムを自生できるようです。こうなってくるといよいよ桃太郎モチーフなのも見えてきた。
ネットでは赤血球と言われていますが、モモワロウの本来のロールを「桃太郎」とすると、原本を一度見たことある人はみんな私と同じリアクションだったと思いうんですが。多分これですよね。

蟠桃(ばんとう)という中国の桃です

これ見たらもうこれにしか見えなくないですか。ていうか桃太郎なら桃を生成しろ、と私は思います。DLC番外編を開始するには「まぼろしモモン」を受け取るところからなんですからね!

まぼろしモモンの説明画面。数年に一度、ツヤが違うらしい。もはや形が違うが。

蟠桃は私は「西遊記」で知ったので、そこが一番有名かなと思っています。
「三千年に一度開花結実し、その実を食すると不老不死を得られると伝えられる桃」というところも、まぼろしモモンの設定と一致しますね。モモンは数年に一度とれるようですが。いい時代になりました。

ここら辺から、私がキタカミフィールドに抱いていた印象が一気に変わります。そもそも、キタカミ編の桃太郎要素はキャラデザイン(衣装)だけで、キタカミの里が恐らく日本の東北ベースであることの意義や元来の「桃太郎」との関連性がほかには見られにくいと感じていました。恐山やてらす池の再現度に関しては、大穴からクオリティが保証されていたようなものなのですが、それがお伽噺・桃太郎、もしくはオーガポンとどう関わるのか、と思ったのです。

私が資料を漁った順で話すと、まずは蟠桃のおさらいからスタート。
不老不死に憧れた孫悟空が、桃園の桃を食べて不老不死になってしまったところから西遊記がスタートするように、「仙人の実、不老不死の象徴」という役割や意味合いを指すのが桃です。日本神話でも、「邪を払う果実」という意味合いが強いです。
そして西遊記に出てくる桃園というのは「西王母」という不老不老をつかさどる女神が管理している禁止区域のような場所です。無断で桃を食べることは許されない場所。

ここらへんからなぁんとなく関連が見えてきます。
パルデアの大穴が「エデンにある禁断の知恵の実」神話だとすれば、
キタカミは「禁止区域にある百薬の実」神話ともとれる。
「禁止区域」にある「食すことを禁じられた果実」。
そしてこれが恐らく双方ただの「禁止区域」ではない。

パルデアの大穴を「エデン」と称するには十分というか、神話的には不十分なのですけど、体感は十分というか、やっぱり、私も初回プレイの時は思いましたよ、「異様すぎる」「この世ならざる場所」だと。そして同じタイミングでペパーくんが「天国みたい」な場所とも表現しています。
なんてったって「celestial」、「天国のようなすばらしさ」ですからね。
これがユダヤベースと思ったのはスペイン=ヤコブの梯子の親和性で、実際、パルデアの大穴の中から空を見上げるとヤコブの梯子にしか見えません。話が逸れましたが、エデンがただの禁止区域ではないというのは、「この世ならざる場所」なのではないか、という話です。
そもそもエデンとは「楽園」の名称です。

ここでバトルするコラミラの二つ名は「楽園の守護竜」でした

エデンとは「神が人類の始祖アダムとイブを住まわせた楽園」。
通常の人の住む地続きかと言われるとだいぶ怪しいです。
楽園の定義は「苦しみが無く、楽しさに満ちあふれた場所」で、では実際にどこですかと聞かれて答えられる人がいたら、その方はもう楽園にいらっしゃるはずなので、俗界にはいらっしゃらないかと思われます。

では桃ですが。この桃園はどこかと言われるといわゆる「桃源郷」と言われています。桃源郷は、俗界を離れた他界・仙境とされています。
つまりは「この世界線上にはないかもしれない場所」です。

