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lazy_planet
昔の自分がそこにいる。
いい小説に出会いました。
柚木麻子さんの、終点のあの子。
中高一貫校の女子校を舞台に4つの短編からなりそれぞれ違う人物に焦点が当たっている小説です。
私もまさにその環境で大人になり、大学も学部的に著しく女子の多い環境で社会人になり、女子女子な生活をしてきました。
昨日まで毎日電話していたあの子と急に疎遠になる、紹介した相手とその子が仲良くなると複雑な気分になる、恋?彼氏なんてどうやって作るの?
年頃の女子達の心の機微がすごく細かく書かれているので、全ての話に身に覚えがあって、全ての子に自分を見る、そんな小説でした。
社会人になって働き始めても案外そんな思いをすることはあって、
変に人間関係を読むようになってしまい、それ故に人間関係を読まれたくない自分になってしまった、
これを読んでそんな気付きもありました。
小説に出てくる帰国子女で何でもはっきり言える一人の女のコ、そんな風な彼女に憧れたこともありました。
日本にいるんじゃないから私は気を遣わない!と言ったママ友もいたけれど、
でも実際にそれをやってみると気持ちよくはない自分もいて、とにかく自分は自分、人とはどこまでも違うものだなっていう、
極論、女子達の人間関係ってそれに尽きると思います。
誰一人心から悪い子はいないけど、ちょっと切ない気持ちにもなる、終点のあの子。
ちょっとチクリと刺される部分もあったけど、みんなが愛おしい。
大人になった今、大丈夫だよ!私もそうだったし今もそんなとこあるよ!って抱きしめてあげたくなりました。
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