私たちはなぜ学ぶのか(10)ー「少しだけ知識があれば、見えないものも見えてくる」
(2023年2月12日付 朝日新聞 「知は力なりー海獣の知性から見える世界 東海大学教授・海洋科学博物館館長 村山司氏の言葉)
村山教授の話は目からウロコでした。ざっと記事に書かれていた海の動物たちの知性とは以下のようなことです。信じられますか⁈
・数がわかるジュゴンがいる。
・順序を理解するアザラシがいる。
・ホッキョクグマは鏡に映った像を自分とわかるらしい(人間の赤ちゃんよりすご
い)
・イルカの知性がすごい。
ー三段論法ができるものもいれば、名詞を覚えたものもいる(うちの犬は家
族全員の名前の他にかなりの単語を理解していたが・・・)
ー数や順序も知っているし、人の動作のまねもする。
ー同じ動作の繰り返しには飽きるし、やきもちも焼く。
ー2頭のイルカのショーで一方が失敗すると、他方は歯を鳴らして怒る。
ー実験風景を横で見ていたイルカが見よう見まねで自分も同じことをやりたが
る。人の好き嫌いもある。
・鏡に向かって舌を出しておどけるシャチがいる。難しい実験の前では開き直っ
たりもする。
海獣の「知性」について述べたあと、村山教授曰く、
「彼らの知性は、本当はふだんから見え隠れしている。それに私たちが気づかず、見過ごしてしまっているだけ。でも、少しだけ知識があれば、見えないものも見えてくる。本やインターネットを紐解けば知識のヒントはいくらでもあるし、テレビの教養番組や市民講座でもいろいろなことを知ることができる。
そうして学んだ情報をカギとして目の前で起きていることを読み解くことができたら感動するし、きっと楽しい。
例えば、『イルカの視力は0.1くらい』と知っただけで、彼らの視覚の世界が垣間見えてくるのではないだろうか」
見えないものが見えてくる。これは、上記の海獣の知性のことだけではなく、無意識に流れていく私たちの日常にも言えないだろうか。このように「好奇心のアンテナ」を張ってみたら、違った世界が見えてくるかもしれない。そんな気づきを与えてくれるのは「知の力」ということだろう。