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4文小説 Vol.44

アラームの音で目覚めた朝、よく眠れるようになった喜びを噛みしめる。

急いでいるときに通りかかったタクシー、外出中に腹が痛くなって空いていたトイレ、どちらの経験で例えても足りないくらい、今年の夏休みには救われた。

ノロノロ台風が運んできた暗い雲は、日付が変わる頃に雨を降らせ、やがて屋根やシャッターを叩く音が大きくなった。

これから強い風が吹くのだろうか、暑い暑いとぼやいていた季節も、過ぎゆく頃になれば切なくなる。

―8月の終わり


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