ep.7 幸福度ランキング2位のデンマークで見つけた幸せになるコツ@JKの北欧フォルケホイスコーレ留学
#ウェルビーイングのために というnoteのお題を見たとき、まさに私のための企画なのでは……?と思いました。
幸福度ランキング毎年上位に君臨する幸せの国・デンマークで2か月暮らす中で見えてきた、幸せになるコツをみんなにシェアしたいと思います。
※超個人的な見解です。周りの環境や雰囲気を見て「こうなんじゃないかな~」と予想してるだけで、実際の現状と異なる場合があります。デンマーク全体がそうかはわかりません。
1.自分の好きなことを大事にする。相手の好きなものも尊重する。
日本だと人目を気にして、躊躇ってしまうファッションをしている子や、趣味についてたくさん語ってくれる子がたくさんいます。
しかも、それを周りの人が認めて、その子の個性として認識しているのがすごいなと思いました。
例えば、私の友達で鮮やかなピンク色が好きで、いつもピンクの服を着ている子がいるのですが、みんなその子のことを「ピンキーガール」という愛称で呼んで慕っています。
その子自身も「私は私よ!」と強気にアピールするのではなく、「ただ好きだから着ている」というスタンスで、本当に素敵だなと感じました。
ありのまま、ってこういうことを言うのか……!!
デンマークに住んでいる人は、おしゃれしていると必ず褒めてくれます。
「そのネックレス可愛い!」
「今日のアウトフィット、あなたに似合ってる!」
「あなたって本当に美しいね」
と言われるので自信がついてきました。
好きなことを誰も馬鹿にしない。だからこそみんな伸び伸びしていられるのかな。
私も、日本にいるときは、
「自分に似合うかどうか」「自分の身の丈に合っているか」
をめちゃくちゃ気にしていたのですが、ここに来てから
「そんなの関係ない!自分の好きなものを着る!」
というマインドになりました。
日本ではイエベブルべ、という言葉が浸透してかなり経ちますが、時には全部忘れて好きな服装するのも大事だな~と思います。
私も、日本に帰ったら憧れのロングブーツを買うと決意しました。
ずっと足短いし身長低いし……と諦めていたのですが、ロングブーツ好きな気持ちは誰にも負けないので挑戦してみます。
2.上手さより「好きかどうか」が大事。
この学校に来たばかりのとき、私が空いている時間に共有スペースでギターを弾きながら歌っているとき、友達がそばに来て
「すごい!」
と言ってくれたのですが、私は、
「いや、私はあんまり歌うのが得意じゃないから……」
と謙遜してしまいました。
そのとき、
「でも、歌うことは好きなんでしょ?」
と言われたことが今でも印象に残っています。
「上手かどうかは関係ない。好きなんだったら、堂々とすればいいじゃん」という雰囲気でその言葉を言われて、カルチャーショックを受けました。
私は軽音楽部に入っていて、人前で楽器を披露することが多いので、ついつい楽しむ気持ちを忘れて、
「みんなに見せるんだからちゃんと弾けるようにならなきゃ、自分はなんでこんなにできないんだろう」
とおどおどしてしまっていたのですが、これからは好きという気持ちを大事にしていきたいです。
人と比べない、「上手い下手」よりも「好きかどうか」という考え方は授業中にもよく登場します。
先生たちは授業中、たとえ出来がいい子がいても「上手だね!」とは褒めないのです。
代わりに、どんなに作業が遅くても、完成したら「beautiful!」「私このデザイン好きよ」とみんな平等に褒めてくれます。わからないところは何度も何度も教えてくれます。
そういう風に誰かを特別扱いしないところが好き!
少し進んでいる子には「もっとチャレンジしてみない?」と別のことを紹介していて、誰にも劣等感を感じさせず成長させる技を見たような気がしました。
3.時間がゆっくり流れている
時間割が超ゆったりと組まれていて、私の通っているフォルケホイスコーレという学校では1日の大半が自由時間です。
それは、ギャップイヤー中に通う学校だからこそだと思いますが、デンマーク人の友達に聞くと、ゆったりとした雰囲気は小中学校もあまり大差ないようです。
学校以外にも、その時間の余裕を感じることができます。
地域を散歩したり自転車で走ったりしている人をよく見かけるし、いつ海に行っても必ずキャンピングカーのそばでわいわいしている人、ずっと海を眺めている人がいます。
こんなにゆっくりと余暇を楽しめるのは、大半の仕事が早く終わるから、という理由もありそうです。
デンマーク大使館の公式ページによるとデンマーク人の労働時間は世界で最も短いそう。残業もほぼなく、年6週間取れる有給も取りやすい。
仕事を早く終わらせて、そのあと家族と過ごす時間を楽しむのがデンマーク流の幸せな生活らしいです。
でも、労働時間が短い分、困ったこともあります。
お店は16時までしか開いてないし、たいてい日曜日は閉まっています。
店によっては14時に閉まったり、土日開いてない、なんてことも。(スーパーはちゃんと開いてるので安心ですが……)
時間がゆったりしている分、電車が20分遅れたり、急に電車の止まるホームが変わったりというアクシデントもよくあります。
それと、デンマークでは郵便も超スローペース。私の荷物もデンマークの税関で1か月近く止まったことがあります。
国際郵便だからかな?と思ったのですが、友達に聞くと国内でも届くのが遅かったり、途中で紛失したりするらしい。
友達は「デンマーク人はみんな鉄道会社と郵便局を信用してないよ」と笑っていました。まあ、笑って許せてるならいいのかな?
