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【考察】エーギルの衰亡とシーボーンの起源、「航路」計画の真相について【生存航路】

※イベントストーリー「生存航路」の核心的なネタバレを含みます




つい先日実装されたイベント「生存航路」だが、事前の期待通りそのストーリーではこれまで未知のベールに包まれてきた国家エーギルと海の脅威の全貌を目の当たりにすることができた。

特にエーギルは先史文明の後継者と言って差し支えない高度な文明を築いており、彼らの有する知識はケルシーにも引けを取らないものであったため必然的に明かされた新情報もかなり膨大な量になっていた。

ということで、今回はストーリーで判明した情報を整理しておきたいと思うのだが、いかんせん推測は可能だが断言は出来ないことがあまりにも多く、「Aの可能性もあるがBの可能性もある」といったような文章が頻出している点はご了承いただきたい。




エーギルの技術力

以前よりエーギルの技術は先史文明の遺物に由来するものであり、地上の文明とは比較にならないほどの先進性であると常々言われてきたが、今回その規格外の技術の最先端として登場したのが第III級兵器だ。第III級兵器は小型の特異点を生成することで海域ごと対象消滅させるという物理攻撃の究極点にあるとも言える兵器である。

海雪さえも見当たらないほどの、完全なる空白となった海域。明らかに小型の特異点に引き裂かれ、ねじ曲がったのであろう海底……

BP-ST-1 波を見守る者

この特異点の生成、というのは先史文明が研究していたブラックホール技術(仮称)を用いている可能性がある。ブラックホール技術は最北の「門」に用いられていたものと思われ、アンジェリーナやケルシーのインタビュー記録にてその存在が仄めかされている。

メインストーリー12章においてはザ・シャードの攻撃によって高速戦艦が一撃で破壊されていたが、動作原理から考えると第III級兵器はその比ではない破壊力を持つと推測される。また、移動都市や戦艦に用いられている人工力場は「真空断層」なるものを展開できるようで、原理は不明ながらもエーギルの並外れた技術力を垣間見ることができると言えよう。

他にも特筆すべきは光ケーブル、および「航路」による情報と物質の伝送で、これを用いてスクイーズド(圧縮)状態にされた物質を高速で移動させることが出来るようだ。ストーリー終盤においてはホラーティアが本つ域から援軍として艦隊を伝送させていた。

何億というホバーマシンが安定した情報の流れを形成しておりますので、艦隊と都市の集団をスクイーズド状態にすることでその中を高速で航行させ、一瞬の間に海を越えさせることはできます。


BP-ST-3 道違える者と同行者

エーギルはまさにSFに登場する高次文明と言って差し支えなく、シーボーンの脅威と無縁であれば彼らのホバードローンはいずれ阻隔層を貫き星の海へと進出していたことだろう。


シーボーンの真の脅威

「生存航路」の時系列より一か月ほど前から、シーボーンの環境同化速度が上昇し、大群全体が爆発的に進化しつつあることが観測されていた。

「どういう器官を備えているかもわからないし、三カ月前に殺したあのゴミどもとこいつらの間に関係があるとは思えないほど、別物になっているわ。」
「……これまで通りの進化では、もはや奴らは満足しない。それで、自分たちだけの進化の答えを探し始めたんでしょう。」

BP-6 エーギル失格

これは言うまでもなく大群が宇宙を目指し始めたことが原因であり、元を辿ればクリステンが阻隔層を突き破ったことに起因するものだ。シーボーンたちは目指すべき進化の方向性を理解したことにより、これまでとは異次元の速度で指向性を持った進化を開始したのだろう。

「その瞬間、上空に不可解な異常が発生した。ぱっくりと裂け目が開き、電離放射線が輝いて、さらには見たこともないような――」
「もしかすると、あの二匹は慌てて巣穴へ帰ったのかもしれない――これから数百年かけて、恐魚たちの生存戦略を開拓し、発展させ得るかもしれない情報を、同胞たちへと伝えるために。」

幼年期の終わり

そして急激に進化のスピードが加速し始めたシーボーンたちはエーギルの持つあらゆる兵器に適応を始め、第I級第II級に加えて第III級兵器の攻撃でさえも学習・適応していた。

上述の通り第III級兵器は物理攻撃の極致にあるような兵器であると推測され、それを防ぎきるというのはつまり人間の実現し得る技術ではシーボーンを根絶させることは不可能であるということを示唆している。

「戦いで奴らに打ち勝つことは出来ない」という言葉のとおり、おそらくテラに存在する既存のいかなる兵器・アーツを用いてもシーボーンを滅ぼすには全く足りないものと思われる。「ミヅキと紺碧の樹」の世界線では地上に侵攻してきたシーボーンを前にして人類は成すすべもなく蹂躙されていたが、それも当然の結末と言えるだろう。

そしてケルシーとの対話においてマルトゥスは「大群は月は目指す」と宣言してみせた。この先大群が遂げる進化はどのようなものになるのか、エーギルは如何にしてそれに抗うのか、今後も海からは寸分も目を離せない。

