外国製の血糖測定器 その③(消耗品編ー採血器と採血針)
血糖を測定するためには血液が必要だが、血液を採取(採血)するための器具にも種類がある。ここからは、「外国製の・・・」と書いて置きながら、個人輸入したものと国内製のものの話が混在するのでご了承いただきたい。
採血器具(針を含む)には大きくわけて以下の3種類がある。
1.専用のペン型採血器+専用針
2.ペン型採血器+汎用の穿刺針
3.一体型のディスポーザブル採血針
皮膚に針を刺して血液を採取することについては、自己血糖測定器であれば必ず必要になる。中には血液を採血することなく、2週間つけっぱなしのセンサーで測る、間歇スキャン式持続血糖測定器なんていう何日間かつけっぱなしで血糖値(厳密には細胞間質液の糖分)を測定するものもあるけれど、センサーが高いし、自分で血糖を管理するにはコストが高くて現実的ではないということで今回は自分で購入することも無かったので記事には出来ない。(夫が使っているから、一応説明はできるんだけどね)
採血をするための器具は、血糖測定器を購入するとついてくる・・・のがかつては一般的だったが、最近はディスポーザブルの一体型のものが多くなってきた。そのため、病院で渡される採血針も最近は一体型が多い。
ただ、これは採血部位に押し当ててぐっと押し付けるようにして使うか、あるいは側面を強く押して針を出させるといった方式の物が多うため
「あ~駄目!痛いのイヤ」
と思ってしまうと、手に力を入れられなくて失敗する・・・なんてことが案外あるため、ビビりさんにはおすすめしない。(わたしのことです)
1.の専用の採血器については、わたしはワンタッチベリオシリーズに付属している「ワンタッチペン」というのを持っている。これは専用の「ワンタッチペンランセット」という採血針をペンの先端につけて、ダイヤルで穿刺する深さを合わせて側面のボタンを押すというものだ。
針の太さは30Gで、他の太さはない。指先で採血をするのなら、2くらいで十分だと思うが、指の皮が厚かったり血行が悪い人や、てのひらでの採血だと3以上にする必要があるかもしれない。
針と針カバーが一体となったもので、使用後は針が引っ込んで飛び出さないため使用後の針で誤って傷を負ってしまうこともない。ただしこれは、1回パチーンとやってしまうと針が完全に引っ込んでしまうため再利用は原則不可となっている。
まあ、実は針を取り外す前であれば、うまく針をもどして再利用は出来てしまうのだが、現実問題として、再利用がちゃんとできるのは1回くらいだ。2回3回と引っ込めてパチンとやると、だんだん針がちゃんと飛び出さないようになってくるので再利用によってやり直しが出来るのは1回程度ということになる。それに「あ!失敗した」といってもう一回くらい使うのはいいとしても、針をつけっぱなしで次回も使うというのは、衛生上の問題を考えるとおすすめは出来ない。
採血針には他の採血ペンとの互換性はないため、他の穿刺器具で使用することは出来ない。当然のことながら、針の値段も少し高い。
2.の採血器と汎用針については、かつてはすべてこの形であったと思う。海外では未だに汎用針とペン型穿刺器の使用が普通であり、日本のような専用針を使うペンの販売は見かけない。
もちろん汎用の針であるため、他社の穿刺器で使うことや、他社の針で使うことが出来てしまう。今は国内で、このタイプの採血ペンを見かけることはほとんど無いが、ニプロや三和化学の古いタイプの採血ペンがこのタイプの針を使うため、未だに針は販売されているし、1で紹介したワンタッチペンの前身であるワンタッチウルトラソフトが汎用の針を使うタイプであったため、ネットを探せばワンタッチウルトラソフトランセットという針を売っているところを見つけることも出来るのだが、これは28Gしかないので、購入する予定はない。
写真中のピンク色の針がニプロの30Gの針で、水色のが三和化学の33Gの針だ。針のキャップの大きさや形は違うが、針の土台や針の長さはほぼ同じだ。アイボリーの軸の針は、ワンタッチウルトラソフトランセットと同型で太さも同じ(28G)で、One TouchVerioSensorについてきたものだ。
使用後は針のキャップの側面に針先をぷすっと刺して蓋をする。
この状態で医療廃棄物として廃棄を薬局や病院に依頼する。
使用後の針のキャップについては、しっかり蓋が出来る日本製に比べ、中国製のものは、手前に転がっているように「刺さっているだけ」の状態だ。安全性ということについては、日本はわりと先進的なのだろう。
廃棄については、糖尿病患者に対してインスリンを処方し、採血用の針などを交付している病院や、高度管理医療機器の販売をしている薬局で回収をしていることも多いので、聞いてみてほしい。
わたしが持っているこのタイプの採血ペンは上記の3種類。
いずれも蓋を外して針を装着し、針についている丸いキャップを取り外し、蓋をしてから、ダイヤルを合わせて針の飛び出す深さを合わせ、シリンダー(またはレバー)を引いてからダイヤル近くの側面のボタンを押すと針がバネで飛び出す仕組みだ。
針を装着したところ。上についている丸いのをひねって取ると針が出てくる。
この写真で装着している部分の下にある丸いまどが透明なのが見えると思う。
蓋をしてシリンダーを引くと、この部分が赤くなる。その中心の楕円形のボタンを押すと針がピョンと飛び出す仕組みだ。
どの採血器にも、針が射出する状態になっているのがわかる部位があるので、心配はない。ぶっちゃけこのタイプのペンは、シリンダーをひっぱれば何回でも針が飛び出すので、横着して付け替えずに使ってしまうひとが必ず出てしまうだろう。だから、センサーを販売する側も躍起になって針をつけてくるのだと思う。
