別れの儀式@アムステルダム
といってもたまたま出会ったシーンのことである。
もっとも頻繁に訪れる外国の都市がアムステルダムだ。なにしろ自宅近くの駅から2時間で到着できる。何回か日帰りもしたことがある。
往くたびに訪れるのがAmstelだ。これは一応「川」ということだが市内に張りめぐされた運河のうち最大のものという印象だ。
大きな運河でもいいのだが周辺はとにかく明るい。だから惹かれる。
その「川」にそったこの道もAmstelと呼ばれる。その路上で棺を車に載せている。死者は車がその前に停車しているハウスに住んでいたものと思われる。車の周りを家族友人やお隣さんと思われる人々が取り囲んでいる。
お亡くなりになった方がどんな人であるかは定かではない。しかし眺めの良さそうな住居で暮らし、そしてある夏の夕暮れ、親しい人々にこうして送られて去って往くのはいいものだ、と思わせる気配がある。
ご冥福を祈る。
さて、何回訪れたのかもう数える気もしないが、どうも魅力的な都市がアムステルダムだ。
1989年に初めて訪れたときの印象は強烈で、なんとも自由で開放的な気分を味あわせてくれたものだ。
その理由の一つが街に漂うハッシッシの香りだ。
よく誤解されるが、オランダは大麻などソフトドラッグを合法化しているわけではない。定められた場所(「Coffee Shop」と呼ばれる)で販売し、人々がハードドラッグに走らないよう予防しているだけだ。
いわば片目をつぶった「合法化」である。最近はその「Coffee Shop」が増加しているように感じる。
街中ツーリストだらけだがその中でもカッフェやレストランが集中するレンブラント広場周辺に「Coffee Shop」は多い。
わたし自身は吸おうとは思わないが、あの甘い香りが街に漂う気分は好きだ。
夏のアムステルダムは爽やかだ。強い陽射しが運河の水に反射してより眩しく暑い。しかし水上をわたる風がなんとも心地よい。
今回はまだ初夏だったがそれでもけっこう暑くもあった。
馴染みのカッフェーで現地のビールを飲み干す快感も捨てがたい。
撮影はすべて
Leica M Monochrom(Typ246)+Voigtländer Nokton classic 35mm F1.4 S.C. VM II