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【ゲムマ2023秋】思想強めの雑感(出展者視点)

今回はゲムマ2023秋での徹夜朗読会の反省を皆さんにお伝えできればと思う。今後参加される皆様のご参考になれば幸いである。

毎回、ゲムマ後に失敗談を書いてるのだが、今回はとりとめもない話を思想強めで書いていきたいと思う。
本当に思想強めなので、強い言葉や皮肉、攻撃的な表現が嫌いな方は読まない方がいいかと。たぶん嫌な気分になる。


今回なぜ完売できたか

前提として当サークルでは新作ゲームとして「TimeStorm」というカードゲームを頒布した。
価格は2,500円。プレイ時間15分前後、2~4人用。
一般入場から15分で完売。

タイムストームコンポーネント

答え:アートワークとキャッチコピー

まぁおそらくこの2つだろう。
当サークルはインフルエンサーにも紹介されていないし、頑張って自薦(笑)もしていないし、テストプレイ会試遊会にも一切出ていない。Xのフォロワーだって300そこそこである。
あっ、書いてて悲しくなってきた・・・。

アートワークの話

ライトゲーマーが求めているのは一瞬の盛り上がりアートワークである。
本作のアートワークは以下のとおり。

TimeStormのカードのうちの1枚

前作は和風だったんで今回は近未来風にした。テーマもタイムリープっぽい感じだったんで。
コンセプトはネオンサイン+HUD(Head-Up Display)。
HUDってアイディアは最高であった。ほんと、なんでもおしゃれになる。たぶんこれからも使う。ゲムマで似たデザイン全く見ないし。

だいたいの消費者はジャケ買いで、ルール読んで買う層はごく稀である。
だって、うちのサークルのゲームをルール読んでゲーム性理解できる人は天才かMTGプレイヤーだもん。
まぁつまりアートワークが目を引けばそこで勝ちなのである。

キャッチコピーの話

ゲムマ後、キャッチコピーが大切と書いておられる出展者様が多かったがその通りだと私も思う。

では、当サークルのキャッチコピー「デッキ”トップ”構築型カードゲーム」はどうだったか。

TimeStormの宣材兼サークルカット

いや、めっちゃいいでしょ。この文句で認識してくださっている方もいたし、システムを端的に言い表したコピーというのは人の目に留まりやすい。
フレーバーを強調したコピーもあるが、すこしでもシステムが絡んでいることが大切なんじゃないかなーと私は思っています。

ゲーム製作について

ルールは単純に

ゲムマ頒布物のルールは簡単な方がいい。
ゲームマーケットの来場者の8割以上は超ライトゲーマーである。
ライトゲーマーが求めているのは一瞬の盛り上がりアートワークだ。
現代ではタイパ、コスパ、ライブ感が重視される傾向にあるからである。
あと、プレイ時間は短くあるべきというのが私の信条。だって、テラミスティカやFCM、スルージエイジズより面白いゲームを私が作れるわけないから。
今回のゲームは完全にシステム先行。後からシステムに合うテーマとフレーバーをくっつけている。これが良かったかどうかはわからん。

AIイラストの話

一時、Xでも話題になってたけど、AIイラストをアートワークに使っているサークルはとても多くなっている。
AIイラストの使用は、クリエイター側からするとマイナス要素にしかならない。
AIのマイニングかじった人間から言わせると、無断転載から学習しているモデルがあるため、出来が良くて完全にクリーンな学習モデルは自作のモデル以外ほぼありえない。つまりゲムマ参加の99%のAIイラストはグレーである。
リスクを承知なら結構だが、私は使用しないほうがいいと思う。あとAIイラストは一発でわかる。

余談だがファンアートと称してAIイラストを作るのは糞すぎるのでインプレッションを稼げるとしてもマネしないほうがいいと思いますよ。なんでダメか分からない人はAIイラストに触るべきではないです。

アートワーク不要論の話

お前がそう思うんならそうなんだろう、お前ん中ではな。

これもXでの話題から。ゲームの面白さにアートワークは邪魔という暴論より。
ゲムマに出ているゲームのルール的な面白さなんて50歩100歩だ。じゃあアートワーク・コンポーネントがいいほうがいいに決まってるだろ。
アートワークもまともにできねーサークルの作品が面白いとは思えないし。

