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腰痛にグリシンが効いてる?

グリシンといえば、睡眠サプリに入っているアレである。
でも、なんか、痛みにも効くみたいで、わたしの体験談を語ろうと思う。

昨年の3月、職場で昼の休憩から仕事に戻るときに更衣室から出る時に、するっと滑って腰を強く打ってしまった。痛くて起き上がれず、10分くらい遅れて仕事に戻ったものの午後は痛みで仕事にならなかった。
痛みは強く、腰だけでなく右脚全体に痛みが響く感じで、眠ることも出来ないほどの痛みだったが、転んで尻もちをついただけだから、そのうち痛みは落ち着くだろうと思って市販のロキソニンを飲んで様子をみていた。

ところが、1週間を経過しても痛みは改善せず、骨折は無いだろうと思ったけれど近くの整形外科を受診してレントゲンを撮ってみるも
「ただの打撲。放おって置けば治る」
と言われて何も治療はされなかった。

この痛み、厄介なことにロキソニンが全く効く様子がなかった。放っておけば治るどころか3ヶ月経っても痛みが改善しないため、MRIのある別の整形外科を受診したが、骨に異常はなく、椎間板ヘルニアなどの原因も無いと言われた。
原因がわからないので治療のしようがなく、痛み止めが効かないのなら整形外科として出来ることは無いと言われた。

精神的なものが原因かなとか、他に原因がある?と思ってかかりつけのメンタルクリニックのドクターに相談し、神経障害性疼痛の薬であるプレガバリンやデュロキセチンを使ってみたが全く効果が無い。薬なんて、飲んで効かなきゃそれまでだ。でも、それでも痛みがあると眠れない。
足腰を温めれば少しは痛みが緩和する傾向があったので、市内にある温泉に通ってみたり市販の鎮痛剤を使ってみたりもした。

世間で人気があり、鎮痛効果もあるロキソプロフェンを飲んでみたが、全く効果が感じられず、神経痛なら中枢性といわれるアセトアミノフェンのほうがいくらか効くのではないかと思って、市販のアセトアミノフェンの錠剤を使ってみたりもした。
確かにロキソプロフェンよりは効果があるのだが、もともと鎮痛効果が特別強い薬ではないため効果は限定的だったし、コロナ禍以降、解熱鎮痛剤が品薄となっている状況でアセトアミノフェンの入手がちょっと困難な状態も少し残っていた。

毎日痛み止めを飲む状況になっていたので、安価な「アセトアミノフェン錠「クニヒロ」」を定期的に購入していた。だが、たまたま手に入らなかったことがあって、大正製薬の「ナロンm」を購入したことがあった。
その頃には打撲を起こしてから1年が経過していたため、痛み自体はある程度回復していた。それでも、夜になると右腿の外側から足首にかけてジリジリした痛みがあり、気になってなかなか眠れない日々が続いていた。

ところが、この妙なジリジリした「神経痛?」のような痛みが、ナロンmを飲むと落ち着くのだ。同じ量のアセトアミノフェンなのに、何が違うんだろう?

ナロンmには、アセトアミノフェンのほか、グリシン(アミノ酸)とビタミンのB1とB2が配合されている。B2が入っているから錠剤が黄色だし、B1も入っているから錠剤そのものがビタミン臭い。

グリシンといえば、アサヒのサプリでも睡眠改善のためのサプリが販売されているし、グリナという商品名でアミノ酸のご本家の味の素からも販売をされている。

「鎮静作用?」

かなと思って、やっぱり精神的な痛みかぁ・・・とちょっと気分は沈みながらも、効果があればいいじゃないかと思い、ジリジリ感があるときにナロンmを服用していた。

そんな折、今年の夏になって旦那が足腰の痛みを強く訴え始めた。
痛いと訴え、眠れないほど痛みが強い状態だった。
以前から首や腰の痛みを訴えていたり、脚の不快感が強く、市立病院でレストレスレッグス(むずむず脚症候群)の治療も受けていたが、なかなか症状が改善せず薬だけを続けていたが、今回は眠れないほどの痛みが出てきたため、整形外科の専門病院を受診した。

「おそらく、仙骨と腸骨のつなぎ目が狭くなっていて神経痛が出ています」
ということだった。今まで何回も腰や首のレントゲン、MRIを撮っているが、そのときにはそのような診断はなかった。何でもその部分の関節(仙腸関節)は非常に狭く、可動域も狭いため、画像診断で診断がつくことは稀だそうだ。
実際その日も痛みが強すぎて仰向けに寝ていることが出来ず、MRIはとれなかったのだが、後日その部位に麻酔をいれて神経ブロックし、MRIを撮ったところ、やはり仙腸関節のかみ合わせがうまくいっていなかった。

通常は神経ブロックを打ったうえでAKA療法とかいう運動療法を取るらしいのだが、主人の場合は透析をしていて骨が弱っており、その効果が期待できず手術により仙腸関節を固定する方法を取るらしい。入院して手術することが決定した。

神経ブロックで痛みが抑えられるのなら、定期的にブロック注射を打てばいいじゃんと思うかも知れないが、神経ブロックの効果は一時的なものだ。神経ブロックを打った後は、痛みやしびれが全部消えたそうだが、その効果は2~3時間で切れてしまい、そのあとは注射を打つ前の痛みがそのまま戻ってきたらしい。

