映画 ビューティフル・ボーイ
米国では50歳以下の死因第一位が薬物過剰摂取ってことに驚いた。
主人公の薬が入ってからのキマりきった目と情緒不安定さの演技がうますぎる…。激しく降り注ぐ雨と合わさると余計にどうにもならない痛みや苦しみとかすっかり変わり果てた姿が強調される気がした。
一度始めたら依存してしまうという意味でも地獄だし、脳に直接作用するような日常生活にはないガツン!とした幸福感というのをクスリによって手っ取り早く体験してしまうというのは寂しすぎる…けど、実際に起こっている現実…。
きっかけは色々だとしても、その快楽をどうしようもなく欲してるわけだから、頭ごなしに怒ったり無理に辞めさせるってのも勿論根本解決にはならず…今度こそと信じては裏切られを繰り返し、家族もどんどんと精神が蝕まれていく様子がリアルすぎた。
愛する息子を疑う辛さ、諦めない父の愛の強さ、子育てってとてつもなく大変。親もただの人間で正解なんてのも知らなくて、血が繋がっているからってテレパシーは使えないし、もちろん子供には子供の意思がある。愛だけじゃ守れないし治せない。ただただ何度も信じてそばにいたり、時には必要とされても愛を持って突き放したり、お父さんの愛の大きさったらもう・・・😢
何度も昔の息子を思い出すシーンも、"everything"とハグし合うシーンも、ボロボロになった息子がこれが本当の僕だって主張するシーンも胸が苦しかった。
心配する父と管理されてると感じる息子。
日本ではそこまで現実味がないかもしれないけど、日本でももともと米国くらい使用者がいたらまた感じ方も違うんだろうな。
どんなに害があっても、皆やってるし大丈夫だ、みたいな根拠のない安心感に落とし穴があるんだろうなと、怖くなった。どうしたって自分の身は自分でしか守れないこと。
"誇りに思って欲しい"というシンプルで切実な思い。