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偽りに騙されないで!〜母とコウタ、1億円の愛〜

はじめに


「1億円当選したの!」

この物語は、母の笑顔で始まる。
孤独や不安に苛まれた時
思いもよらぬ罠に引き込まれてしまうことがある。
母が信じたのは、家族ではなく

名前も顔も知らない
「コウタ」と名乗る男。

彼は、失われた何かを取り戻すための
希望だったのかもしれない。
その希望は偽りだった。
多くのものを失うことになる。

本作は、家族が大切な人を守るため
奮闘する姿を描く。
母を救おうと努力し続けた私たち。

結局は彼女が自分を取り戻すしかなかった。

その背景に現代社会が抱える
高齢者の不安や、
それを狙う詐欺の恐怖がある。

誰にでも起こりうる現実の一部。
あなたに起こる未来かもしれない。

あなたならどう向き合うか?


過去


私は、父が居ない家庭で育った。
16歳で就職して仕送りをしながら
妹と母と懸命に生きてきた。

なんとしても母には幸せでいてほしい。
波瀾万丈な母は74歳。

ガンも患い、怪我で膝も悪く歩行困難。

この10年は母の通院、毎日の食事、体調、
とにかく元気になれるようバックアップしてきた。

本人の努力もあり、みごと復活して
長時間歩ける健康を取り戻す。

みるみる若返り、元気になったのが嬉しかった。
あとは幸せが大きくなるだけだった。

コロナ感染症に苦しんでいた4年前、
まだワクチンが始まったばかりで、
世界中が不安につつまれていた。
高齢者がいる私達家族は万全の体制で、
コロナのことばかりに気を取られていたけど、
その裏でもう一つ、別な世界が動いていた。


予兆

「1億当選したの」

笑顔で話す母

ウケ狙いだと思った。

「当選メールが来たのよ!」

「え!それは詐欺だよ。
オレオレと同じで騙されるよ」

そこで終わり

のはずだったのに…

喫茶店

あれから2ヶ月、
私は当選詐欺の話などもう忘れていた。

突然母が
「あのね、5000万を渡しに駅に来るから
一緒にきて」

「うん?なんて?」思わず耳を疑う。

話を聞くと
ありとあらゆる詐欺メールに反応していた。

送金額は60万

元手のない母はクレジット決済を繰り返し
何度も送金。

「そんな訳ないないでしょ!」
頭にきて声を荒げてしまったが

母は負けずに

「信じてくれないなら、
もういい!1人でいく!」

と言い張る。

しょうがないから、
待ち合わせの喫茶店へ行くことにした。

母「大きなキャリーケースを引っ張って、
男の人がやってくるのよ」

……。

約束の時間を過ぎてもこない。

残ったのは60万の支払いだけ。
そりゃそうだよ。

喪失感と虚構


こんな変なことに巻き込まれるのはどうして??
喪失感が、足元を狂わせるのか?
不安で視野が狭くなっているように感じた。
何かに焦ってる。

そういえばここ数年で
叔母、師匠、そして離婚した父が次々と亡くなる。
ライフワークにしてる
ボランティアのポジションも失った。

頼っていた人が居なくなって
心に穴があいたのか?

それにしても
5億当選しました!
国の支援金!
財産あげます!
在宅ワーク!

片っ端から手をつけすぎ。

どこに被害届を出せばいいのか奔走の末、
消費者センターと警察にたどり着く。

消費者センターの指示通りに書類をつくり
戻ってきたのは20万。
警察の指示で
スマホを変え、メールアドレスも変え
フィルターもして、セキュリティもかけた。

結構な労力と時間だった。
40万は勉強代だと思おう。
それしかない…。

詐欺って許せない。

でも、終わりじゃなかった。

貧すれば鈍する


なんか、そわそわしてる??
母の行動になんとなく違和感があった。
嫌な予感はよく当たるもの。

情弱な母だと思っていたけど
新しいスマホのセキュリティをくぐりぬけ
気がついた時には、数千円ずつ入金していた。

詐欺サイトの中身はこうだ。

懸賞金がもらえる 
6人の班ができていて
その中には若い女の子、男の子、
弁護士など、いろんな人がいる。
頼りにされたり、身の上話で盛り上がったり、
頼りにされ、尊敬され、必要とされ
すっかり居場所になっていた。

