倚りかからず
怖い。怖くてしょうがない。
自分の足で立って歩いていかなければならないことが。
何かに寄りかからずに進まなければならないことが。
ずっと、手の届きそうな道、ある程度保証された確実な道をひた走ってきた私にとって、あまりにも選択肢が開かれすぎているこの状況に足がすくんでしまう。恵まれた環境でぬくぬくと過ごしてきたことはかなり自覚している。選択肢が開かれているという状況がすべての人にとって決して当たり前のことではないのだということもわかっている。けれど、自分次第でどうにでもなってしまう、どうにでもできてしまうということの自由さは、望ましいようで同時にとても怖くもある。
でも、進まなければならない、進みたい、せっかく恵まれた環境にいるのだから頑張りたいとも思う。
ちゃんと、自分で決めた道を自分の足で歩いていきたい。
茨木のり子さんの詩の中でも特に好きな「倚りかからず」をお守りのように携えていく。