三つの世界
「わたし」は「わたし」を知りたかった。
「わたし」を思い出すために、
「わたし」を思い出していない状態が必要だった。
だから、「わたし」を忘れてしまった「わたし」が生まれた。
そして、「わたし」を思い出すために、
「わたし」を思い出していない世界と、
「わたし」を思い出している世界のふたつが必要になった。
そのふたつが必要であったから、
もともとある無から、
「わたし」を思い出している世界と、
「わたし」を思い出していない世界がつくられ、
世界は三つになった。
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