製作個数を完全にミスった話

丁合の様子

いやまぁ、少なすぎたね60個作って、予約44件だからね。一般に言われている予約の2倍平場で売れるなら、130個くらい作ってもよかったかもね。実際、完売後ブースに買いに来て声をかけてくれた方が37人いたんで、それだけで合計97個売れたわけで、先人の知恵には従うべきですね。
一般入場から15分で売り切れるとは思わなかった…
完全に私のミスです。買えなかった人ごめんなさい。
適正な製作個数の話は皆さん悩んでいますが、スタンスによるんじゃないですかね。商業ベースにしたい人、たくさんの人に遊んでほしい人、私のように”自作ゲームを売るゲーム”をしている人、それぞれのスタンスで適正数は決まるんで誰かのアドバイスを参考にしても無駄だと思いますね。

ちなみに私同様”自作ゲームを売るゲーム”をしたい人なら、初めは50個で原価率50%前後にするとうまくいくと思います。出展料とあわせると損益分岐点は35個(7割)くらいなんで結構現実的です。

再販の話

うちのサークルは一切しない。
だって、ゲームを作りたいんであって作る時間を削ってまで発送とかしたくないから。

拡張の話

うちのサークルは一切しない。
だって、テストプレイを重ねて拡張する要素なんてないところまで詰めてて、私の思う完璧な状態でゲームを出しているんだから

商業ベースはわかるんすよ。基本を長く売るには新しい要素がいるわけで。これ敵を作りそうだから言いたくないけど、一時流行ったDLC商法と一緒でしょ?

何か知らんけど、チャレンジャーズのアップグレードキットが完売した話

チャレンジャーズアップグレードキット

意味わからん。予約も取ってないのによく売れたなと思うよ。まぁ、今年のゲームの中では知名度高かったし、やはり元ゲームの知名度大事ね。
書いてて思ったけど、この項って普通にゲーム作ってるまじめなサークルさんには全く参考にならんね。

関係ないけど、前回完売した「ストラベルトありますか?」って問い合わせがあった。私、福袋でこのゲーム手に入れるまで知らない作品だったけど、結構人気なのね。

広報について

当サークルの広報は、Xゲムマブログのみ。テストプレイ会に1回も参加していないし、フォアシュピール等の試遊会にも参加していない。
ゲムマ当日までこのゲームを遊んだのはサークルメンバーのみ

ゲムマブログもXも2~3日に1回更新。
ゲムマブログ18回、Xのポストも宣伝としてはだいたい同回数ぐらいの更新。

宣伝は同一の画像で

前回も書いたが、世の中には、単純接触効果というものがある。つまり、同一の宣伝画像をXのタイムライン上で複数回目にすることで人気がある作品であるかのように錯覚するのである。
口では言えても実践は難しい。どうしても同じポストを繰り返すとウザがられる。当サークルのカードデザインの雰囲気は他のサークルとは全く違っていたんでカード紹介だけしてもそれなりに同一ゲームだと認識いただいていたように思う。
ただ、一般的なデザインのカードを一枚一枚紹介しても認識しにくいし誰も見たいと思わない。やっぱり、宣材画像を一つ綺麗に作って繰り返し広報する方が効果が高いように思う。

自薦の話

Xでの話題から。自薦はフォロワーのタイムラインに大量に同一のポストが流れてしまうので、非常にウザイという内容。
当サークルだって自薦したんだぞ。11月頭に3回くらい・・・。まぁ表示回数どんな感じになるか調べたかっただけですが。

自薦募集の真の目的はインプレッション稼ぎである。あー、きっしょ。
そこを分かったうえで自薦しないと肩透かしをくらう。時間は有限である。さっき200~300自薦したというポストを見たが、予約は入らなかったらしい。
自薦は労力とリターンが見合ってないんで暇人以外やらなくていいと思いますよ。
うちみたいな無名弱小サークルだって自薦しなくても40件以上予約入るんだから。

インフルエンサーの紹介の話

こちらもXでの話題から。インフルエンサーの紹介から漏れると評判落ちるって話。
一回も紹介されていない当サークルの評判は地の底です。

インフルエンサーだって、人間である。好みもあれば、付き合いが厚い方に傾倒するに決まっている。そもそも認識していないものを紹介するのは不可能であるし、自分のブランディングがあるのだから、遊んだこともないクソゲーを紹介するわけにはいかない。
ここまで言えばわかると思うが、インフルエンサーに紹介してほしければテストプレイ会や試遊会で遊んでもらうのが早いんじゃないっすかね?