博士もこのように言っておられます

「この世界にはないかもしれない場所」にある「禁断の秘密」という関連性があるのかなと思ったんですよね。

こっからは少しややこしい話なのですが、私が一番面白いと思うので話します。
「楽園」と「桃源郷」に関連性を感じますという話をしましたが、「楽園」は「理想郷」にも置き換えられるかなと思ったのです。「理想郷」と「桃源郷」では何が違うのかという話なのですが、「理想郷」つまり「ユートピア(深めたい人用の検索ワード)」は「全く到達不可能な夢幻としてではなく、地理や社会制度の意味において十分到達可能なものとして描かれている」もので「桃源郷」のように「この世にはない」という断定的な「空想性」はやや否定されているんですよね。
「ユートピア」とは「理想社会を実現しようとする主体的意志」とされ、「桃源郷」は「異民族の征服からもう逃げる場所がない当時の中国民族の心理」から誕生した概念でもあるといえます。「理想社会の実現を諦める」という特徴がユートピアの思想とは真っ向から異なります。
このあたりの思想の話には「地上にユートピアを作ろうとする熱意が惨劇を生むことを表現している。そして、災厄から逃れた先祖が彷徨の果てに辿り着いた地、つまり、ユートピアの崩壊後に姿を現すものが桃源郷だ」という考え方があります。後半の方めちゃくちゃ聞き慣れたシナリオですよね、アレ、キタカミがユートピアってこと?(n回目の脱線)

今回はさっさと話を戻して、「主体的・積極的なユートピア思想は、その目標とは全く裏腹の大きな災禍を生じ、消極的な桃源郷は、現実には何の力も持ち得ないが、人間の精神に大きな慰めを与え得る」。ユートピアがホームウェイ、桃源郷がキタカミ編とすると、なんとなく何を指すのか想像できます。ユートピアにおける「積極的な思想が逆に災禍を生む」のは「正しく見える前提や論理から、納得しがたい結論に行きついてしまう問題」つまりそのまま「パラドックス」。理想が明確であったからこそのパターン。
「理想の実現を諦めると、現実には何の力も持ち得ないが、人間の精神に大きな慰めを与え得る」桃源郷は、オーガポンにもスグリにも感じます。最も顕著なのはスグリで、オーガポンを諦め、テラパゴスを諦め、最終的に「主人公みたいに強く」なることを諦めましたが、諦められたことで自分を取り戻し、主人公との関係を0から再構築する結論を見出しました。こちらは理想の正体がはっきりしないまま探し回り、最後に見つけられたパターンといえるかと思います。

桃源郷は「既に人々の心の内にある存在を、詩的に具象化したもの」とされていて、テラスタル要素と近しいものを感じます。
そして、この要件から、世界そのもの、つまり自分の心の外を探しては絶対にたどり着けない場所とされています。「この世ならざる」とはこの意味です。自分の理想は既に自分が知っているから、自分の魂の内にのみ存在する、という理屈で、「探求の正体が何であるかを知っていなければ探求はできないが、それを知っているならば既に答えは出ているので探求の必要はない」というパラドックス。オーガポンやテラパゴスの力ではなく、自分自身で勝負して主人公と認め合うことに辿りついたのでもう彼が自身を見失うこともないでしょう。
オーガポンも一緒に逃げてきた男との未来を探し回っているうちは荒れ狂っていたものの、男との記憶を自分の中に探すことで本領を発揮することを表現したものが「おもかげやどし」なのかな、と解釈しています。
「理想の自分」が裏テーマでは?と囁かれるSVですが、テラスタルは「輝くものはいつも自分の中にある」という衣装なのかなと今回の追加シナリオで改めて感じました。

今回は時間が取れず、あまり情報も整理しないまま、相も変わらず惰性で書いてしまったので読みにくいかと思いますが、読んでいただいてありがとうございました。
この記事をまとめる中でふと思ったのですが、テラパゴスは間違いなく財宝ではあり秘宝なんでしょうけど、「タイムマシン」がテラパゴスの役割なら御伽上のロールは「玉手箱」であるべきで、浦島太郎における亀は「ミラコラ」なんじゃないのって思った。海辺で虐められてるところ助けたら後々乗っけてくれるようになるじゃん(爆弾投下)

ではでは、まだまだ良い旅を。
SVも2年目ですが自分のペースで参りましょう。
ポケモンバンク延命よろしくお願いいたします(必死) あんこ