「選び方学」的思考
001 「選び方学」研究者が望むこと
「選び方学」には、全人類的に有限な資産である「時間」を効率的に使用することで、社会全体の生産性の向上を目指す側面がある。その点から、現在の新型コロナ感染症の対応について考察してみたい。ただ、今回は一国民として要望となってしまうことをお詫びしたい。また、私は「選び方学」の専門家ではあるが、疫学を中心とした医学的、法的、そして行政的知見及び権限など一切ない。選び方学の研究者である一国民としての要望である。しかし、それが「選び方学」的である以上、社会に貢献する使命があるとの認識に立って記す「要望」である。
それでは、新型コロナ感染症の対応に対する「要望」を記すにあたって、いくつかの前提条件を明記しておく。この条件が、それぞれの専門的知見に照らして決定的な誤りがある場合は、この「要望」は残念ながら何の意味も持たない。
<前提条件>
①主要な感染原因は「飛沫」である。飛沫の大小を問わない。接触感染もあるが「頻度としては低い」(https://news.yahoo.co.jp/byline/sakamotofumie/20201007-00199431/)
②唾液により陽性、陰性の判定が可能である。核酸増幅法(PCR法など)で陽性が判明した場合、確定診断となる。(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00132.html,https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00004.html#Q2)
③感染しても無症状の場合がある。割合は30~50%。(https://www.covid19-yamanaka.com/cont7/main.html)
➃日本国内にワクチン、特効薬はない。(2021年1月9日現在)
結論から先に書くと、極めて技術的な話になるが②の前提に立ち、リトマス試験紙のようなもので、被験者が自宅で口にくわえるだけで陽性、陰性の判定ができる方法を提供してもらいたい、という要望だ。方法は、その開発能力のある方が考える方法でいい。求める機能は、被験者自身が、その場で、ほぼ瞬時に陽性、陰性判定可能なサービスの提供である。つまり、セルフコントロールを可能にし、パーソナルコントロール、つまり「属人的規制」を可能にしてもらいたいということである。
現在の対処方針では、非感染者の活動も現実的には制限されざるを得ない。エリア規制、業態規制のような属地規制、業態規制(まとめて外形的規制と称することにする)は無駄な制限が生じざるを得ない。結果、社会的生産性は大きく下がる。ここが、「選び方学」的立場から提言せざるを得ない所以である。
現在の「Go To キャンペーン」の是非に象徴されるワイドショー的議論に費やす「時間」、会食の人数は何人までを目安とするのか、様々な人が様々な意見を言っては、最終的には「マスクの着用を徹底するしかない。」という意見でまとまるような「時間」の使い方は、「選び方学」的立場からは即中止して、属人的規制を可能にする方法の提供に、国家を上げて取り組んでいただきたい。様々な集会の入り口での検温が本質的な意義を有しないことは、既に皆が理解しているであろう。無症状感染者がいるのだから。
私のような選び方学研究者である一国民の言を待たなくても、既に属人的規制を目指した動きがあるのなら心から応援したい。実は、既にその方法が確立されているのなら知りたい。普及への壁があるのならそれが何なのか?世界的に人的、金銭的資源を集中して壁を取り払うことを願ってやまない。必ず生産性の向上に資することとなろう。
外形的規制から属人的規制への移行、これが「要望」である。