今日ときめいた言葉13ー「努力を続けるには、楽しむことが欠かせない」
(冒頭写真は、wowwowtennisworld.jpから転載)
(2023年1月3日付 朝日新聞「フェデラーさんに聞く」からフェデラー氏の言葉)
「努力を続けるには、楽しむことが欠かせない。そして、打ち込むことによって楽しみを見いだせる。仕事を楽しめたら、義務的な苦痛から解放される。そうした感覚への到達は、必ずしも容易ではないけれど、『楽しむ』『打ち込む』のバランスにはいつも心を配ってきた」
昨年引退したテニス界のスーパースター、ロジャー・フェデラー氏のインタビュー記事からの言葉である。4大大会男子シングルス優勝20度。4つ全てを制する「生涯グランドスラム」も達成。さらにウィンブルドン選手権は男子最多の8度を制し「芝の王者」と呼ばれた。歴代最長の世界ランキング237週連続1位の記録保持者である。
私たちの日常では決して出会いそうにない特別な才能を持った人物の言葉だから、「苦痛」とか「努力」といわれても、私たちには実感として想像することは難しい。それらは我々のものとは異質なものかもしれないし、同じレベルでは語れないものではないかなどと思ってしまう。確かに!!!
だがそのあと、子供の教育方針について聞かれて語った彼の言葉は、我々が共有できる親の言葉だった(何と双子の娘たちと双子の息子たちの父親なのだ!)
「他の親を見ると、すごく子供たちに世話を焼き、口を出す人もいるよね。何が良いのか、悪いのか、判断は難しい。個々の性格にもよる(中略)・・・大事なのは動機づけを与えることだと思う。そのためにはできるだけ多くの機会をつくってあげたい。何より、人間として良い人になることだ。皆、誠実に生きている人と一緒に過ごしたいと思うはずだ」
そして、彼が他者や自分の人生に対してどのように向き合っているかについての言葉は大いに共感できるものだった。
「(インタビューで)僕は何百万回も同じ質問をされたりもする。でも、どんなときも最善の答えを導こうと思える。インタビューが終わり、部屋を出たとき、短時間だったけど、なかなか楽しい時間だったな、と。自分がやることにおいては、全てに最善を尽くそうと心がけている。それが自分が向き合う人をリスペクトすることでもある」
悩む若者たちへのアドバイスの言葉は、
「勤勉な努力は、いずれ成功に導いてくれる。もちろん、ときに人生には残酷な面もある。必ず努力が報われるわけではない。・・・そんなとき、少し視野を広く持つことを勧めたい」
「年齢を重ねるにつれ、ハードワークを通じて学んだことはきっと生きてくる。人生の果実となることに気づく・・・それはもしかしたら、全く違う分野かもしれない。最終的な到達地点というか、目標を頭に入れておくことだ」
「試合に負けるのはつらい。負けて、負けて、負け続ける。そんな時も、挑戦をやめてはいけない。逃げ出さずに努力を続ければ、いつか流れは変わる。僕の言葉を信じてほしい」
ふと、「勝てないけど負けない覚悟」と言う言葉を思い出した。