俺にとって妻は
俺にとって妻は、
最高の友達だ。
最高で、大切な友達が、いつも家に居る。
一人暮らしの、しょーもない俺の家に来てくれていて、毎日泊まってくれていた、あの日々の延長に今がある。
最高で、大切な友達が家に遊びにきた時は
友達にとって居心地が悪いと感じないように、汚い部屋を掃除したくなる。
泊まるとなると、布団も綺麗にしてあげたい。
風呂も掃除しておくから、浸かって癒されてほしい。
洗濯物は、俺がやるからカゴに入れておいてくれればいい。
干して、乾いたら畳んで、渡すから。
実は俺、料理が趣味で、作るからちょっと食ってみてほしい。
いい感じのツマミも用意しとく。パーティだ。
ゴミはゴミ箱に捨てといてくれ。
まとめて朝出しにいくから!
という風にもてなす。
しかし、それが1日、2日と続き
2年、3年。
毎日となるとどうだろう。
もてなしの精神も、疲労へと変わってしまうのだろうか?
一人暮らしの、しょーもない俺の家に来てくれて、
最高の友達が毎日泊まってくれているんだから、楽しいではないか。
掃除をして、洗濯は2回まわして、
干して
料理は朝晩作り、食器を洗い
ゴミ捨てをして、洗濯を取り込んで
畳んで、風呂掃除して、
ベッドメイクをして
その合間に俺は仕事をしている。
通勤している。
年収2000万。
世の中にある紙幣が、たまたま俺のとこにあるだけで、そもそも俺の金だと思った事がない。
「僕は仕事をしているから君は家事をやっておいてほしい」という人は
つまり、自分の時間がほしいからなのか。
極論、仕事も、自分のやりたい事だとしても
しょうもない、自分の時間。
俺は、自分の生活の世話を大切な人にさせてまで、そんな時間がほしいと思わない。
専業主婦ってなんなんだろう?
いらないと思っている。
そこにプライドを持っている女もよくわからない。
家事分担は生産性のない奴が考えた
「めんどくさい事のなすりつけ」でしかない気がする。
子供がいたら話は変わるだろうか。
いや、そんなことはない。
誰もが基本的に孤独なんだから、大切な人と一緒にいられることは奇跡でしかないはずなのに
お金や時間を天秤にかけ、旦那様や奥様というおおげさな肩書きをもった事で勘違いをしはじめる「夫婦」
妻は家でダラダラしている。
ずっとダラダラしていると、太ったようだ。
俺は健康に気を遣ったレシピを考えて、和食中心の朝晩のご飯を作る事にした。
しかし妻は、俺が作った和食にプラスして、パンを食べていた。
なんなんだよ、と思った。
ピラティスに行くらしい。
デブだからピラティスに行くのではない。
痩せたいからピラティスに行くんだよな?
パンを食べている時点で、アホかと言った。
そんなある日、ふと思った。
仕事もしない友達が、俺んちに入り浸っているとして
毎日何もせずにダラダラしていたら、俺は何て言うだろうか?
「働けよ」か。
「おまえも家事やれよ」か。
「もう、帰れ」(出てけ)か。
そんな事を、いい加減にしろ!という顔で、最初は笑いながらでも言うだろう。
俺がいなくなったらどうするつもりなんだろう。
世の奥様方は、そんな事を旦那に言われた経験はないだろうか?
何もしない旦那に、表面的な所だけを見られただけで言われたら
そりゃ腹が立つだろう。
でも俺はしている。だから言う。
直接言う。パラサイトだけは許さないからなと。
俺たちは、基本的に他人なのだ。
独りでも生きていける、という大前提のもと
最高の友達と一緒にいると、もっと楽しくて、良い人生になりそうだから
結婚した、他人同士だ。
勘違いさせてはいけないし、勘違いすんじゃねーよと、
俺はいつも妻に言っている。
勘違いさせあう事が夫婦という存在なら
ハナから俺に関わんじゃねーよと。
伝わっているかはわからない。
俺にとって妻は、最高の友達だ。
妻にとって俺も、そうであってほしい。