How to 集合分析



前置き

Wizardアンバサダーになりたくて、前回Wizardと同等の出力を用いた集合分析のNoteを作成しましたがアンバサダーになれませんでした。
なぜなれなかったのかを検討すると、前回NoteはWizardの利点という内容が足りなかったのでは?と反省し、今回は集合分析のやり方について記載することにしました。

このNoteを通じて集合分析のやり方が分かると共に、Wizardが集合分析をする上でいかに素晴らしいツールかということが伝わればいいなと思っています。
(Wizardのすばらしさを伝えるNoteになるので、関係者の人も僕のことをアンバサダーにふさわしい人材だ!!と思うはず…!)
※この記事は脱初心者向けのため、中級者以上の方は参考になる部分が少ないかと思います。

集合分析とは?

定義は色々あるかと思いますが、このNoteでは以下のように2つの意味があると定義します
①ソルバー等を用いて複数のボードを同じ条件で計算した結果
↓例

①イメージ

②①から特定の傾向を抽出すること
↓例

②イメージ

集合分析はPioやGTO+といったソルバー、もしくはGTOWizardを使用することで対応できます。
しかし集合分析を行う上では、ソルバーよりもGTOWizardが圧倒的に優れています。
以降ではFlopの集合分析を例に、①をソルバーでやるといかに大変かと、②のやり方について説明し、なぜ集合分析においてはGTOWizardがソルバーより優れているのかということを説明します。
※お時間ある方はこちらの記事を事前に読んで②のイメージを持ったうえで、以降の章に進んでいただけますと幸いです。

1章_ソルバーで集合分析結果を出力する方法

※本章はソルバーで集合分析結果を抽出することの大変さをざっくり理解していただくのが目的のため、読むのがだるくなった時点で2章まで読み飛ばしてもらって大丈夫です+ソルバーでの集合分析方法についてはいろんな方がNote出しているので、詳細な説明はしません

GTO+というソフトを例に、ソルバーでどのように集合分析ファイルを出力するのかその手順を説明します。

ソルバーで集合分析する上では、まず前提条件(エフェクティブ/ポット/レーキ/プリフロレンジ)の入力とツリーの作成が必要です
※ツリーとは下記のように、Flop~RiverまでどんなサイズのBet/Donk/Raiseを用意するか等の指定をすることです

次に計算精度と集合分析の対象Flopを指定します

このファイルの場合、ベット&ドンクサイズ2つ/レイズサイズ1つだけを指定し、最低精度(誤差0.5%)で全フロップ(1755)を指定していますが、この設定でもBTNvsBBのSRPを計算するのに約2日ほどかかります。
※詳細は割愛しますが2022年にソルバー用に買ったハイスペックPCを用いてます

ソルバーを用いて集合分析をしようと思うと、この作業をBTNvsBB_SRPだけでなく、全シチュエーション繰り返していく必要があります。
僕の場合基本的なシチュエーション(スクイーズや3CC等を除く)のSRP/3bp/4bpを用意するだけで、約1か月かかりました。

これと比較しWizardでは、これよりも多くのベット/レイズ/ドンクサイズが用意され、かつあらゆるシチュエーション(レーキ/プリフロレンジ/CC/スクイーズ等)がデフォルトで用意されています。
そのため集合分析ファイルを出力するという手間が不要になります。
これがWizardの強みの一つです。

ちなみに集合分析ファイルを買おうとすると1シチュエーション当たり数千円~数万円かかり、Wizard相当のシチュエーション集めようと思うと軽く数十万円以上かかると思われます

2章_集合分析結果から特徴を抽出する方法

この章ではソルバーの出力結果から特徴量を抽出する方法を説明します

本題に入る前の雑談になりますが、集合分析結果から特徴を抽出する上で一番大切な要素は何だと思いますか?
個人的な意見にはなりますが集合分析に一番大切な要素はクラス分類可視化だと考えています。そこで以下ではこの2つに至るまでの手順について説明していきます

1章で説明した集合分析を実施するとソルバーから下記のような結果が抽出されます

BBの集合分析
BTNの集合分析

↑はBTNvsBB_SRPの各FlopでのBBのアクションと、BBがチェックした後BTNが取るアクションを表しています。
当然このままだと人間が見ても何も得られないので、下記のように成形します。

これはソルバー出力をインプットとしエクセルの関数を用いてテーブル形式にデータをまとめたものです。
ここまで整形しても人間がここから何かしらの特徴を抜き出すのは果てしなく難しいです
そこでこれをさらに加工して人間が見て特徴が分かるようにする必要があります。
この上で大切なStepが2つあります。
それが先に説明した①クラス分類②グラフ等で数字を視覚で把握できるようにすること(可視化)です。

まず①クラス分類についてざっくり説明します。(詳細は次章)
クラス分類とは1755個のFlopをある一定の集団に分けることです。
例えば、モノトーンボード/トリップスボード/ペアボード/Ahighボード/ストレートボード等々です。
例としてモノトーンボードのみを抽出してみます。

センスのある人はもしかしたらこの表を見ただけで一定の特徴量を見出せるかもしれませんが、普通の人はなかなかこれをみてモノトーンボードはこういう特量があるなということを理解するのは難しいです。
そこで次に必要なことが②グラフ等で数字を視覚で把握できるようにすることです。
ということで上記の表をグラフ化してみます。

グラフ化したことでBTNvsBB_SRPモノトーンボードでは以下の特徴があることが見えてきました。

  1. ほとんどのボードでベット頻度が30%前後になる

  2. ベットサイズは33%サイズがほとんど

このようにソルバーの出力結果を①クラス分類した後に②数字を視覚化することで、特徴を抽出することができました。
ソルバーを使うと出力結果の整形、グラフ化までを自分でやる必要がありますが、wizardでは視覚化された状態が提供されてます。
これがソルバーにないwizardの強みの一つです。
次章ではこの視覚化された集合分析を使って、どのようにクラス分類をすべきかということを説明します。

