エンジニアだからこそできた組織文化の基盤づくり
どうもContrea(コントレア)株式会社の開発チームでエンジニアをしているあむ(@amu_prog)です。
誰やねんという方、以前noteでContreaへジョインした際の入社エントリーを投稿しておりますので、そちらよろしければご覧ください。
今回はエンジニアのバックグラウンドをもつ自分だったからこそできた組織文化の基盤作りについてまとめてみました。
会社の行動指針となるValueの浸透に大きく寄与した仕組みづくりを行なった経験となっています。
こんな人に読んで欲しい
・組織作りに興味のある方
・社内でValue浸透を促したいスタートアップ企業様
ご参考になれたらと思います。
ぜひ最後までお付き合いくださいませ🤲
はじめに
そもそもContreaってなんの会社?
私たちはインフォームドコンセントを効率化するシステム "MediOS" を開発・提供しています。
インフォームドコンセントとは医療用語で、簡単に言うと「医師から治療に関する説明を行い、患者さんが理解・納得した上で治療を受けることに対し同意をする」この一連のプロセスのことを指します。
"MediOS" は医師の説明のうち、何度も繰り返される箇所をオリジナルの動画を用いて代替します。
これにより医師は説明負担の軽減、患者さんは手術に対する理解度の向上と双方に対しメリットを生み出すことで、効率の良い医療提供を実現しつつ、患者さんは安心して医療を享受できる。
Contreaはそんな世界を目指しています。
ContreaはMissionとして「医療に関わるすべての人に安心を。」を掲げています。
上記で述べた世界の実現をすることで、このMissionも達成に近づくのではないかと思います。
そして実現したい世界、ひいては上記Missionを達成するべく、Contreaでは行動指針として以下のようなValueを置いており、社員一同非常に大切にしています!
Contreaで大事にされているValue
Reach Hands
巻き込み、巻き込まれ、積極的に手を伸ばそう!
手を伸ばし、越境して、手の届く範囲を広げていこう!
Go V Flight
ミッション達成や成功のために、全員が同じ方向を向いて進もう!
渡鳥が必ず先頭を飛ぶように、ひとりひとりがオーナーシップを持とう!
Make Domino Wave
理想的な未来を大きく描いて、Domino Waveを起こそう!
ドミノを並べるように、諦めず探索的な一手を打ち続けよう!
実は、このValueは策定・運用してからまだ1年程度とまだ間もないです。従って、この1年間はValueをいかに社内へ浸透させ、Contreaの文化とするかが大事になるフェーズ!
そんな中、このValueの浸透を促進する仕組みづくりを主導して行いました。
ここからはその取り組みについてご紹介していきます!!
Value浸透を促進する仕組み”Cheers”
Contreaでは、"Cheers"(チアーズ)というピアボーナスを運用しています。
そうです!!
このCheersこそがContreaにおけるValue浸透を大きく促進した仕組みなのです。
まずはじめに、目的と概要からお話します。
目的
社内コミュニケーションの活性化
感謝の見える化による心理的安全性の向上
感謝をきちんと伝える企業文化の醸成
インセンティブによる、メンバーのエンゲージメント向上
Valueの社内浸透
概要
Cheersとは、Contreaオリジナルのピアボーナスの仕組みです。
外部ツールは使用せず、ポイントの送付・蓄積・集計まですべて内製化しています。贈り合うポイントは、単にポイントと呼ぶのではなく、Valueに紐づけてDominoと呼んでいます。
CheersはSlack上の固有のチャンネル内で贈り合うことができます。
Slackの機能であるワークフローでスプレッドシートと連携し、スプレッドシート上にGASのスクリプトを書くことで、ポイントの送付・蓄積・集計の使用を実現しています。
