定番スイッチングレギュレータIC MC34063をLTspiceでシミュレーションした
私がスイッチングレギュレータ(DCDCコンバータ)を勉強し始めたころによくこんなことを思っていました。
・正直、数式ばっかり眺めるの飽きたよ。
・勉強したけど、実際にどう動くのかイメージをつかない。
・シミュレーションを流してみたいけど、めんどくさそう。。。
昔の私と同じように思っている方に向けて、本記事では定番のスイッチングレギュレータ(DCDCコンバータ)ICのMC34063を無料の回路シミュレータLTspiceでシミュレーションしたので、その具体的手順と私の失敗含めて丁寧に解説します。
LTspiceのインストール手順やシミュレーションの走らせ方は詳しい記事があるので、言及はせずにMC34063をLTspiceでシミュレーションする手順に絞って解説します。
なぜMC34063なのか?
秋月電子のHPでDCDCコンバータICを調べたところ、人気No1ですよ。それに1個40円ですよ。入門者にはぴったりですよね。それをシミュレータで動かして動作理解した上で実際に動かしてみたら、より理解が深まると思います。
MC34063のspice modelをダウンロードする
LTspiceでICのシミュレーションをする場合にはICのspice modelが必要です。
たいていICメーカーのHPでダウンロードできます。
ただ、MC34063はONsemiのICなのですが、ONsemiのHPでダウンロードしなくていいです。ってかしてはいけません。
私はONsemiのHPでspice modelをダウンロードして、シミュレーションしたら動きませんでした。(以下がそのときのLTspiceの画像です。回路を作ってRUNしましたが、エラーが出てしまいます。理由はわかりません。)
原因を調べていると、以下のページに同じようなことが書いてありました。どうやら、spice modelがいけてないようです。
このページにあるmc34063.zipをダウンロードしました。このファイルはLTspiceのYahoo Groupsが作ったもののようです。
ダウンロードしたら、spice modelも回路図も回路symbolもセットになってました。
.asy:回路symbol
.lib:spice model
.asc:回路図ファイル
LTspiceでascファイルを開いてシミュレーションを実行
本来は
spice modelの.libファイルをLTspiceで開いてm34063のasyファイル作成
↓
シミュレーション回路図を作成
↓
シミュレーション実行
となるところでしたが、Yahoo Group「LTspice」からDownloadしたら、かなり手間が省けました。
シミュレーションを実行するために、ascファイルをLTspiceで開きます。
以下のopenを選択し、MC34063_buck.ascを開きます。
すると以下の回路図が出てきます。回路図定数はdatasheet通りの定数になっていました。
RUNをクリックしてシミュレーションを実行します。すると、以下の通りの実行結果が得られました。
datasheet通り5Vが出力しています。とりあえず、シミュレーションが出来るようになったので、これをベースに自分のしたい回路へアップデートしていけば良いのではないかと思います。
まとめ
本記事では私がmc34063をLTspiceでシミュレーションを実行するまでを記録しました。
回路シミュレーションをしよう!と思ったはいいが、動かない。なんてことが多々あります。わけのわからないエラーが出て時間とモチベーションがなくなる前に先人の知恵を利用してとりあえず動く環境を手に入れましょう。
自分流の回路に変更して動作確認はそれからです。
とりあえず動く環境を手に入れるのにYahoo Group 「LTspice」は便利だなぁと思いました。
以上です。少しでも参考になれば幸いです。最後までお読みいただきありがとうございました。