もしくはお金払えばいいんじゃない?知らんけど。

値段設定について

またまたXの話題から。

ぶっちゃけるが、このアンケートでのTimeStormの原価率は40%くらいだ。

当サークル(というより私)が、ほぼすべてのアートワーク、ルール、ルールライティング、販促動画作成、インスト用動画作成、アップグレードキットのモデリング、印刷等々を自分でしているんだから、原価率だって低い。
そりゃイラスト外注すればうちの原価率だって7割ぐらいにならーなって感じ。このアンケートずるいよね。アウトソーシングすれば原価率上がっていくに決まってるんだから、自分の技術を磨くか、技術を買うかの違いでしょ。全員とは言わないけど、外注して楽してるやつが、なーにが原価割れだって感じ。

まぁ、私はゲーム感覚でゲムマに参加しているので、損益分岐点を突破しないとゲーム的に敗北だと思っている。これはたぶん多くの出展者とは異なる考えだろう。だが、我々ボードゲーマーが借金したままゲームを終えたらそれはマイナス点ではないのか?自己顕示欲を満たしたいのもわかるけど、それは持続可能なのか考えたほうがいいのでは?

会場で思ったことについて

ディスプレイの話

当サークルのディスプレイ

今回初めてポスター導入したけど、これはいいですね。先のセクションで単純接触効果の話をしたが、宣材で使ってたものをそのまま使えば「Xで見たあのゲーム」だと一発わかるんで効果的です。実際ポスター見ている方多かったように思います。

頒布ゲームのディスプレイ(写真真ん中)ですが、ありえないほどシンプルですね。机の上にカードしか置いていません。箱もディスプレイしていません
ごちゃごちゃしていない分、コンポ―ネントを手に取るハードルが低く、「触りたいんですけど」と聞いてくる方たくさんいました。ゲームプレイ風景風にディスプレイしてもいいですが、デフォルメして見せたい部分のみにする方がゲムマのディスプレイとしては正解だと思います。

試遊卓(写真右)は卓上布かけないようにして足を机下に入れやすいようにしています。机の上はプレイマット。

写真左はアップグレードキットです。

いつも思うんですが、おもちゃ屋みたいに箱をたくさんディスプレイしているサークル多いですけど、なんの意味があるんすかね?コミケと違って表紙で好き嫌いや内容が判断できるわけではないし、綺麗にディスプレイしている棚に触っていいんだかわからないし。そんなに同じ箱いくつも見せたいんですか?皆さん箱みてゲーム買ってるんですか?私は「うわ~いい箱だ~」と思ってゲームを買っていません。

ということで当サークルの箱。うーん手抜き。でも、これで販促してないし、プレイ中は全く使わないし、箱に工数使う必要ないと思うんですよね。

TimeStormのパッケージ裏

試遊と購入の関係性の話

完売しています(買えません)というと、試遊を断る人がかなりいてびっくりしました。
「試遊後の買え圧力がなくてラッキー」と試遊しても全く買わない迷惑客の私は思うのですが、世間一般は違うようです。大手サークルが試遊卓にしないわけが分かった気がします。

チャック横丁の話

チャック横丁は今回からの新しい試みでしたが、初出店向けではないですね。
まず、キャンセル早々に完売して撤退したサークルがいると、ただでさえ装飾が少ないのに、輪をかけてスカスカで活気が無いように見えてしまいます。この状態でポツンと座っているサークルは言い方悪いですが売れ残っているように見えてしまいます。
当サークルのような無名弱小サークルというより、名の広まっているサークル向けなのかなと感じます。チャック横丁にしなくてよかった。

出展ルールの話

あまり話題になっていませんが、今回も通路での呼び込みは結構ありました。
うちのサークルの前は通路が広かったんで対面がやってても全く気になりませんでいたが、まぁ滞留している箇所もあったんでそういうことでしょうね。ルールを守って楽しくゲムマ!

最後に

新作の「TimeStorm」たくさんの方にご予約、ご購入いただけて本当にうれしく思っています。
当日会場にお越しいただきご購入いただいた皆様、本当にありがとうございました。

徹夜朗読会は次回の春ゲムマはお休みです。
多分2024秋ゲムマでお会いできますよう、今後の徹夜朗読会もよろしくお願いします。

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