Elmarit-R 35mmF2.8の変貌
当初はどってことない、むしろだめなレンズ、という印象だったElmarit-R 35mmF2.8の評価が激変したのはつい最近のことである。
ライカRレンズではSummicron-R 50mm とMacro-Elmarit 60mmを愛用しリスペクトもしているが、35mmF2.8にはいまいち感心しなかった。
もう10年以上前に購入し、Leica R7に使用していたがどうも露出がうまくゆかない。カムの調子がわるかったのか、あるいは撮り手のスキルの問題かもしれなかったが、しかしNEX-3、あとになってα7シリーズなどに装着してもいまいちチグハグな感覚だった。
↑はEOS 7sで
↓はDigiLux3で、この場合パナソニック製OEMとはいえライカさまチューニングのせいかちょっと見られるかな。
ライカさまとはいえR7で撮ると↓
と、こんなだったりした。で、手放した。前玉に小さなキズを発見したことにもよる。撮影結果には何も影響はなかったのですがね。
しかしなぜ再度ゲットしたのかよくわからない。
前回ふれた「標準レンズ」の自縛があったのかもしれない。
とにかく今使用中のものは2本めとなる。
二年前のことになるが再度購入したこのレンズをα7RIIで使用してみたら、これが実によい。光と影、とくに影の描写に秀でるライカさまらしい画柄なので吃驚した。Elmarit-R 35mmF2.8ってこんないいレンズだったとはなあ、と。
ハイコントラストでシャープネスも効いている。まるで現代レンズみたようだ。で、それまでの印象が覆ることになった。
凡庸でのっぺりした描写のレンズに思っていたが、あれは撮影者の技量不足だったのだろうか?
Nikon Z6でも試してみた。↓
立体感があって実によろしい、と撮影者は感じるのだが、いかが?
ひょっとすると個体差なのかもしれない。1本めは貧乏くじだったのか?買い替えて正解だったのか?
と、そうこうするうちにLMM246を入手した。これで試さぬわけにはゆかない。
ただしアダプター経由のためレンジファインダーは使えない。LVでピン合わせする。これはM240以降のCMOSセンサーだから可能になった。
M型としては、ちょっと間が抜けた操作だが結果は上々。
切れもよく高精細な画が好ましい。これですっかりお気に入りレンズとなった。
変貌したのはレンズではなくわたしのレンズへの印象であった。
あるいはすでに述べたように個体差があったのかもしれない。
このレンズをお持ちの方々のご意見や如何?