私はニートで良かったのか?
私は本当にニートで良かったのか?
27歳、実家暮らし。外見は大人、中身は小6といったところか。コンビニすら億劫で、一日中ゲームに没頭する日々を送っている。外から見れば、いわゆる「子供部屋おじさん」だろう。メディアは僕らを嘲笑う。だが、本音を言えば、誰かに認められたい、社会の一員として生きていきたいという気持ちもある。
これまでの履歴書を見返せば、転職を繰り返した過去がある。職場の人間関係に馴染めず、仕事にもやりがいを感じられなかった。社会という名の砂漠で、僕はいつも一人ぼっちだった。
「もう、いいや」
そう思ったのは、最後の職場を辞めたときだ。人間なんて、みんな裏の顔を持っている。誰かを信じることが怖くなった。だったら、社会から離れてしまおう。そうすれば、もう傷つくこともない。
そんな折、FXという名の「楽して稼ぐ」夢を見つけた。少額の資金で大きな利益を出す、夢のような話だ。最初は順調に利益を出していた。1日平均+4万円、多いときは+12万円だ。
が、すぐに現実は甘くないと知ることになる。大きな投資をかけたとき、相場が急変し、あっという間に資金を失ってしまった。貯金も半分になった。
「やっぱり、ダメだ」
FXでさえ、僕を裏切った。
鏡に映る自分の顔は、虚無そのものだった。「あれ?これ、、誰だろう?知らない人かな?」このまま、何一つ成し遂げずに人生を終えてしまうのだろうか。そんな不安が、心の奥底から湧き上がってくる。
だが、ふと我に返ると、こんなにも自由な時間があることに気付いた。好きな時に寝て、好きな時に起きる。誰にも邪魔されることなく、自分の好きなことをできる。
もちろん、このままではいけないという気持ちもある。でも、焦る必要はないのかもしれない。今は、ただただ、自分と向き合う時間が必要なのかもしれない。
もしかしたら、いつかまた社会に出て、働ける日が来るかもしれない。あるいは、違う形で生きていく道を見つけるのかもしれない。今の僕は、まだ何も決まっていない。まぁ働きたくはないが・・。
ただ、一つだけ確かなことがある。それは、僕が生きているということ。そして、これからも生きていくということ。
ニートで良かったのか、悪かったのか。その答えはまだ出ていない。でも、いつかきっと、自分なりの答えを見つけられるかもしれない。ただ悪かったという結果にならない確実な方法は知っている。それは答えを永遠に出さないことだ。答えを出さない限りは良い悪いの判定はつかない。答えは永遠に先延ばしにすることにする。