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「椅子張りって珍しいね。何でこの仕事で独立しようと思ったの?」
なんて聞かれることがよくあります。
そもそも椅子張りというジャンル自体がマイナーなので、そんな仕事があること自体知られていないことが大前提にあります。
また職人さんたちも高齢化が進んでいる中、若手が少ないという点も椅子張りという仕事が縮小して認知されづらくなっている理由なのではないかと思います。
僕自身もこの仕事に出会ったのも偶然で、それまでこんな仕事があって、この仕事をメインでやっているところがあるなんてと驚いたくらいです。
実際この仕事を生業にしている企業も少ないですし、僕のように小規模で椅子張りをやっているところも多くはありません。
ましてや地方になるとその傾向は顕著です。
現に僕が住んでいる石川県では知っている限りで僕を入れて2、3件と大きな工場が1件程度です。
これらもこの椅子張りという業界に入って初めて知った現状でした。
初めの質問の答えに戻ります。
椅子張りが珍しいというのは上で書いた通り、やっている人が減り続けていることや椅子張りという工程が家具製造の中に埋もれてしまっているからではないかと思います。
家具職人とかは比較的メジャーですし分かりやすいですよね。
その中の工程の一つという印象もありますし、家具の中の椅子というカテゴリーに特化した仕事ですし。
この仕事で独立した理由は、やっている人が少ないからということと、飽きなさそうだなと思ったからです。
と意図してニッチなジャンルを狙ったとカッコよく聞こえますが、正直に言うと結果的にやっている人が少ない職業に巡り合ったというだけなんです。
(運が良かったとしかいえません。)
結果的にそうなりましたが、やっている人が少ないということはそれだけライバルが少なく競争をする機会がないということになります。仕事も自分のところにたどり着く確率が高くなります。
これは独立してみてより実感したところでもあります。
ただ協力プレイができないことは、同業者が少ないデメリットでもあります。
仕事を手伝って欲しい時があっても手伝いを頼めるところはほとんどありません。
飽きさそうだなと思ったのは、同じものを連続して扱うことがほぼないということです。
例えば、椅子は椅子でもいろんな形や作り、状態、生地、個人なのか店舗なのかなどジャンルが広いんです。
同じような作業でも少し違ったり、工夫が必要だったり。
もちろん同じものを何脚もやることもありますが、たまに連続した作業をやるのも面白いなと思えるくらいジャンルのバランスがいいんです。
(僕の仕事の取り方によってという面が大きいかもしれませんが・・・)
比較的飽き性な性格の僕にとって、程よく違うものを相手にできるのはちょうど良かったのかもしれません。
意図せず椅子張りの世界に身を投じることになりましたが、この仕事の面白さを体感し自分の性格的なところともマッチしそうな感覚を受けたことが、この仕事で独立をしようと思ったきっかけでもあります。
元々手を動かしてものづくりをする仕事をしたい、独立をしたいという願望もありましたし、椅子張りの仕事自体がそこまで大きな機械や特殊な道具が必要ないということが分かっていたので初期投資があまりかからなそうだなというメリットもありました。
そんな様々な条件や願望などがマッチしたことと色んなきっかけで椅子張りという仕事で独立するということになりました。
たまたま出会った仕事がハマって独立する仕事になったというのは運が良かったとしか言えませんが、悩みながらも行動した結果かなとも思います。
以上がこの仕事で独立をした理由なります。
十数年前を思い返しながら書いていて、少し初心に帰れたような気がします。
最後までご覧いただきありがとうございました。