仲良くなった頃

入金手続きのためには
数千円のポイントを○時までに購入してください。
できなきゃこれ以上サイトを開けない、
他の人も受け取れないと連絡が入る。

母「私がポイントを購入しないと、
この子達に迷惑がかかる!」

悔しいけど、
巧妙な手口だった。

みんなグル、すっかりカモられてる。

コンビニで売っているビットキャッシュを購入し
番号を入力。

でも、いろんな理由で入金されない。
そして、形を変えて要求がくる。

入金しないでいると
「他の方がうけとれないで困ってます、
◯◯さん(母)に受け取って欲しいのです」
結局、ここからはポイント購入しないとサイトが見れない

なんのこっちゃ。

でも、これに入金してしまう。

その頃の私は、

お金ないのに振り込んでどうする?
ていうか、振り込むお金あるなら他につかえば?
もちろん入金なんて無いし、
詐欺って気がつくよね。

こんな感じで母の行動が、理解もできないし、
噛み合いもしなかった。

もしかして
「ついにこの時がきたのか」と
私は、ケアマネージャーに相談し
認知症の検査をしてもらった。

もしそうだとしたら、
考え方も対応も変わる。

ごねて、不貞腐れる母を
なだめて連れて行き、
よくある検査を受けた。

診断結果
「30問中28問正解」
正常だった。
むしろ私より若かった。

「認知症ではありません。」

嬉しいはずの結果に複雑な気持ちになる。

え?じゃあ。
正気で騙されてる?

あまりにリテラシーなさすぎだ。

困ったことに、
「いる」と信じて疑わない。

嘘が本当の世界に踏み込んしまった。
さらに開けてはいけない扉を開けていく。

コウタ

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通帳からお金が消える事が頻繁になっていた。
とぼけて「やってない!」
と言い張る母だが、細かく詰めると

「わかってもらえないと思うけど」

と話しだした。

「お医者さんで資産家で
私の心をわかってくれる人がいらして、
つらかった時に慰めてもらった。救ってもらった。 
私と一緒に暮らしたい、1億の資金援助がしたい。
って言ってくれてるの。

でもサイトのせいで、お金が振り込まれないのよ!
だから私たち、そのサイトを抜けようと思って!
そのためにポイントを入れなくちゃいけないの!」

超重要人物

コウタ

この人物が母と私たちの関係を大きく狂わす。

「もうお母さんやめて!」「聞きたく無い」 
「騙されている」
「そんな男、許せない!」
っていうか「いる訳ないじゃん!」
どんどん辛辣な言葉がでてしまう。

私がそう言えば言うほど
悲劇のヒロインは加速していった。

駆け落ちする10代?
ホストにだまされてるOLか?

ハマっていく
止めれなかった。

取り返せないもの、別れ

ある日の夕方

お母さんは何がやりたくて
そんなにお金が欲しいの?

歩み寄ろうと静かに語りかける。

知らない人が1億くれるって無いよね。
それを詐欺って言うの。
今も1円も振り込まれてないよ。

母「これは違う」
私「…」
母「わかってもらえないと思うけど」

母「亡き先生の本を集めたカフェか
記念館やりたい、それにはお金がいる」
「価値があるのよ」
私「それは先生の家族が考えれば?」

母「昔あきらめた歌がやりたい」
私「応援するよ」
母「それにはお金がない、みんなのために尽くしてきたのにおかしい」
「あの人はオルガンの先生になり、この人は毎日レッスンしてる」

母「もう、ここにお世話になるのも申し訳ないと思って」
私「それってコウタと暮らしたいってこと?
別な暮らしをしたいってこと?」
母「うん」

私「コウタに会ったことある?写真は?」
母「ない」
私「どこの馬の骨か分からない人を信じちゃだめでしょ」
母「それはサイトに意地悪されてるから」
私「そのサイトもコウタもグルだよ」

母「そのサイトね、訴えられて無くなって、
別なサイトが立ち上がったの」
私「じゃ、これを機にコウタの身元がはっきりするってこと?」
母「でも、住所送ると文字化けするようになってて見れないって」
私「だからそれが騙されてるよ!」
母「これは違う」

話がループするだけだった。

若い頃から病弱で働けなかった
そんな母にあるのは、少しの年金。
母名義のアパート2棟売って、
老後の資金を工面したはずだったけど、
数百万の資金を全てコウタにつぎ込んでいた。