だから、入学案内などの重要な書類や連絡は全部メールで送るそう。さすが、すべてが電子化されているデンマークらしいなと思いました。
私の通っているフォルケの先生の労働時間は?
私の通っているフォルケホイスコーレは全寮制で、夜21時までは最低1人の先生がいます。
夜遅くまで働くことは、デンマークの中ではブラックな方なのかな?と思っていたのですが、先生たちが学校に第2の家のような気軽さで来ているのを見て、こういう働き方もあるんだなと思いました。
先生の家は学校から徒歩10分圏内にあるので、仕事の合間にちょっと家に帰ったり、ディナーの時間やそのあとに家族や子どもを連れてきてフォルケの生徒と遊んだりしています。
4.対話を大事にする
デンマークに住んでいる人は、とにかくお話大好きな方がたくさんいます。
地域の方や私の通っている学校の先生もたくさん話しかけてくれて、そういう環境が相手の変化にいち早く気づけたり、つらい気持ちを打ち明けやすかったりするのかなと推測しています。
デンマーク人の友達と外を歩いていると、急にすれ違った人と仲良さげに話し出したので「知り合い?」と聞くと、大体「え?知らない人だけど」と返されます。
田舎だからかと思ったりもしましたが、コペンハーゲン(首都)から来た子も同じふうに通りすがりの人とフレンドリーに話していたので、国民性なのかな~と感じました。
私も、デンマークにはなかなかいない日本人だからか、たまに声をかけられます。
あと、日本よりも議論する機会が多い気がします。
授業だけでなく、友達と話しているときも本当にしょうもないことを真剣に議論することがよくあります。
その議論の中で、相手を論破して自分の意見を通すのではなく、
「あなたの意見もわかる。けど自分はこう思う」
と相手の意見を尊重しつつ自分の気持ちを伝える子が多くて、見習っていきたいなと思いました。
5.ミスしても責めない
私、ありえないくらいのドジ、のろま、おっちょこちょいの三銃士を脳みそに飼ってるのですが、そんな私が何をやらかしてもみんなが助けてくれる……!!
これは、さすがにデンマーク全体がそうなわけじゃないと思う。うちの学校の先生生徒が優しすぎるだけだと思う。
けど、デンマーク人の友達に聞くと
「日本人はまじめすぎるよ~」
と言っていたので、私はまだまだ大丈夫な方のドジなのかな?と勘違いし始めています。
それでも、キッチン当番のとき(しかも結構時間ないとき)にコーンフレークをまき散らしても怒らず一緒に片づけてくれて、お礼を言ったら
「いつも助けてもらってるから、今度は自分が助ける番だよ、大丈夫」
と返してくれるのは優しすぎるよ。
6.他人からの「信頼」が大事
デンマーク人はとにかく他人を信用しています。電車にベビーカーを置いたままトイレに行ったり、駅に改札がなかったり。
というか、最初から警戒するんじゃなくて、「何か起こったらそのたび対処していこう」という考え方をしている人が多いな~という印象です。
信頼されている分、それを裏切るような行動はしないように気をつけていく、というのがデンマーク人の鉄則らしいです。
例を挙げると、悪口をあまり言わないところ。
さすがに、全員がまったく悪口を言わないことはないんですけど、最低限しか言いません。何というか、ネチネチしてない。
信頼が大切だからこそ、積極的に他人を助けるし、フレンドリーな人が多いのかな。
「自分の好きなことをやる」という国民性の国もあったりしますが、デンマークはどちらかと言うと日本寄りで「他人と一緒に暮らしていく」「助け合う」という風潮があるように感じました。
ただ、優しすぎないのもポイント。
日本人は自分を犠牲にしてまで人を助けることもありますが、デンマーク人は基本自力で立ち直るのを待つ、余裕があるときに手を差し伸べる(逆に人を助けるためにまず自分に余裕を持つ)という姿勢の人が多いように感じます。
どちらも優しさに変わりはないのですが、デンマークは無理なく人のことを助けることができるので持続可能だな~と思います。
7.幸せのための小さな努力をしている
この前、デンマークの高校に通っている日本人の子とお話する機会がありました。
その子に、
「デンマークって幸福度高いんだな~って実感したことある?」
と聞くと、
「めっちゃある!」
「デンマーク人の中には幸せのためにマイルールを決めている人がいて、自分から幸せになろうと無理ない範囲で小さい努力をしてるんだよ~」
と言っていました。
例えば、その子のホストマザーは、忙しい日々の中で、最低2時間は自分のために時間を作るというマイルールを決めているそう。
その時間はソファでゴロゴロしたりぼーっとテレビを観たり、好きなことをしているらしいです。
そういう風に、自分の機嫌を取る時間を取って、一息つくルーティーンがあるというのは確かにささやかで、でも長期的な幸せの元になっているのかなと思いました。
8.福祉が充実している
北欧と言えば福祉、というイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