一度消えた痛みが戻って来るのは、精神的に結構きついよね。

ただ、原因がわかったところで、アセトアミノフェンもロキソプロフェンもほぼ効果がないのだ。作用が違う痛み止めだから、合わせて飲めば少しは痛みが緩和するらしいが、それでも夜中に「痛ぇ・・・」と言って不眠を訴えていた。

本当は、ロキソニンは透析での除去率が低いし、腎不全のある患者には禁忌だ。ロキソニンの作用で腎血流量が落ちるからだ。でも、自尿はほとんど無くて、腎不全が悪化すると今更いわれても・・・。
整形外科からは、アセトアミノフェンを1回600mgで飲むよう指示されていたが、全く効果がなくロキソニンを併用すれば少しは症状が落ち着くと訴えたところ、
「ロキソニンは飲んでもいいです」
と、医師からの回答があった。ただし、透析での除去があまり出来ないので回数を減らすようにと言われ、1日1回程度しか服用できない。

主人の痛みの訴えがあまりにも強く、わたし自身も眠れないため、ほとほと困り果てていたのだが、主人の痛みの状態をみて、気になることがわたしにはあった。

主人が痛みを訴える部位は、わたしが痛かった部位と一致しているのだ。

「ただの打撲」「骨には問題ない」「治療できない」と言われたわたしの痛みの原因は、腰を強く打ったことによる仙腸関節の炎症だったのかもしれない。それは主人も感じていたようで「お前も神経ブロックしてもらったら?」と言っていたのだが、その主人にわたしは提案した。

わたしはナロンmを主人に渡し、

「これさ、わたしが夜、足首や脚の甲がジリジリして痛かった時に飲むと、少しは症状が改善したの。市販薬としての用量は300mgだけど、あなたはアセトアミノフェンを600mgと指示されているわけだから、その倍の量で飲めば病院から指示された量と同じになる。
ダメ元で飲んでみて」

アセトアミノフェンさえ量を合わせれば、グリシンなんてアミノ酸だし、ビタミンB類は水溶性だし代謝が早いし、透析で落ちて蓄積しないから多少多めでも問題ないだろう。まあ、配合されているとは言え主薬はアセトアミノフェンだし、効果は限定的だろうなぁ・・・。

ところがその夜は、主人が痛みを訴えて起きることはなかった。

朝、主人に聞くと、完全に痛みが取れる訳では無いが、眠れないほどの痛みではなくなったそうだ。この効果には主人も驚き「続けたい」と希望してきたため、夜にナロンmを飲んでもらうことにした。手持ちが少なかったので、自分の分は追加購入した。

まあ、母数としては少ないが、2人の人間の神経痛が改善したのだ。痛みの改善が偶然でないのなら、なんらかの根拠があるはずだし、文献もあるのではないか?

「グリシン 鎮痛効果」で検索をすると、グーグルのAIが次のように答えてきた。

グリシンは、脳の特定部位に局在するグリシン作動性ニューロンを介して、痛みシグナルの伝達を調節する役割を果たしており、鎮痛効果が認められています。
グリシン作動性ニューロンは、脳幹や脊髄などの中枢神経系に存在し、感覚や運動、呼吸などのさまざまな機能を調節する抑制性ニューロンの1つです。

また、産業医科大学からは「神経因性疼痛モデルにおけるグリシン及びGABAトランスポーター阻害薬の鎮痛効果」という論文も出ているし、日本薬理学雑誌には「グリシントランスポーターによる神経因性疼痛の制御」2007 年 130 巻 6 号 p. 458-463 という記事もある。

論文はあるのだけれど、これが医薬品の効能として認められるような治験をやっていないため、ナロンmにはグリシンが胃薬として配合されている。
でも、胃薬だろうがなんだろうが、効けばいいんだよ。患者としては。

医療用のグリシン配合の薬なんて、ネオファーゲンとかグリチロンとかいう肝臓の薬だけだ。しかも、薬価も安い上にあまり処方されていない薬なので、製薬会社が製造をやめようとしている。

うーむ・・・。

そんなに高い薬では無いとは言え、毎日飲むにはちょっと財布への負担がきつい。そこでわたしは考えた。
旦那は病院からアセトアミノフェンを処方されているのだから、グリシンだけサプリで飲めばいいんじゃないか?

ということで、先月からグリシン配合のサプリを旦那に飲ませているが、経過は良好だ。
夜に足腰の痛みを訴えることがなくなった。先月買ったのがあと1回分しか無いそうで、またグリシンのサプリを購入することにしたのだが

「グリシンのサプリはいろいろあるから変えてみる?」
「いや!効かなくなったら困るから同じのにして!」

と、同じものを希望している。まあでも、他に良いものがあるかもしれないので2種類注文した。

あと、考えてみたらグリシンってアミノ酸なんだから、含有量の多い食品があるはずだ。
わたしは抑うつっぽいのでトリプトファンが必要だね。

ということで、検索したところ・・・・

鶏肉ですよ!

今日は鶏肉のシチューにします。


わたしは一応薬剤師だけれど、症例はわたしと夫の2人だけのはなしなので、あくまでも個人的な感想ということで 笑
でもまあ、嘘や誇張はないよ。

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