これより、私は眠れる「ファーストボーン」を呼び覚まし、群れを率いて月へと向かう。

BP-8 「存続とは何か」



大群の起源

今回その存在が初めて明かされたマントル内に位置する先史文明の巨大な研究施設。エーギルの文明の起源でもあるこの施設の調査に赴いた200年前の研究者、マルトゥスは同行者たちとはぐれた先で偶然にもその最奥部へたどり着いた。

そこで彼が目にしたのは先史人類が残したプロジェクトの遺産「紺碧の樹」と、その傍に横たわる一体の巨獣だ。この巨獣がマルトゥスに共有した視界の中で彼は先史文明が滅びるその様を目の当たりにすることになった。しかし、彼は同時にソレとその子孫たちが全ての月を、全ての星を飲み込みその果てに「存続」する光景をも目にした。

そうだ。エーギルは先史文明が滅びた原因を長らく証明できずにいた。しかしその瞬間、破滅の光景は私の眼前で再現されたのだ。

BP-7 歴史の中より来たる - 戦闘前

それらを見て唖然とするマルトゥスへと歩み寄ったのは巨獣の体内で生まれた一匹の生物、まだシーボーンと呼ばれる前の小さな命だった。そしてふと彼はこの脆弱な命を見て気づいたのだ。「思考が、その先にある憂慮と絶望こそが人間が"運命"に打ち勝てない要因なのだ」と。

「シーボーンと人間の最も本質的な違いはここにある。」
「これこそが、シーボーンが存続という使命を担うに足る理由なのだ。」

そうして彼はその血肉を喰らい、思考ではなく本能によって「存続」を果たさんとするシーボーンとして生まれ変わったのである。当時はまだ巨獣の体外では成すすべもなく蹂躙されるしかなかったシーボーンたちを助けるため、彼はエーギルに戻り幾人かの人間たちと語り合い協力を取り付けた。これこそが深海教会の始まりであり、彼が深海教会の始祖と呼ばれる所以である。

ただ幾度か、真摯に話をしただけだ。私は、一部の人間が問題を見出し、回答を見つける手助けをしていた。
すると彼らは、シーボーンが生存の機会を切り拓くのを、喜んで手伝ってくれた。

BP-7 歴史の中より来たる - 戦闘前

ミヅキのYモジュールでは、テラフォーミング機構として造られた紺碧の樹に、空から飛来した何かが混じったことで現在のシーボーンとなったと言われていたが、上記の情報を踏まえると空から落ちてきた「何か」の正体は巨獣であると考えるのが妥当だろう。

計画は本来、そうした未来を迎えるはずだった。
思いもよらないものが天から降り注いでくるまでは……

紺碧の種

これにより「シーボーンの起源は紺碧の樹と巨獣である」というところが判明したものの、巨獣の正体は何なのかという疑問が新たに生まれたため、全てが解き明かされたと言うにはまだ時期尚早と言わざるを得ない。



「Ishar-mla」の正体

これまで、「Ishar-mla」は複数体存在するファーストボーンの中でも特別な個体、大群の先導者として扱われてきたが、「Ishar-mla」とはシーボーンの起源となった巨獣に付けられた名前であることが今回判明した。

Ishar-mlaの触手

そしてこの巨獣の一部を取り込んだ者も同様に「Ishar-mla」と呼ばれるようになるらしく、マルトゥスとスカジはそういった経緯から「Ishar-mla」と呼ばれているようだ。

お前も私も、「アレ」そのものなのだ。

BP-8 「存続とは何か」

まだ判然としていない点ではあるものの、オリジナルのIshar-mlaが一度目の大いなる静謐で目覚めたとすると、現在は先述のようなIshar-mlaの継承者のみが存在し、オリジナルの個体はアビサルハンターたちによって討伐されたとみるのが妥当だろう。

Ishar-mlaの体内にあった「200年前のエーギル製計器」の存在はマルトゥスが接触した個体とアビサルハンターたちが討伐した個体が同一であること示している可能性が高い

マルトゥスがスカジのことを「今のIshar-mla」と表現していたので、オリジナルの人格(神格?)は同時に一つしか存在せず、今はスカジの内に宿っている…のかもしれない。


イシャームラと紺碧の樹を見つめる"人間"

スカジが見た夢と思しき回想の中では、紺碧の樹と傍に横たわる巨獣を見つめる一人の旧人類が登場した。彼女は巨獣と自らに「Ishar-mla」という名を与え、コールドスリープについた(と思われる)。

この人物は現状だと「The Fosterer」のローである可能性が高いだろう。ローは紺碧の樹計画の主導的立ち位置にあったと思しき人物であり、他に該当する人物が登場していないことから現状では彼女(暫定)であると推測するのが妥当か。
(プロジェクトチームの別の研究員である可能性も十分にある)

