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4文小説 Vol.5

ありがたい連休も明ければ反動が重くのしかかり、たまらず有休をもらって寝坊した朝、パッカー車の音に耳をそば立てた。

克服できないことが多い人生、この時期のこの状態も、恥ずかしながらその一つらしい。

前夜、ようやく燃えないゴミに出すと腹を決めたVHSのテープを、2種類しか持っていないゲーム機"スーファミ"と"プレステ2"のため保存している「テレビデオ」で最後に再生させてみると、イルハン・マンスズのゴールデンゴールでトルコがセネガルを退けた準々決勝など、2002年の日韓ワールドカップのゲームがいくつも録画されていて、当時は浪人生でありながらいかに怠けていたかを恥じつつ、いま観ても変わらない眩しさに単なる記録以上のものを確かめた。

あれから年齢が倍になる歳月が経過した感慨に耽っていた昼下がり、ようやく到着した車は、4袋にまたがった思い出をあっという間に飲み込んで走り去っていった。

-19年目の五月病

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