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#3『主治医との出会い』
頭痛外来探し
元々大きな病院へは何回か出向いていた。
MRIなどの検査もすべて異常なし。
あなたの症状は典型的な″片頭痛″です。と。
大きな病院は毎度待ち時間が3.4時間、
検査やら検査結果やらで結局12時間ぐらい病院にいたこともあった。
1日仕事でぐったりしてしまう。
かかりつけの病院をつくりたかった。
あとセカンドオピニオン的な意味合いも込めて。
ネットの口コミなどを探り探り、
たどり着いた頭痛外来へ。
はっきりと事実を話してくれるような先生だった。
初診時の先生のことば▼
☑︎他の人がなっていなくても、あなたはなってしまう。遺伝的なものなので受け入れる。誘発するものを避けて生きていくしかない。
☑︎これから毎日7時間半睡眠をとること
☑︎チョコレートを減らす(かけらでも影響する)
☑︎イタリアンを避ける
☑︎パソコン、スマートフォンを使わない
(山、川、海だけを見ておけばいい)
↑少し極端ではある。
けれど、
遺伝的なものだからもうそれは諦めて受け入れるしかない。と言われたことで、
ぐんと気持ちがラクになった。
(実際に親族の女性はほぼ頭痛持ちである)
夜の9時を過ぎてもどんどん患者さんが訪れる。そんな街の病院。
それから8年ほどお世話になっている。
看護師さんは温かく、私は先生を信頼している。
ビタミン剤
漢方
精神安定剤
片頭痛予防薬
数年かけて色々な薬をひと通り試した。
波はあるものの、なくなることはない。
どうしても一人暮らしがしたい思いから、
時短を解消してもらいフルタイムに戻す。
仕事は特に問題なく、もう大分と慣れていた。
ただ、やはりドライな社風は好きになれず、
違和感も取れず、
もういつ辞めてもいいかな。そんな気持ちが浮上。
あんな暗いお通夜のような会社に行きたくない。
毎朝そう思いながら通勤していた。
個人個人は悪くないのに、
なぜにあんなにオフィスが冷え切っているのか。
1人悶々とまた考えてしまっていた。
誰も悪くないのでは。
どうしようもできないのでは。
行きたくない
行きたくない
行きたくない
会社に近づくと激しい動悸すらした。
ただでさえ、頭痛もあるのに。
働くことへのしんどさ、生きづらさを
強く感じていた。
厄介な気質なのだ。
ああ自分ってどこまでも厄介な
身体とメンタルを持ちあわせちゃってるんだな。
わかりつつあった。
適当に
軽やかに
こなしていける人が
心から羨ましいと思った。
そこからしばらくして
誰もが予想もしないことが起こった。
環境が一変した。
世界的パンデミックの到来と
片頭痛予防注射の出現