そして
もう一つ、預かっていたお金にも手をつけていた。
関係者に頭を下げ、説明と謝罪をしたのは私。
残ったのは借金

母「なんでわたしばっかり!もう○にたい!」
と叫びながら悲劇を呪い部屋に篭る。

許してはいけなかった。
もう2年が過ぎていた。

「あなたのために、出ていきたい」

と言われ、
いつも誰かのせいの人なんだなと
一連の反省のなさが理解できた。

娘にも、息子にも、主人にも隠せなくなっていた。
この不祥事は、夫婦のさらなる亀裂になっていた。

カッコイイこと言いたいけど
限界で、区切りをつけるしかできなかった。

私は母と決別する。

母は故郷の東北に帰り、
妹のところに暮らすことになる。

最期まで面倒見るつもりだったけど、
母を幸せにすることはできなかった。
そもそも、その思いが傲慢だったのかもしれない。

私「この家の敷居はもう跨がせません。
そのつもりで出ていってください」

母「わかったよ」

こんな悲しいこと言いたくなかったよ。
言わせないでよ。

裏腹な気持ちは苦しい。
家事をしている時や、通勤電車の中、
一人でいると涙がポロポロ出る時があって、
ギリギリだったと思う。

やっぱりあいつのせいだよな。
いや、ただのきっかけか?
これが母の本心なんだ。

それでもコウタ


故郷に戻って母は、古くからの友人や
音楽仲間と少しずつ会うようになる。
環境が変わればどうにかなるか?

それは淡い希望だった。

どこにいてもネットに繋がるわけで、
スマホを取り上げたら泣き叫び
お金の話をすると現実に戻る。
不安があればあるほど
隠れて送金してしまうの繰り返し。
逆効果だった。

病院に行かなかったわけじゃない。
診断が降りないのだ
医師の前ですごくまともで
家族以外には、まるで別人
それが母

ある日、妹とコウタを調べることにした。
詐欺と調べるとすぐ出てきた。

30代のマッチョなアジア系イケメン。
シンガポールの俳優さんを無断使用しているようだ。

「え???同世代のおじさんじゃないの?」
「74歳母と、30代イケメンマッチョ。」
「ない、ない、ない、ない、ない!」
これには、妹と大笑い。

ちなみに1億円くれるはずのコウタからは
今だ1円も振り込まれてない。

現実はどこ?

妹は、あの手この手であるべき形へ戻そうと
頑張っていた。

脳裏には苦労してきた、病気をしてきた、
一人では生きれない母の姿があった。
私たちが支えなきゃ!そう思いこんできた。

でも、母の幸せは本当にそこにあるのか?
この一連の騒動で身に染みたことがある

心は縛れない

私でも、妹でもダメだった。

こそこそとお金を全て使い果たし
近くにいる人を騙しながら
それでもまだ肩入れする。

母の現実は、コウタだった。

騙す、騙される

もう十分すぎるほど母に騙されていた。
この話を終わらせなければ…。

私一人だったら母と縁を切って
終わりになっていたと思う。

妹がいてくれて良かった。
一つずつ相談して選択していく。

これは母の物語であり
家族の物語だ。

大切な人が心ごと騙されてしまったら
何ができるだろう。

心を変えることは
こんなにも難しいのだ。

私たちにできるのは
被害を食い止めることしかない。

もう2年が過ぎ、3年目、
数百万が消えていた。

母の資金は尽きた
これ以上は私たちも背負えない。

ケアマネージャーへ相談することにした。
そこを通して専門家を紹介してもらって
病院
一人で暮らす場合
生活保護を受ける場合
施設に入る場合
家族が背負うとこ

具体的にできること、できないこと。
ここにある現実から未来へどう繋げるのが最善か。
作戦を立てていく。

まずは
スマホはガラケーに変えてもらう
LINEもGmailもネットは遮断する。

これにはものすごく反発した母だった。
コウタとの愛を引き裂かれるのだから
なんとしても阻止したかったのだろう。

一方で、コウタと連絡取るために
サイトへ入金するお金がなくなっていた。

渋々だけど
妹が携帯の料金を払うことで納得する。

そして重要なミッションが始まる。

コウタ シンガポールへ

✉️「おはようございます。コウタです。
仕事でシンガポールに行くことになりました。」
「しばらくそちらにいることになると思います。
シンガポールからは、こちらのメールアドレスから送ります」

スマホを変える日、
コウタと偽ってメールをした。
「嘘コウタ」の登場。

このことで母は安心したのか、
車に素直に乗り、解約手続きを済ませる。

そして母が、本物の詐欺師コウタに接触しないよう
(嘘か本当かややこしいw)Gmailの動きを確認する。

義理の弟(妹の夫)が「嘘コウタ」を演じる。

ミッション開始!

