【詩】sensus:24歳の感性
上野のカフェの窓際、絵を描いていた。
外はスーツの2人組やナンパ氏、外国人観光客が右へ左へ流れている。
みんな違う見た目、それだけ。
私には皆一緒に思える。
人間社会で地位とか名誉とかなぜ必要なのか。
個において承認はそれほどまでに守りたいものなのか。
あなたが必死に守っているその金貨は誰の何のための物なのか。
社会人は、ビジネスマンは、私には向いてない。
冷めたミルクの膜を喰みながら、じっと考える。
目を開けるとナンパ氏の横の街灯が点いた。
ーーーそうか。
そもそも人生をゲーム感覚で生きていないから
誰かに勝とうという思考にならないのだ。
それなら何のために生きてるんだと問われたら
正直答えられない。
それでもこんな私でも
誰かの役に立つことができたのなら、
きっとその瞬間は生きていて良かったと感じる。
そういう感性で生きている。
いつの間にか外は真っ暗で全ての街灯が点いていた。