3章_クラス分類方法

先に結論から言うとクラス分類に必要な要素は知識2割、気合と根性8割ぐらいだと思っています
まずは知識でどういう風にクラス分類するのかということから説明します。

クラス分類_知識編

まず一般的な分類として以下があることを覚えます。
<影響大>
モノトーン/トリップス/ペア/highカード分類(A~2highに分けること)
<影響中>
ストレート/ストレートドロー

※これ以外にも細分化できる項目はありますが、分類を増やし過ぎると弊害もあるため一旦以上とします。

上記の知識を覚えたらまず最初に影響大に沿って分類します
下記がイメージです

先ほどモノトーンを例にしたので今回はBTNvsBB_SRPのAhighボードを見ていきます

これがAhighボードをグラフ化したものです
※左から右に行くにつれてMとLが小さくなっていきます
 高位のカードをH (High card)
 中位のカードをM (Middle card)
 低位のカードをL (Low card)
 と定義します。※AmuさんNoteの定義を借用
これだけを見てもここから特徴を見つけるのは難しいですね。
そこで次に影響度中の要素にマークを付けていきます。

いかがでしょう?
①HMストレートドローの有無(AT以上orA9以下)
②ストレートの有無
で分類することで特徴が見えてきたのではないでしょうか?
※詳細はこちらのノートで解説しているため内容は割愛。以下に抜粋のみ貼り付け

このように影響大で分類⇒特徴量が見えない⇒影響中で分類という風にやっていくことで、特徴量が見えてきます。
ただしすべてのボードが影響大/影響中で分類できるわけではありません。
そこで次は知識で分類できない場合どうするかを記載します

クラス分類_気合と根性編

以下はUTGvsBB_SRPのK~JhighのNonストレートボードです

このボードではMの値によってクラスが分かれます。
知識編では下記分類を覚えると記載しましたがMの値によって分類するなんてことは出てきていません。
<影響大>
モノトーン/トリップス/ペア/highカード分類(A~2highに分けること)
<影響中>
ストレート/ストレートドロー

なので当然何も知らない状態で、Mの値で分類できるということにたどり着く必要があります。
では私がどうやってこれを発見したかというとタイトルの通り気合と根性です。

知識編で記載した影響度大と影響中は当然試しますが、それでダメな時は後は手あたり次第法則が無いか色々ソートしたりフィルターしたりしていきます。
そうしてどこかでうわーこんな分け方できるのか!!ってなるまで気合と根性です。とにかく色々こねくり回します。
※あくまで私がこうしているということであって、もっとスマートにやる方法もあるかもしれませんがその場合はすいません。
 もし気合と根性に頼らないやり方をご存じの方がいればコメントいただけると嬉しいです。

この章で言いたいことはセンスや知識がなくても気合と根性で泥臭くやっていけば集合分析はできるということと、気合と根性で泥臭くやらないといけない場面があるということです。
もし手詰まったときには先人たちも気合と根性で何とかしたんだなって思ってください。

クラス分類_注意事項編

クラス分類をする上での注意事項はできる限り細かく分類しないことです。
細かく分類すればするだけいいんじゃないの?って思う人もいるかもしれませんが真逆です。
例を挙げます。以下はBTNvsBB_SRPのトリップボードの集合分析です

上記をの8highと5highに着目してみると下記の特徴が分かります
<8high>
66%サイズ(濃いピンク):70%頻度、33%サイズ(薄いピンク):30%頻度
<5high>
66%サイズ(濃いピンク):60%頻度、33%サイズ(薄いピンク):30%頻度、チェック(緑):10%頻度
上記のように8highと5highを分けることができますが、こんな細かいことを覚えてもほぼ無意味です。
そうではなく8high以下は66%サイズ:70%頻度、33%サイズ:30%頻度で全レンジベットするという風に大まかな傾向を覚えることが大切です。

特に集合分析を始めたばかりのころは無駄に細かく分類してしまう傾向がある(僕がそうでした)ので、意図的にできるだけクラス分類を少なくすることを意識するのが大切だと考えています。
僕が以前書いたノートも正直細かくし過ぎです。
ノートとして出す上でのデータの正確さとか指摘対策で細かくしていますが、ここまで分類する必要はないと考えています。
※解説欄で細かくし過ぎているところはコメント入れてます

正直これだけを読んでもピンと来ない方が多いと思いますが、もし実際に自分で集合分析をやるようになってどこまでクラス分類すべきか迷った際に、細かくし過ぎないということを思い出してもらえれば幸いです。

細かくし過ぎないと類似なのですが分類した後にまとめることができないか振り返ることも重要です。
例を挙げます。下記はBTNvsBB_SRPのK~Jhighボードです。

影響大で説明した通り基本的にまずhighカード毎に分類するのですが、このグラフから見える通りKhigh/Qhigh/Jhighはある程度傾向が一致しています。
このようにクラス分類をした後に、複数クラスを一つにまとめるということも良くあることとして覚えておくと◎です。

4章_Wizardを用いた集合分析_実践編

この先はもし僕がWizardアンバサダーになることができたら追記予定です。
具体的には、実際にどのように知識/気合/根性を活用して集合分析するのか、Wizardを用いた例を記載予定です。
Wizardアンバサダーになりたいという欲求のみでNoteを書いているので、もしこの記事が少しでも役に立ったor続きが気になる方がいれば、Wizardの偉い人に届くようぜひ拡散いただけますと幸いです

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