洛,很抱歉没能继续回复你,但这是一个迟到的好消息。

"The Fosterer", TT 23rd December 228, 02:16


ホラーティアの目的

当初の「航路計画」はイベリア近海の海岸線を覆うシーボーンの巣を第IV級兵器で一掃し、陸地との協力体制を築くというものだった訳だが、ストーリー終盤にシーボーンの急襲を受けたミリアリウムが切り離した中枢区画であるビーコン塔、その内部に格納されていたホバードローンを大群が捕食したことによって両者は融合。シーボーンと融合しその生体エネルギーを得たホバードローンは自己増殖と拡散によりエーギルの全ての都市に繋がる「航路」を作り上げたのだった。

「航路」はシーボーンによって切断された海底の光ケーブルの役割を代替し、
分断されたエーギルの各都市を再び接続した。

グレイディーアの語り口からしてこの一連の流れはクレメンティアにすら知らされていないホラーティアの計画だったようであるが、どこまでが偶然でどこまでが仕組まれたことだったのかには疑問が残る。

それよりも、今海上で起きている異変と、あの突然現れた「航路」はあなたの仕業ですの?

BP-8 「存続とは何か」

というのも、ブランドゥスが第IV級兵器を正常に作動させ周辺の営巣でアポトーシスを発生させていたら、あるいはウルピアヌスが中央区画を切り離すという決断をしていなかったら、あるいはシーボーンたちがホバードローンを捕食していなかったら、この計画は成り立たなかったはずである。

これについては現時点で推し量ることは難しく、それこそがクレメンティアがホラーティアに対して抱いていた不信、あるいは恐怖の理由なのではないかとも推測できる。

とはいえ結果として通信が断たれていたエーギルの各都市間で再び通信・輸送チャネルが開かれ、そこから件の各国に対する宣言放送が行われることとなった。テラが「エーギルの元に」団結できるかは怪しいところだが、送信された重要情報の数々はこれからの世界を揺るがすに足るものだろう。

この短い通信の中には、陸の人々が何代にもわたって命を懸けても得られなかった知識が含まれています。フェーンホットランドやインフィ氷原の地理データ、果てにはさらに北方の資料映像まで。

BP-ST-3 道違える者と同行者



余談:大陸の裏側

個人的に気になったのが惑星の裏側にある"何か"の存在だ。

かつてエーギルの艦隊が調査を行った際には漆黒の濃霧の中で極めて特殊な地形を発見したそうで、そこはあらゆる海流が急に途切れたかのような様相であったと語られていた。

あまつさえ、我々の遠洋艦隊はかつて、惑星の反対側にある漆黒の濃霧の中で、極めて特殊な地形を遠隔的に探知しています。
その場所は、まるで大海の果てであるかの如く、海流が突然そこで断ち切られていたとか。

BP-3 海雪の如く散る

それに対するケルシーの「それはとうに冷めた温床でしかない」という言葉が何を意味するのかは不明だが、地形という言葉から鑑みるにテラではないもう一つの大陸、もしくはなんらかの人工的な地形が存在しているのではないだろうか。

当初はミリアリウムだと考えていたのだが、微妙に形が違うので
これが惑星の裏側にある"何か"なのかもしれない(PV5より)

実はテラの他の大陸の存在が仄めかされたのはこれが初めてではなく、シヴィライト・エテルナのプロファイルにて「影月の登る大陸」というものが言及されている。

「文明の存続」にある記録によれば、一万恒星年以内で、「天堂支点」にアクディベートされた信号が惑星の表面から送られたのはたったの一度だけで、それは惑星の原住民によるものだったわ。このことはあなたも知っているはずよね。
例の帳が下ろされて以降、それは過去の星々と共に沈黙を保っている。影月が昇る大陸から命の消息が届いた試しはないわ。

シヴィライト・エテルナ-プロファイル

翻訳の関係でわかりづらいのだが、ここでの「アクティベートされた信号」は天堂支点から発信されているというのが本来のニュアンスに近いものと思われる。(確証なし)

仮に「それ」という言葉が天国の支点(天堂支点)であるとするならば、天国の支点は影月の登る大陸、つまり惑星の裏側にある大陸に存在しているという可能性が浮上してくる。

少し本筋から逸れるが、「The Security」で天国の支点が「武器」と表現されていることも考慮し、筆者は「天国の支点」はラテラーノの「法」とは別のものであるという可能性も少なからず存在していると思っている。

天堂支点的确是一件强大的武器,但我们的敌人无法被武器打倒,设置 ■■■■ 没有意义。

"The Security", TT 16th January 229, 09:46

ただテラは惑星ではなく衛星(月)である可能性が高いことも踏まえると先述の信号うんぬんの話の解釈も変わってくる(「影月の登る大陸」はタロスにあるのではないか?等)上、そもそも生存航路で語られた"惑星の裏側にある何か"が大陸であると決まった訳でもないので、ここまでの話は全て妄想の域を出ない

今回の事件を経てどうやらエーギルはテラの裏側の探索を再び行うようなので、いずれその成果が明かされることを期待しよう。

遠洋艦隊は、テラの裏側の探索に再び取り掛かる。とはいえ、今回は航路を一新することになるがね。


BP-ST-3 道違える者と同行者





『生活の死』についてはまたどこかで触れます。

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