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#2『はじめての転職』
転職
新卒で入った会社を退職。
振り返ってみれば、ホッと一息つけるような日は
1日もなかった。
次はゆっくり働くことを選択。
派遣会社に登録して探した。
昔から憧れだった大手メーカーに決まった。
また1から頑張ろう!
またものすごい気合いが入っていた。
悪い癖でもある。
激務から逃れて、
ぜったいに頭痛はなくなる!!
期待しかなかった。
テレビに出てくるような綺麗なオフィスだった。
憧れの高層ビル。
胸が高鳴った。私、ここで働けるんだ!
仕事にも慣れていった。
社会人になって、
初めて定時で帰れるようになった。
お茶汲みや朝の掃除や朝礼もなかった。
比にならないくらい負担が減った。
これが本来のOLというものか。
転職して正解だったな。と思った。
しかし、頭痛は思いの外減らない。
月に10日ほどは襲ってくる。
初めて会社のトイレで戻してしまった。
社内の雰囲気にはずっと違和感を抱いていた。
とにかく挨拶や会話がない。ドライ。
前職ではあれだけ挨拶や人との関わり方の大切さを教わったのに。
悶々としていた。
仕事は好きだけど、
社風は好きになれなかった。
そんな中でも幸い直属の上司は明るく、
頭痛にも理解のある人だった。
気にかけてくれた。
時短勤務にしてもらうことになった。
朝の通勤ラッシュを避け、
勤務時間を数時間減らしたら大分と精神的にも楽になった。
感謝した。
業務も十分に時間内におさまる。
しかし、それでもまだ頭痛が減ることはなかった。
当時は″レルパックス″という薬に頼っていた。
→のちの″エレトリプタン″
小粒でとても飲みやすい。
まだジェネリックが出ていなかったので、
¥1000/錠はしただろうか。
(3割負担で¥300/錠)
高額だけど言ってられなかった。
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まだ効いてくれる薬があるだけでよかった。
効くまで数時間かかることもあるが、
効いてしまえばケロッとしているので、
片頭痛患者の理解されにくいところだと思う。
この辛さは、きっと伝わらないだろう。とさえ。
会社を変えたら無くなると思い込んでいた頭痛がなくならない。
自分にとって想定外の事態だった。
どうにかしたい。
毎日そう思っていた。
改めて、頭痛外来の病院をちゃんと探し出した。
そこから長年お世話になる主治医と出会う。