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Dear RayGun

いやー、レイガンっていったら、かつてのアメリカ大統領を思い出しちゃうのはわたしだけなんでしょうか 笑

オリンピックのブレイキンにオーストラリアから出場したRachelGunnという選手が出場していた。ダンサーネームはレイガン。彼女はオリンピックの競技でのダンスについて、自国で批判を浴びているそうだ。

まあ、技術的には他の出場者に並ぶほどの技術は無かったし、BREAK DANCEの本流の人たちからしたら「なんじゃありゃ?」っていうダンスだったかも知れない。
でも、他の記事にも書いたけれど、文化っていうのは時代の中で変容していくものだから、それが間違っているなんてことは誰に言えるものでも無いと思うのだ。

ブレイクダンスが日本で初めて話題になった頃(昭和だったしw)なんていうか、ダンスとしては亜流みたいな認識だった。でも、競技人口も増えたし、それなり市民権も得ている。その中でも、見る限りトレンドはどんどん変わって行き、今のブレイキンになっているように感じる。

今回、メディアは0点演技なんていって彼女だけを叩いているように見えるけれど、実際に1ラウンドも取れずに予選敗退した選手なんて他にもいる。
それに、彼女が戦った予選B組はアメリカのLOGISTX、フランスのSISSY、リトアニアのNICKAと、誰が金メダルを取ってもおかしくないくらいの強豪揃いだったのだから、相対評価で勝負が決まる試合では、多分、オーストラリアの他の選手が出たとしても結果は同じだったと思う。

実際に、ブレイキンの予選シリーズの得点を見てみりゃわかる。

https://olympics.com/ja/sport-events/olympic-qualifier-series-2024-budapest/global-standings/breaking-b-girls

レイガンは昨年のオセアニア選手権で優勝して参加資格を勝ち取っているわけだからこの中にはないけれど、見ての通り、オーストラリアから予選シリーズに参加した選手は、いずれも参加権を勝ち取るには程遠い成績だ。この成績だけでなく、動画をあっちこっちで検索して、HOLY MOLLY、HANNAH、G-CLEFのダンスをいくつも見てみたけれど、素人目に見ても世界のトップレベルの選手とまともに戦えるレベルでは無かった。

「この他にだって・・・」ってオーストラリアで主張するひとはいるかも知れないが、予選会となる大会に出場していなければ参加意思無しってことじゃない?
選考会への参加のコストが高くて参加出来なかったんだという人たちもいるみたいだけど、それこそクラウドファンディングという方法もあるのだから、その人ひとたちの実力を認めて支援する人たちがいれば可能だったはずだ。

つまり、社会の後押しがない状態で「他の選手」が出てくるようなバックグラウンドさえ、オーストラリアには無かったと言える。自分たちの中に応援する土壌がなかったくせに、オリンピックという結果をみて、自分たちのプライドが傷ついたから署名を集めて「謝罪しろ」なんて、どの口で言っているんだ?

とはいえオリンピックの競技だし、勝負だから、勝ちと負けが出来てしまう。彼女はグループBで1ラウンドも勝てずに敗退した。けれど、グループAではポーランドのVANESSAが、グループCではマレーシアのELMAMOUNYが、グループDではフランスのCARLOTAが1ラウンドも獲得すること無く敗退している。でも、フランスではCALROTAを恥だとか謝れとか「他の選手の権利を奪った」なんて言ってきていないよね。
でも、わたしから見れば、このCALROTAこそ「他(国)の選手の権利を奪った」のでは無いかと思っている。

予選シリーズの結果を見て欲しい。日本の3選手が上位3位までを占めているけれど、2名までしか参加資格を与えられないから、10位までの選手のほか、もうひとり参加資格を与えられるのだ。

本来なら、順位から考えて11位の韓国の選手に出場権が与えられるところ、何故かフランスのCARLOTAに「Q」マークが付いている。ポリコレと自国優先のパリオリンピックでは、開催国の選手で、黒人であるから選ばれたのかなー?とと疑われても仕方のない結果だ。

正直言って、予選シリーズで9位だったVANESSAが1ラウンドも取れなかったことを考えると、予選シリーズが終わった時点の11~19位の誰が出ても、あまり結果に影響は無かったんじゃないかなという思いはあるのだけれど、韓国のBガールの動きのキレはとてもよいので、オリンピックで見たかったなぁという思いはある。

様々なスタイルでブレイクダンスをやるひとがいるのだから、たとえそれがカンガルーっぽかったりしても、誰かに責められるとかは、ちょっといただけない。
聞いた話では、米国でブレイクダンスのレジェンドと言われるオッサンが、彼女のことを「才能が無かっただけ」といったらしいけど、レジェンドと言われるひとがまだ還暦にも届いてないんだよ。他のダンス競技と比べたら非常に歴史の浅い競技じゃないか?
Breakingだって、もともとあった形態からHIPHOPとBREAKINGに分かれたのだ。
オリンピックという世界の舞台に出すには、ちょっと早かったんじゃないかな。

技術的に差が大きいというのなら、昔のフィギュアスケートのコンパルソリーみたいに規定の技術を審査する段階を儲けて、規定の技を一定以上のレベルで出来て通過した人たちだけがバトル競技に出場できるようにすればいいよ。
ただし、それをやると今回出場した選手の中で、予選グループに入ることもなく脱落する人間は結構居たと思うけどね。

レイガンが技術面で劣っていたことについては、競技の世界では責められても仕方がない。彼女自身も体力や技では若い選手勝てないとわかっていたから独創性を出したと言っている。

うーん・・・でもね、年齢的にちょっときついかなという事はあるのだけれど、彼女より年上で41歳のAYUMIはベスト8まで行ったわけだし(ブレイキンの世界ではベテランなので経験値はすごいけどね)、39歳のHONGTENはBBOY界のレジェンドと言われるひとりで、世界ランキングも上位の選手だ。
それを考えると、年齢は言い訳にしかならないよ。

今後も競技を行うアスリートとして生きるなら、国の代表としては自分の技術を磨き上げていくことが責務だと思う。アメリカや日本など、競技人口の多い国に行って技術指導を受けてトレーニングはするべきだったんじゃないかなとは思うんだよね。

ただ、ブレイキンの出場選手の年齢にかなりの幅があったことについて、わたしは素晴らしいことと思っている。
スポーツは、若い選手だけのものじゃないから。

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