「嘘コウタ」90日の戦い

母は「嘘コウタ」に思いをぶつけるようになる。
コウタだと信じたのだ。

昼でも、夜でも、お構いなしに通知がきて
たまに返信するとラリーがとまらない。

最初はノリノリで挑んでいた「嘘コウタ」
「おれに任せて!余裕だよ」
って言っていたけど、
30日すぎた頃から、その重さに参っていた。
90日目「もうつらい、仕事にならないくらいのメールの数だ。」
ついに義理の弟が悲鳴をあげる。

確かにメールの数もボリュームもありすぎ。

妹の悪口、私への不満、夢、
本音を知れたことは良かったけど
義理の弟が読んで辛くなる内容も多くて、
こんなことに挟まれてしまった、
彼の精神がやばかった。

「嘘コウタ、限界です。」

これ以上はお願いできないな。

どうしょうか。

あ、これだ!

コウタ死す

✉️「長きに渡り親交があった方へ
連絡させていただいてます」
○月○日○時、実は治療で訪れていた
シンガポールの病院にて
急遽、息を引き取りました。
葬儀は済ませ、海に散骨しております。

故人に代わりお礼申し上げます。
みなさまもお元気で
さようなら。

その1時間後

妹からのLINE

「お姉ちゃん!お母さんの泣き声が聞こえる」

「ありがとう、わかったよ」

葬儀 


妹が部屋に入ると、そこには
目を赤く腫らした母の姿。 

「ねぇ、シンガポールまでは行けないけど、
東京のお寺でお線香をあげたい」

パワースポットにしてるお寺に行きたいというのだ。

「はぁ?騙された男のために交通費かけて行くの?
ここから東京まで600キロ、いくらかかると思ってるの?
そもそも、死んでもないし、生きてもないし、
お線香上げにって誰を成仏させるの?
拝みに来られた仏様もびっくりしちゃうよ。」

とは言わずに

「そうだよね、どうしようかね?」

そう言えた妹は素晴らしかった。
人には儀式が必要な時がある。

それは
生きてくため
区切りをつけるため

東京かぁ。どうするか。

東京で🗼

ひょんなことから現実はやってきた。

東京にいる恩人の社長が亡くなった。
私も、母も大変お世話になった方だ。
葬儀に上京する時に合わせて
コウタのお別れもすることにした。

にしても、親世代ってお別ればかりなんだなぁ。

この1年、母とはろくに話もしてない。

妹と相談して、私は何も知らないとする。
無論、コウタが死んだことは知らない。
そうすることにした。

東京での切符の手配、
ホテルの手配をし、滞在中は、
知人に母の様子を見てもらえるよう
お願いした。

いざ当日、
亡くなった社長のお宅周辺は、
私が青春を過ごした思い出いっぱいの場所。
ここに立つと30年前に戻ったみたいだ。

「おーい。」
母の姿があった

また若返ってる。

ほっとした。

お茶を入れて隣の席に座る。
私は母の付き添いが長かったから、

お茶はぬるめ
座る時は母の椅子を引く
母から先に座らせる
立つ時は肩を貸し
母が立ったら
椅子を避け、歩き出したら戻す
2人分お茶を片付ける
鞄を持つ

エレベーターを探し
先回りしてボタンを押す
母がトイレにいく時に一緒にいく

ついやってしまう自分がいた。

もう必要ないくらい元気だった。

いつもの自然な空気が流れていく

葬儀が終わり一緒にコーヒーを飲むと
緊張がほぐれ
これからの話になる。
元気でいてくれればそれで良い。
「うん、うん」「そうなんだ」
「うまくいくといいね」
穏やかな時間が流れる。 

帰り道、昔は5分も歩けなかったのに、
駅まで10分の道をトコトコ歩き
50代の気分と笑う。

そんな母が眩しかった。

「お元気で…」

駅についてホームまで持っていた鞄を
「はい」と手渡すとき、

反対のホームに向かう母の背中が
とても不思議だった。
なぜ家まで一緒に帰らないの?

