アーモンド効果
「何が見えるか」
アーモンドの木の横枝が見えた。
冬の休眠から覚めて真っ先に花をつけるアーモンド。
ヘブライ語で“目覚めているもの”という意味がある
人は約束をいつまで覚えていられるだろうか
いくつもの約束をしたかもしれない。
必ず果たすことを誓ってする約束もあれば、
可能ならばそうしたいという希望的な約束もあったかもしれない。
10年前の約束、20年前の…、50年前…
どちらかの不慮の死によってまたは寿命がきて果たされずに終わった約束もあろう。
エレミヤはアーモンドの木を見ながら神のお告げを聞いた。
「あなたが見た通りだ。私は自分の言葉を実行するため,しっかり目覚めている」
アーモンドの木はまだ花をつけていなかった。
しかしエレミヤはまもなく訪れる預言の成就を予感していた。300年の時を超えてまもなく成就するだろう。王は改革を始めていた。
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ソロモン王の子レハベアムの時代にイスラエル王国は2つに分裂した。
ユダ族とベニヤミン族を治めたレハベアム。
残りの10の部族を治めたヤラベアム。
ヤラベアムは民が祭りの度にユダのエルサレムへ登ってゆくことを嫌った。
民が自分を離れてユダ王国に戻ってゆくのではないかと恐れたためだ。彼は独自に祭りを設け、祭司を募り、自国の領土の北はダンに、南はベテルに各々金の子牛を偶像として築いた。
民がそこで崇拝しエルサレムへ行くことがないようにした。それはまことの神エホバにとって忌むべきことだった。
ヤラベアムがベテルの祭壇で崇拝していた時だった。ユダから来た預言者が祭壇に向かって予言した。
「祭壇よ,祭壇よ! エホバはこう言っている。『ヨシヤという男の子がダビデの家に生まれる。その人は,高い場所の祭司たちをあなたの上で犠牲として捧げる。あなたの上で犠牲の煙を立ち上らせている祭司たちをである。その人は,人の骨をあなたの上で焼くのだ』」
それから300年ほどの月日が流れエレミヤは祭司の子として生まれた。
エレミヤがこの預言を父から聞かされていた少年の頃、8歳にして王となった少年は名をヨシヤといった。
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エレミヤは晩年をエジプトで過ごした。ヨシヤはベテルの祭壇を破壊した。エルサレムは滅ぼされ、荒廃した。エホバの言葉はどれもその通りになった。
エレミヤはまことの神のもとに戻るように促した各時代の預言者たちの記録をまとめていた。
預言者エリヤはイスラエル王国がエホバを捨てたゆえに3年半の干ばつが生じることを予告した。そして、カルメル山でのバアル崇拝者との戦いにおいてエホバこそまことの神であることを示した。イスラエルをエジプトの神々から解放した父なる神であることをイスラエル国民に思い起こさせた。干ばつは終わり、雨が戻って地は実を生じさせるようになった。神のもとに帰る人に神は恵みを降らせ実を生み出す力を与える。
人間の創造者、すべての人の父である神エホバはこう言う
「背信の子たちよ,戻りなさい。 私は,背いたあなたたちを癒やす」-エレミヤ3:22
神はこの言葉においても、いつも目覚めておられる。いつでも戻ってくる人を優しく癒してくださる。アーモンドが時期を測って花を咲かせ実をならせるように。その時が訪れますように。