メンバーは、他メンバーのValueに沿った行動や考え、成果に対する賞賛・感謝としてその度合いに応じてDominoを贈ります。
ドミノに関するルール
月初に40ptが付与される
余った分は翌月に持ち越すことができずリセットされる
ドミノは社員・業務委託・インターン生にかかわらず全員に付与される
ドミノは全員に贈ることができる
贈るポイント(1人あたり40pt/月)
1度の感謝で1〜3ポイントを選択し、相手に送付することができます。
贈ってもらった人は、贈られた分のポイント(1pt〜3pt)を獲得することができます。
1ヶ月に送付できるポイントは1人あたり40ptと決まっています。
送付した人が獲得できるポイント(1人あたり最大10pt/月)
ポイントを贈る度に贈った本人も1pt獲得することができます。
贈ったドミノの数に関わらず、獲得できるドミノは1ptです。
ただし、送付した場合に得られるポイントの上限は1ヶ月あたり10ptと定めています。
贈り方
仕組みとしては、Slackのワークフロー機能を使用しています。
贈り方は、以下の画像通りで必要項目を入力して提出すると、チャンネルに贈った人と贈られた人のメンションがついたスレッドが投稿されます。
メンバーの中には、その月のCheers使い切ってしまったけど、Cheersを贈る人もいます笑(社内では空Cheersと呼ばれています)
もちろんポイントは加算されないのですが、、、
それでも思いを伝えたい人がいるのは温かい文化の会社だなぁと思います
貯まったポイントは景品に交換できる🎁
そもそもピアボーナスとは、従業員同士で報酬をやり取りするしくみのことで、感謝の気持ちを報酬という形で表すのがピアボーナスと言われています。 従来の給与やボーナスとは違う、第3の給与とも呼ばれています。
そんなピアボーナスの報酬となる景品も交換ができるように整備されています。
貯まっているポイントを任意のタイミングで景品に交換することができます。景品には、ギフトカードやデスク用品、仕事の疲れを癒すグッズなどのレパートリーがあります。(社長との1日デート券なんて案もありました笑😎
表彰🥇
ポイントをたくさん贈られている人は、Contreaの中でも随一のValue体現者の証拠!!
Q(クォーター)毎に最も贈られているメンバーTOP3には、表彰とボーナスポイントが付与されます!!
毎回、TOP3の発表では大盛況となります!発表時には、TOP3を3連単で予想し、的中するとボーナスポイントがもらえるというイベント付きです!!
結構みんなアツくなって、とても盛り上がります!!!笑笑
ただ、これもQの中で誰が多くValueを体現し、Cheersをもらっていたか視野を広くして観察することに繋がるので、Value浸透に寄与している!!(のだと思いたいです、、、笑)
Cheers実行委員会🐣
Contreaでは、このCheersという仕組みを保守・運用する"Cheers実行委員会"を置いています。
ただ、この委員会は単に仕組みの保守・運用を担うだけではありません。
Cheersが贈られることを促進したり、贈られたCheersからValue体現の傾向を把握するなどの分析も行っています。
また、この委員会設置の目的として、"越境"を促す狙いもあります。
Cheersは、同じチーム内で贈り合うことももちろん良いのですが、やはり隣のチームにもValue体現者がいることに気づき、Cheersを贈って欲しいのです。
チーム内で業務や手を伸ばす範囲が限られてしまっては、チームを超えて専門性を掛け合わせることで得られる事象の最大化を狙うことができません。
さらに、チームで発揮しやすいValueが異なることも過去の分析から明らかになってきています。自分のチームでは少ないValueの発揮の仕方など他チームが発揮しているValueの内容が自身の業務遂行に際し、参考になるケースは大いにあるはずです。
以上から、チーム内で完結しているCheersは勿体無いのです!
