
米山舞の挑戦
アニメーターであり
アーティストであり
イラストレーターであり、
日々進化を続ける「米山舞」という女性をご存じだろうか。
わたしは彼女の描く線が好きで、
TRRIGERという成長し続ける会社を離れてなお、
大きくその翼を広げ続けるその様子がたまらなく好きだ。
彼女は、
キルラキル
キズナイーバー
天元突破グレンラガンなど
多くのアニメーション作品に参加してきた。
早く、正確で、魅力的な線を描き出す彼女は
2010年代には既にキャラクターデザインや
作画監督としてその才能を発揮してきた。
わたしが思い出深いのはこの動画だ。
60分でどれだけ描けるか、というpixivの企画で、
多くのイラストレーターが線画まで20分はかかるところを、30分段階ですでに完成像が見えていたのは彼女だけだった。
その米山舞が、クリエイターのヤノベケンジとコラボレーションして作品を作る。
何としても見にいきたいと思い、仕事終わりに銀座に向かった。

この作品の特筆すべきは、
セル絵の具を使って仕上げられているところだと感じる。
あたりまえだが、現代のアニメーション制作はほとんどの工程がデジタルで完結する。
鉛筆で描かれたアナログの線が一枚も使われていない現場も多くなってきた。
もちろん、米山舞はデジタルでも非常に素晴らしい絵を描くが、
その上で、ガラスの湾曲面という描きにくく不安定な場所にアニメーションを描き切るという離れ業をやってのけた。
何よりこの作品の見どころは、生々しいほどに筆致が残っているところだ。

筆使いすら感じ取れそうなほどの、米山舞の絵力をこれでもかというほど感じる。
作品によっては裏側に色を塗っており、それがより作品の立体感に繋がり、美しい情景に変化していく。
そのさまが、線の息づかいが、
震えるほどにリアルなのだ。
もし米山舞の作品を見ることがあれば、ぜひ生で見てほしい。
生で見る絵の迫力は素晴らしく、
絶対に見る価値のある作品だと太鼓判を押す。
彼女の今後の躍進にも、大いに期待する!!
残りのスペースで、この作品の別カットも載せようと思う。
もし興味があったら、米山舞の作品について調べて欲しい。



写真協力 にいさん(@Nieishigami)
拡大写真のみ筆者撮影