修学旅行のカメラ撮影について考える
うちの近所に昔ながらの写真屋がある。
DPEの機械を所有し通常のフィルムなら1~2時間程度で現像・プリントしてくれる。今更ながらフィルムカメラに回帰した私にとっては我が家の立地的に大変重宝しているので、撮り終えたフィルムを即現像するにはもってこいの店である。
店内は歴史と共に味わいの出た昔から続く雰囲気で「昭和・平成初期」で時間が止まったような空間。店主は何十年も写真業界を生き抜き、様々なカメラ・写真のことを知る生き字引のような方。私がフィルムカメラのことで質問や雑談をすると、今までの写真業界の経験や世のカメラに対する趨勢を元に大量のことを教えてくれ、時には話が全く終わらないほど…
そんな雑談をしていた中、店頭にフィルムと一緒に販売されていた「写るんです(「レンズ付フィルム」、または「使い捨てカメラ」)」を私が見付け、そのカメラのことについて誰が買うの?と訊くと「一番は修学旅行に行く学生だね。でもね…」と暗い表情となりどうしたの?と訪ねると、意外な返事が。
修学旅行で写真を撮るならデジカメにして欲しいよ…
その真意を問いただすと、修学旅行で学生がスマホやデジカメを持っていくことは、紛失時の責任問題があるので不可であり、仕方がないと前置きして
①レンズ付フィルムは、スマホのように光や手振れなど自動補正やズームが無い。当然画面が無いので写真の出来映えの確認はできない
②暗いシーンでの撮影で、フラッシュはデジカメより劣り、フィルムの感度はISO100~200程度と低いため、暗い場所で遠くに写る被写体がしっかり撮れない
③スマホ撮影に慣れきった子供たちは、①②の感覚で撮影するため「ピンぼけ」「写真全体が暗い」など、失敗作が多く撮影される
④そんな写真を多く撮影されたフィルムの現像を依頼され、DPEで現像して出来映えを確認したとき
「ああ‥‥‥撮影した学生が沢山の失敗した写真を見てどれだけガッカリするんだろう…」これを想像するだけでも胸が張り裂けそうになる
⑤依頼した学生が写真を受け取りに来店し、受け取った写真を店内でそそくさと見始め、最初の期待に満ちたワクワクした表情が次第に曇りだして最後は無言・ショックな表情で店を出る…
この光景を何度も見てきた
⑥子供にとって修学旅行は一大イベント、将来の記憶に残り続けるもの。そのシーンを写真として残すなら、スペックの高いカメラで綺麗に撮って写真を残して欲しい。
①~⑥の説明を聞き、店主が写真が本当に好きで長年写真に携わる仕事をしているからこそ願う思いだろうな‥と私も同様に心が痛み、修学旅行でもデジカメを持たせてあげたいな‥と思うようになりました。
今の子供はデジカメ・スマホで簡単に綺麗な写真が撮れるので、AF機能・モニター・露出補正が無いカメラで撮影すると失敗してしまうのも仕方ありませんね。でも私は子供の頃はAF機能が無いカメラで普通に撮影していたので今ではそんなの関係ない、今撮影しても失敗しないだろうと思いきや‥先日AF機能の無い110フィルムカメラで撮影すると失敗写真の連発‥(下の写真のようにピントが合っていない写真が沢山‥)
なんとも情けない話です。
野球関連の事柄を書きます NPB:千葉ロッテ、BCL:埼玉武蔵ヒートベアーズファンです