従って、Cheers実行委員会では各チームのCheers活性度をお互いに共有したり、施策を取り入れて各チームに落とし込んでいくことで、チーム内外問わず活発に贈り合うような雰囲気作りを目指しています。
構成メンバーは複数チームから招集しています。
現在は、以下メンバーで構成されています。
・経営企画室メンバー
・Medicalチームメンバー
・プロダクトチームメンバー(自分)
以上3名です。
招集理由としては以下の通りです。
景品交換の運用には経理観点の意見や業務処理が生まれるため、Cheersの運営からシームレスにそのタスクを担っていただくために経営企画室メンバーに参加してもらっています。
Medicalチームは、社内で随一Cheersが活発に贈り合われているチームです。そんなMedicalチームの活気や雰囲気を社内全体へと拡散したいため、Medicalチームメンバーに参加してもらっています。
まだBizチームやCSチーム、Designチームなど委員会メンバーがいないチームも存在しているので、今後は人数拡大に伴い各チームから一人の選出とし、さらに委員会メンバーは増やしたい構想を持っています。
ただ、現在は事業を大きく推進しなければいけないフェーズにつき、最小人数での運用を心がけています。
主なタスクについては、以下の通りです。
・シートの集計(全員)
・ランキング発表イベントの準備・運営(全員)
・景品交換対応(経営企画室メンバー)
・システムの保守・運用(自分)
・Cheersの分析(全員)
・Cheersを贈ってもらう施策の思案・実施(全員)
Cheersのココが味噌!!
Cheers(ピアボーナス)は外部ツールに頼るのではなく、内製化しているからこそできる工夫がいくつかあります。
特に、3つ目がValue浸透に大きく寄与していると考えています。
Dominoを贈る側の人にもポイントが付与される点
他のメンバーの活躍する姿をみつけて賞賛できる人もValueを理解し、言語化して他のメンバーに伝えることができるので、評価されるべきという思想。その人にもきちんとptが還元されるような仕組みを作れます。
Dominoを贈る際、紐づくValueを選択することができ、後に集計できる点
どのValueに紐づく行動・成果が多いのか分析することができる。
各メンバーが発揮しているValueの種類を知ることができる。
Valueに紐づく行動がオープンになり、他チームの動きを積極的に知る場となる
Cheersが贈り合われるチャンネルには、全メンバー(社員・業務委託・インターン生関係なく)が参加しています。他のメンバーに贈られているCheersはタイムラインのように自然に流れてくるので、それを見るだけで、「他チームは今こんなことをしていて、〇〇さんがこんな活躍をしているんだ!」と知るきっかけになることで、チーム間を超える越境の動きが活発になる。
Cheersの変遷
Cheersは以下のような形で変遷しています。
ピアボーナス導入検討:2023年3月
Cheers内製化:2023年6月
Value策定・運用開始:2023年9月
CheersのValue浸透へ舵きり:同上
始まりはアメちゃん?🍬
そんなCheersですが、始まりはアメちゃんからでした。🍬
恐らく、みなさんからすると「アメちゃんってなんだ?」となると思うので、説明させていただきます。アメちゃんとは、外部ツールのとあるピアボーナス機能で贈り合うポイントのことを指しています。
このピアボーナスは最初から"Cheers"という名前だったわけではありませんでした。そして目的としてValueの浸透を含んでいませんでした。
というのも、ピアボーナスの運用はValue策定の前のタイミングだったのです。(時系列は上記参照)
2022年の3月頃、コミュニケーション活性化の目的でピアボーナスの外部ツールの検討を開始しました。そして、まずは試しということで、Slackの連携ツールとして知られているCollaというアプリのピアボーナス機能を使おうと、無料トライアルを開始しました。このピアボーナスでは、Slackのスタンプを使ってコメントと一緒にキャンディ🍬を贈り合う仕様でした。メンバーは皆「アメちゃん」と呼び、親しみやすい仕様からすぐに馴染んでいきました。
いざ、トライアル期間が終了する段階で、継続するかの検討をしました。
以下のようにメリット・デメリットを挙げました。
メリット
実際にコミュニケーションの活性化が観測できた。
感謝を伝える文化情勢の兆しが見えていた
外部ツールなので、保守コストが低い。
デメリット
有料となる。
有料となることがデメリットとなりました。