これは私が言うまでもないですね。
失業しても補償してくれる。病気になって大きい手術をしても治療費無料、将来は無料で介護サービスを受けられる。そのうえ教育費も無料なので無理して貯金をする必要がありません。
何かあったら国が助けてくれる。そういう風にデンマーク政府を信頼している人が多いです。
気軽に病院にかかれないなど、いろいろ課題はありますが、それでも困ったときにすぐ支援が受けられるというのは安心ですよね。
半分以上を税金で取られるとはいえ、その分所得も高く、将来に対しての不安を抱きにくいのではないかと考えています。
まとめ
デンマークに来て思ったことは、どの国に住んでいても人間は同じなんだなということ。
時には嫌な感情を持ったり、かっこつけたくて間違ったことをしてしまったり。
いくら幸福度が高い国とはいえ、そこには目を背けたくなるような現実があって、そこは日本とあまり変わらないと思います。
ただ、私はデンマークに来てから確実にメンタルが安定するようになりました。
日本にいた頃は希死念慮に悩まされて気分が落ち込む日もたくさんあったのですが、デンマークに来てからそんな日がほぼなくなったし、あってもすぐ立ち直ることができるようになりました。
デンマークが幸せの国だということは、私の今のメンタルが証明しています。
日本のより良いものを求めて努力する姿勢は、デンマーク人からも尊敬されているほど誇るべきものなのですが、どうやら私には合わなかったようです。
(別に日本のことが嫌いとかデンマークより上だとか下だとか言いたいわけじゃない!
向き不向きがあります!海外に行ってさらに日本の良さを認識できた。デンマークも日本も大好きだよ)
幸福度の高い北欧の現実!と言ってマイナスな面を発信する人もいますが、私はそうは思いません。
確かにどの国にも改善すべきことや現実がありますが、デンマークには、より幸せになれるように今の制度、生活を守っていこうとする人たちがたくさんいます。
そう思って、周りの人を気遣ったり認め合ったりしている人たちが幸せの国・デンマークを作っているのかなと思いました。
最後まで読んでくださりありがとうございました!
最後に小話。デンマーク医療のリアル。
さっき、デンマークの福祉や医療について話したのですが、もっと話したいことがたくさんあるので最後に小話させてください。
デンマークの医療事情は結構面白いです。
私も1度デンマークの病院に行ったことがあるので、そのときの話をシェアしたいと思います。(食事中の方は飛ばしてください)
デンマークには「ドクターズオフィス」と「病院」があって、軽い症状や緊急性がないときはドクターズオフィスに行きます。
ドクターズオフィスは場所によって自費で払わないといけないところもあるそうです。
私は、片耳が聞こえづらいという症状があったのですが、全然緊急性はないのでまずはドクターズオフィスに行くことになりました。
デンマークにビザを持って3か月以上滞在していれば、外国人でもデンマーク人と同様にイエローカードという保険証が発行されるのですが、私は3か月未満の滞在だったので持っていませんでした。
でも、海外保険に入っていたので自己負担はゼロでした!
もともと違う日に海外保険会社の方が電話で通訳してくれる予定だったのですが、学校の手配で急遽病院に行くことになり、海外保険会社の方が急いで通訳の方を探してくれました。ありがたすぎる。
しかし、通訳の方が見つかる前に、私は病院に着いてしまい……
30分ほど待ち、診察室に案内されました。
やばい、どうしよう。なんて説明すればいいのかわからない。
超ヒヤヒヤです。私はあまり英語が堪能ではないので「右耳が聞こえません」という言葉を繰り返していました。(それすら通じなかった)
デンマークのお医者さんと私が意思疎通できず困っていたとき、通訳の方から電話がかかってきました!
本当に救いの手が差し伸べられたような気持ちでした。
そこから、その方の通訳のおかげで症状を説明でき、先生が耳の中を見たところ……
出された診断名は
「耳かきのしすぎで耳垢が詰まっている」。
割と本気で突発性難聴なんじゃないか、放置してたら耳が聴こえなくなるんじゃないかと疑っていたので、拍子抜けしてしまいました。
日本だと耳垢が詰まっているときは、耳垢を分解するような薬を垂らして、鼓膜を傷つけないように少しずつ治していくのですが、デンマークのドクターズオフィスでは水の出るジェットで思いっきり流されました。
荒療治すぎる。その影響か数日は耳の中がシャカシャカ鳴っていました👂
他の友達は、生理痛がひどくて病院に行ったら市販で売っているような痛み止めだけ出されたそう。まあ日本の医療に比べたらどこもそんなもんです。
それは置いといて。なかなか面白い経験ができたと思います。
13000km以上離れた異国で耳垢が詰まってジェットで流される人間なんてそうそういないと思います。
こういう変な出来事を手繰り寄せてしまう運のおかげで、私のブログは当分書くネタに困らなそうです。
ではまた!次も見てくれると嬉しいです💗