衛生的によろしくないし、下手をすると数値も狂う可能性があるので、毎回替えるべしである。
ところで、血糖測定器本体の購入は、今のところ問題ないのだが、採血のときに使う針については、ちょっとトラブルがあった。
説明文に「仕様:ゲージ: 30グラム(多分30Gのこと)」と書いてあるのに26Gの針が送られてきてしまって、現在ショップに返金交渉をしている。
28Gの針で痛くて仕方ないし、血も止まりにくいのに26Gとかあり得ない。
別にそっちが送料を払ってくれるなら送り返すけれど、日本から他国に小包を送れば400円以上かかってしまう。送料を含めても580円ほどの値段のものなので返送の送料と商品代金を返すとなれば、1000円を超えちゃうわけだからショップも嫌だろう。
ショップが「袋のラベルの写真を送れ」とか「SKUコードの画像を送れ」とゴネているけれど、箱の写真は送ったけど、袋なんて最初から破れて届いているし、サイトで他の荷物とまとめて送られてきたので「そのSKUコードってどこにあんの?」という状態だ。
一応、荷物を取りまとめてくれたところに仲裁に入ってもらって返金ということにはなったけれど、未だ返金はない。
日本の針に比べたら激安だし、変な商品ではないけれど、28Gの針でもビミョーなわたしには使い途がない。中国ではこれを使うタトゥ用のペンみたいなのがあったり、比較的太めの針で瀉血治療をするのにも同じ針を使っているので、25Gとか26Gはそっち用の針なのかも知れない。
しかも、商品について説明している画像を見ると
ちょ!待てっ!そんな使い方あるかいっ!という状態である。(一応商品の包装が見える部分にはモザイク)よくこんな怖い使い方出来るな・・・。
まあ、採血に使おうと思えば使えなくはないけれど、指や掌からの採血でそれを使えば、多分かなり痛いだろうし、28Gで「血ぃ止まらない~」とか言っているわたしでは、止血に苦労することは目に見えているので、このまま処分するしかないかなと思っている。
こっちも向こうも変な英語でメッセージのやり取りをしているので、これ以上の交渉は難しいかも知れない。
30Gの針については、国内産のもので問題なく使えているが、消耗品でもあるので、できれば安価なもので済ませたいと考えている。
今回トラブったショップは、採血針についての知識があまり無いところで、他に売っている商品をみても雑貨ばかりだった。こういうところから体に使うものを買ってはいけないなーと学んだ。
「30Gって書いてあるのに26Gが送られて来た」と言ったのに「Gってグラムじゃないの?」くらいの勢いで全然わかっていない感じだった。
一応、他のショップで同じ針が、25G、26G、28G、30Gと4種類販売しているところを見つけたので、次はそこで4種類のうちの30Gをしっかり選択して購入予定。「30Gって30グラムじゃないの?」なんて認識のところからは二度と買わない。
ただ、使い途がないかといえば、そうとも言えない。
例えば国内でも売っているニプロランセットには25Gの針があって、まだ販売もされている。これは当初から販売されていたニプロライトショットスリムという穿刺器に指先用と指先以外用のキャップがついているため、指先意外のところに使うための針だと思う。
指先用のキャップというのは、指先にフィットするように真ん中が凹んでいるのだ。
上記写真の一番左のがそういった形をしている。こういう形をしていたら、指先用と考えて細い針を使うべきかなと思う。
3.の一体型のディスポーザブルのものは、今のところ手元にあるのは1種類しかない。本体と一体型というよりは、本体がなくて使い捨ての針だけという感じのものだ。
ロックを外して本体の先端を皮膚に押し付けてぐっと押すと針が「パチン」という音とともに出てくる。一度使うと針が引っ込んでしまい、再利用は出来ないので、そのまま医療廃棄物となる。
多くは30個入りで、箱の大きさも1の専用針と同じくらいなので、最近は病院から渡される針の多くはこのタイプだ。
わたしが今持っているのは、上の写真にあるファインタッチディスポというものだ。これは右側の蓋をねじって外し、それを肌にぐっと押し付けるとパチンとバネで針が出てくる仕組み。
使い終わると針は引っ込んでしまうので、ビビって押し付けられないと無駄になってしまう。(常習犯)
採血ができれば採血器の形なんて何でも良いのである。
わたしは、3のタイプは、痛いのが怖くてぐっと押し付けられないヘタレなので、もっぱら2のタイプを使っている。
針のことを長々と書いてしまったが、わたしとしては針が大事と思っている。採血は痛いのだ。穿刺が嫌で血糖を測るのが嫌だっていう人は少なくないと思う。
だって、注射が好きな人なんて珍しいでしょ?
あまり痛い思いをしないでストレス少なく血糖測定をするために、針にはちょっとこだわっている。
次は、センサーチップや消毒綿についての注意を書こうと思う。
消毒綿は、うっかり種類を誤ると傷にしみたり数値がちゃんと出ないことがあるので重要であるし、センサーは扱いを間違えると駄目になってしまう。
多分(?)病院で消耗品を交付されるひとは、そのときに扱いについて注意を受けるはずなのだが、実際にはちゃんと説明をされてきていないのか、されたのに憶えていない人が一定数いる。
更に言ってしまうと、海外からの購入の場合、実は新品でないものや期限の短いものが送られてくることもあるし、管理が怪しい場合もあるため、商品の見極めをできるようにしておきたい。