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恐怖の電話取っちゃったー③

こんにちは。
お付き合いいただきありがとうございます。

このお話は前回のNoteから続いています。
全3部構成の第3部です。

宜しければ下記URLより第1部・第2部が確認できますので、まだの方はそちらからお読みいただくことをおススメします。
第1部はこちら
https://note.com/amy3024/n/n33d087dc092a

第2部はこちら
https://note.com/amy3024/n/nf90e94dbd813

では、恐怖の電話を取ってしまったお話、第3部完結編です。



担当プランナーの頭はフル回転していたと思います。どうするのが大切な一日を迎える新郎新婦様にとって最善なのか。

その時、また電話が鳴りました。
「今、××駅に着きました。今から向かいます。」

××駅は、式場の最寄り駅です。
徒歩なら20分、タクシーなら10分もかかりません。挙式スタートにぎりぎり間に合うかどうかという時間の到着です。

担当プランナーの行動は迅速でした。
まず、受付で未着のゲストが何人いるか確認します。正確な人数は記憶があいまいですが、3人くらいだったはずです。

正面玄関でお客様のお迎えをしているベルボーイにはすぐにインカムで指示が飛びました。

「午後の挙式、未着ゲスト3名です。名前を言うのでメモしてください。未着ゲスト、A様、B様、C様です。今以降、到着したゲストは名前を確認してから館内に案内してください。こちらからは言わずに、必ずお客様ご自身に名前を名乗らせてください。未着ゲスト以外のお客様は、絶対に館内に入れずに一旦外でお待ちいただいてください。慎重に、間違いのないようにお願いします。」

こうして到着しているゲストのチャペルへの誘導が始まりました。

「大変お待たせいたしました。ご家族・ご親族様よりチャペルへとお進みください。」

いつも通りの光景です。
ゲストは何が起きているのか知る由もありません。新郎新婦様にも伝えていません。
ドキドキしていたのは、私たちスタッフだけです。

お式は無事にスタートしました。
未着ゲストも一人また一人と遅れて到着しました。

ベルボーイはきちんと名前を確認し、「A様、到着です。館内ご案内します。」とその都度インカムを入れてくれました。
その度に私たちは胸を撫で下ろしました。

そして、心配は杞憂で済みました。
不審な人は誰も来なかったんです。
電話もそれっきり鳴ることはありませんでした。

挙式も披露宴も無事にお開きです。
たくさんの笑顔の花が咲き、おめでとうの言葉が会場に溢れました。
最後のゲストが会場を出発しても、何も起きませんでした。

担当プランナーは、結局新郎新婦様に不審な電話のことを伝えませんでした。
それが、何事もなく幸せな1日を過ごしていただくために最善だと判断したからです。
だから今でも新郎新婦様は知らないはずです。

果たして、あの電話はただのいたずらだったのかーー。

あれからしばらく、私たちプランナーの間はこの話題で持ちきりでした。

「ホラーでよくある“メリーさん”みたいだよね?本当に来なくて良かったねー!」
「でももし来てたらどうなってただろうね。」
なんて、後で笑い話になりました。

こんな話嘘だ、と思いますか?
もしかしたらそう思った方もいるかもしれません。でも、私は確かに体験しました。

ここまでの体験は中々ないですが、プランナー業が長い同業者は似たような経験をしているのではないかと思うのです。

だって、打合せでよく言われます。

「お話しするかどうか迷ったんですけど、何も起きないかもしれないんですけど、○○っていう人から私たちの結婚式に関する問い合わせとか来たら一切情報を伝えないでください。」とか
「もし〇〇っていう人が当日来たら絶対に通さないでください。」とか。

ね?結婚式場って色々起こりそうでしょう?
こんな風に思いがけないことが起こることもあるんです。

でも、それだけではありません。楽しいお話や、お打合せの雑談、私たちプランナーの喜びや苦悩も、これから少しずつお話をしていきたいと思います。

最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。

更新は不定期ですが、これからもどうぞお付き合いよろしくお願いします。


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