どうして?

「おかしいな」
「お母さん、待って!一緒に…」

そう言いかけたけど、
ぐっと押し殺して

背中を見送る。

「せつない…」

こっちが現実なんだよね。

次の日、妹から連絡が入る。
「お寺へ行って、コウタにお線香をあげたって!」

「お姉ちゃん!お母さん吹っ切れるといいね。」

「そうだね。」

雲ひとつない空。
オフィス街では絶え間なく行き交う人々、
そして車も、冷たいビル風も、
今日は穏やかに感じられる。

柔らかい日差しの中で
天を仰ぐように空を見上げ
亡きコウタを思う。

「フッ」「フフフッ」「なにこれ!」

吹き出して笑ってしまった。

「ここまで来ると壮大なボケだな、面白いや」

コウタ、どうか成仏してください。

あれから…

数ヶ月後
母は、バイトを始めた。
4時間のバイトを14日程度、月、数万円。
収入があることが心の安定になっているようだった。
シャンソンのレッスン、発表会。
古くからの仲間と楽しんでいる。

あれから母は詐欺サイトは見てない。
Gmailに来ていた、本物の詐欺師コウタからも
メールが来なくなった。

課題の分離、それぞれの人生

母には、欲求のままに生きたい!
自分でも気がつかなかった本音があった。
潜在意識というのだろう。

それができない葛藤があった。

そう思う。

音楽をやりたくてのめり込んだ10代
出会ったピアノ教師と結婚
こどもが生まれる臨月の時に
夫が蒸発
無一文、借金だけが残った。
乳飲子を抱え
子育てとお金に追われる生活。

しかも病弱で働けなかった。
それでも私たちを手放さず
苦労して育ててくれた。

私たち姉妹はいつのまにか
母を守ろうとして、
あるべき姿に押し込んだ。

良いお婆ちゃんを求めた。

そんな母は
74歳で破滅的な恋をして
歌が歌いたくて…

簡単に騙されちゃうくらい素直で
お金を奪われて…

バカだ

もし、
お金があったらどうだったのだろうか?
1億あったら?

たらればに意味はないけど
貧乏から抜け出たい、
お金の苦労から解放されたい
ここがスタート地点。

余裕がなくて判断を誤った。
欠乏をお金で埋めようとするのが
そもそも間違い。

でも、それにしても

長く短い人生
どこで、なにがあるか誰にもわからない。

母の事件はこれから私が行く先、
すでに起きた未来にも思えた。

ここから私は何を学ぶのか?
どうなりたくて
どうなりたくないのか?

そうだなぁ

心も、経済的にも自立したい
選択できる人生を掴みたい
本当の気持ちを採用し豊かになりたい

価値観に従い
傷つきながらも強く生きていこう。
ありのままに過ごして
離れていく人に執着しない。
自由に満たされ、溢れるもので
一緒に豊かになる人が
出て来たらいい。

お金も自由も手に入れたい

まだまだ解像度は低い
現在地と理想との差を一つずつ縮めていく
なりたい未来への努力をしていこう。

母へ

これだけは言わせて

誰かが変えてくれる現実なんてないよ
詐欺は許せないけど
何度もとどまることができた。

それでも選んだのはあなた。
それは誰のせいにもできない。

言っちゃ悪いけど

父も母も、私から見たらク〇親だ(自粛)
だって、散々苦労させられた。
何度も何度も

そのせいで私は、
夢みることも許されなかった。

そして今も

面と向かって話をすると
いろんな感情が入り混じり
爆発しそうになる。

まだ私も子供だな。

母と話す時は、30分だけにしよう。

それがいい

でも、覚えておいて!

それでも、それでも
それでも、それでも、それでもね。

ここまでのことがあっても、

嫌いになれないよ。

どんなあなたも、心の底から愛し
感謝しているよ。

だから、偽りの愛に騙されないで!

1億円よりも
深くて、重くて、広い
無償の愛がここにある。

この愛が母に見えると良いな。
いつか届くかな?

母の幸せを願ってる

娘より。

おわりに

最後までお読みいただきありがとうございます。
私に起こったリアルな物語が
あなたの心に響いたら嬉しいです。

感想頂けたら泣いて喜びます!
本当に感謝です。

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