ドイツ製の撮影機材でドイツの光景を撮るだけのこと
それだけのことなのだが、ドイツ製はともかくドイツの光景となるとドイツにいなければならない。祖国の方々にとってはそれが今の御時世では困難なのかもしれない。
だからそこはドイツ住民の特権なのである。と優越感をもつほどのことでもない。まあ日常生活の場がドイツだというだけのことだ。
ただしドイツ製カメラとレンズとなるといささか困ることとなる。70年代に日本製一眼カメラに市場を専有されてしまったので、生き残っているドイツ製カメラといえばライカさまだけである。
そして問題はそのプレミアム路線という名のマーケティング、しかしその実体は、ライカ信仰布教と信者の布施頼りの少量生産ゆえの高価格である。
ゆえにこれまでドイツの光景を撮るのに日本製の機材を使用していたわけだ。
それはそれで悪くはないし結果も良かった。
それに比してLMM246はまあ使いにくいし期待していたほどのライカ味があるわけではない。
しかし腐ってもライカさまである。しかも別に腐っているわけでもない。
ここではほぼ地元のデュッセルドルフ市を撮ったものを紹介している。ベルリンと比すと撮るべきものは少ない。市中心部のケーニヒス・アレー一帯だけが写真映えのする地域である。
このライカさまの地元ドイツの地で、この市内にも一軒ライカさま公式ストアがある。今までは聖域のようで信者以外は立ち入り難かったが、わたしも今や信者ではないがユーザーの一人であるから堂々と入場できる。しかし「疫病」のせいでいろいろ面倒になった。
それはともかく、このドイツでもライカさまは珍しい。しかもレンズは目立つ赤ズマロンゆえにけっこう人の目を惹く。
となるとスナップもしづらい。
そこでもっぱらノーファインダーで撮る。あとでPCで結果を見ると歩留まりもけっこう良い。深い被写界深度のおかげである。こっちがぶらさげて腰だめにしているカメラ(たぶんレンズ)を見ている人が写っていたりする。
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一番左の男性だが、シャッターは気付かれないように押したから彼は機材に注目していたのだろう。日本製ではこういうことはまずありえない。
見かけだけなら赤ズマロンのコピーが某チャイナ企業から発売された。まあほんとよくも似せたもんだと感心する出来栄えである。
しかも価格が399ドルと格安である。
カメラに装着すれば本物か偽物かの見分けはつくまい。外面の見栄で優先順位を決めるならコピーで充分だろう。
しかし写りはどうなの?などとは言うまでもない。わたしはまったく関心がないからだ。だって本物もってるもんね。
ライカ信者らしい下品さだが、重ねていう、わたしは信者ではない。ただその心情をいささか理解はするものである。