こういった文化へと昇華しうる仕組みは、一度始めると辞めるのが難しかったりするので、結構悩みました。
ましてや、自分たちはスタートアップ。資金が潤沢にあるわけではなく、継続的にお金がかかるのは、少し気が重いと言うのが正直な気持ちでした。
そして、話し合っていく中で、代表が「この有料分で発生する分も景品としてメンバーに還元できたらいいなぁ」と呟いていました。
そこで、すかさず「内製化できるんじゃないですか?自分やりますよ!」と言えたのは、エンジニアというバックグラウンドをもちつつ、組織づくりに強い興味関心があった自分だからこそスムーズに巻き取ることができたのではないかと思います。
Cheers誕生🎉
上記の流れでCollaのキャンディ機能の無料トライアル終了から、普段の開発タスクと並行しながら、Cheersの実装を始めました。
そして、およそ2ヶ月かけて実装を完了し、6月初頭からCheersが運用開始となります。
Value浸透へ舵きり🚢
Cheersが今の形の運用になったのは、Value策定が終わり、運用が開始した2022年9月のことでした。
Valueが決まったとしても、それが社内に受け入れられて組織のカルチャー・基盤となり、各メンバーが行動する・意思決定する際の指針となっていなければその意義を果たしていません。その意義を満たすために、まずはValueをメンバー内へと浸透させる必要がある。
これから組織が拡大し、人数が増加していくことは目に見えていますが、新しくジョインする人は、元からいる人の影響を多分に受けます。だからこそ、今の人数(正社員10名)のうちに、Valueの基盤を整えておく必要があるために、すでにContreaの文化として根付き始めていたCheersは最適でした。
変化としては、日々贈っていた感謝のアメちゃんを、Valueの内容も併せて記載していくことにしました。
また、このタイミングで、ポイントの呼称もDominoへと変更しました。これはValueの一つであるMake Domino Waveからきています。
メンバー同士がお互いにValueに紐づく行動を意識するように仕組みを改めました。そして、それを言語化することで、Valueが自身の中に、自分の言葉で腹落ちしていくため理解が促進されていき、各々の行動や考えが自然とValueに紐づいていくようになりました。
運用してみての振り返り
Cheersは実際にValueが社内に浸透し、1つの代表的な文化として揺るぎないものになりました。
エンジニアとしての原体験
ピアボーナス導入開始の時期は、未経験からエンジニアになりたてだったこともあり、エンジニアとして半人前で、自分一人で何かを作り上げるということはできていませんでした。そんな自分が、1人で”Cheers”という課題解決のツールを作り上げることができたのは大きな自信につながりました。
正直、GASのスクリプトを書くだけなら、そこまで難易度は高くないと思います。しかし、課題に対して仕組みで解決できるものづくりをする体験は、エンジニアとしての醍醐味だと強く実感しましたし、これからの自分のエンジニアとしての成長の原点になるのではないかと思えるほど、心に残る経験でした。
組織がより良くなるように、そして周りのメンバーが楽しく仕事ができるように。そんな姿を思い浮かべながら作っていたのですが、心の底から楽しかったです。
組織作りの醍醐味
Contreaという会社の基盤となる文化・雰囲気作り、並びにValue浸透に貢献できているという実感はありますが、今後組織が拡大するにつれて、より強く実感していくのだと思います。Contreaはまだ小さな会社ですが、ここまでに培われた組織の色はとても色濃く、今後もきっと残り続けることでしょう。
自分たちの組織が拡大していく過程を見ていくのは楽しみですし、自分が組織に及ぼした影響、文化がどのように変化していくのか。そんな変化を楽しみながら、仕事ができることは大きなやりがいですし、原動力となっています。
これこそが"組織作りの醍醐味"だと思いました。
今回自分が文化作りの一端を担うきっかけとなった、「内製化できるんじゃないですか?自分やりますよ!」と手を挙げたあの時の自分の積極性を褒めてあげたいし、振り返っても本当にやってよかったと思います。
組織を大事にする会社、Contreaはいかがでしたか?
Contreaでは一緒に組織作りを楽しみながら事業を推進していく仲間を募集しています!!!
雰囲気や文化、事業内容、メンバーなどに少しでも興味を持ってくださったアナタ!
Contreaが描く未来をぜひ一緒に実現しませんか?
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