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振り返り⑤

「本当に催事に間に合うんだろうか」という一抹の不安と、「やらなければならない」という気持ちとで「ストレス」を感じずにいられない日々

「気持ちよく過ごす」「最低でも0地点に自分の気持ちを置く」という2つのキーワードはどこへやらという状態で睡眠不足も相まって「変なハイテンション」と催事会場の店舗準備を終えて「準備を終えたことへの安心感」で催事前夜、居酒屋で乾杯して翌日に備えて就寝

初日は百貨店側からいろんな説明があるので早めに現地へ


☆怒涛の6日間が始まる


催事の6日間は、それはそれはいろんなことがあった

◆百貨店従業員としての扱いと振る舞い

まず、催事出店者は百貨店の「従業員」として扱われ、「従業員」としての振る舞いが必要になる

事前準備の時は一般客と同じように百貨店の表入り口から入ったが、催事が始まれば「従業員通用口」を使わねばならない どこも似たような通路、エレベーターも行く先が様々で初日から迷子になりそうだった

お手洗いももちろん「従業員用」を使用することになる
これがまた遠い・・・催事場の階数とも違うので店頭の混雑具合も考慮しながら走って行かなければならない 

そして、売り場から出入りする時、売り場に向かって一礼する(見たことがある方もいらっしゃるのでは?)

何より気をつけないとならなかったのは・・・

「お客様からの質問」への受け応えだ お客様からの質問は自店舗以外のことでも「知らない」と答えてはならない

例えば、「お手洗いはどこですか?」「〇〇はどこで買えますか?」など、出展者の自店舗以外の質問をされても「知らない」と答えてはならないのだ

「お客様」からすると催事とはいえ百貨店で「ものを売っている」人は「百貨店の人」ということ

だから質問されてわからないことがあったら、「少々お待ちください」と答えて催事場にいる百貨店の担当者に繋ぐか、インフォメーションへ案内するなどしなければならない

店頭が混雑して慌ただしい時だと思わず「知りません」といってしまいそうだが、それはNGなので常に気を遣う部分だった

◆仮設店舗での営業が始まってみて

事前情報だけで準備万端にしたと思っていても、催事が始まってみないとわからないことだらけ

自分たちの「動線」をシミュレーションしながら、冷凍庫・冷蔵庫、レジ・商品受け渡し場所、商品陳列台などの配置を決めたが、実際に狭い仮設店舗の中で3人がそれぞれの動きをしてみると改善点が見えてくる 什器の位置を入れ替えたり冷蔵庫など大きなものは動かせないので、できる範囲で日々改善する必要があった

それと仮設店舗は4つの店舗で1つのエリアになっている
姉の扱う食品は「茹でる」てから「氷水で〆る」工程がある たっぷりの氷水を使用するので「氷」は必須

1つのエリアに1つの製氷機が置かれており、一定量に達すると氷が作られなくなるので時折、別容器に移してバックヤードの冷凍庫で保存して他の店舗に迷惑をかけないように気をつけていないとならなかった

「茹でた食材」を急速に冷やすために流し台に寸胴鍋をはめ込んで氷水を常備していた(実店舗ではその都度、食材と氷をザルに入れて流水を加えながらかき混ぜて冷やしていたが仮設店舗では排水のキャパもあるので)

しかし、流し台の高さに対して寸胴の高さ(深さ)が高くて氷水で〆る作業担当をするスタッフの身長では背伸びをしないとかき混ぜる作業がしづらいことが判明。。。店頭の様子を見に田舎から来阪した両親の車で急遽、高さの合う寸胴を買いに走ってもらったが、姉の目測誤りで流しに入る直径ではなくて結局最終日までスタッフは背伸びして〆る作業をすることになって負担をかけてしまった

とまぁ、仮設店舗の設備面でなんだかんだあったのだが、思わぬところで面倒なことに

◆人を扱うことの難しさ

レジは百貨店が準備したものを使用しなければならない
事前に説明資料と操作説明の動画は開示されたが複雑で良くわからなかったので、「ここはプロに任せよう」と人材派遣で「マネキン(レジ打ちと接客)さん」に頼った

お願いしたのが結構直前だったことと、ちょうど催事の多い季節だったため催事期間を通しで同じ方達に来てもらえず、ほぼ毎日入れ替わった

人が入れ替わっても「レジ打ち」やってもらえるだけでも御の字と思っていたのにいろんな人がいる(笑

  • 愛想はいいけどおしゃべりばかりしてお客様絵の声掛けを忘れる方

  • お客様への説明内容を勝手にアレンジしてしまう方(伝えてほしい内容と異なってしまう)

  • 他の店舗に派遣されたマネキンさんのところまで行っておしゃべりする方

  • 愛想がない方 

などなど もちろん「愛想も良くて仕事もきっちりできる方」もいた
「毎日来て欲しい」と思っても、他の催事の派遣が入っていてその日限りでしか入ってもらえなかった(後日、お客様として来てくださったのは嬉しかった)

で、催事終盤に最悪なことがあった

詳細は割愛するがその日のマネキンさん2人の相性が悪く仕事にも影響が出てしまった 1人は年配のベテランマネキン(A)さん、もう1人は30代半ばくらいの経験の浅いマネキン(B)さんだった

Aさんはお願いしたマネキンさんの中で3回、入ってもらえた方で「シャキシャキタイプ(コテコテ大阪人)」、マネキン歴も長いので「気が利く」反面、「手も抜く」(笑 
「〇〇しましょうか?」と声をかけてくれるものの、客足がないと他の店舗の知っているマネキンさんところへ行ってしまうのが玉に瑕(客足がないなら声がけしてほしいとお願いしたにも関わらず)

Bさんはお世辞いも「愛想が良い」とは言えない感じ、自分が「納得いかない」ことがあると「納得がいくまで」そのことに固執するタイプだった

Aさんはまず、Bさんの雰囲気からして気に食わなかったのだろう 何かにつけてBさんのことを私たちに言いつけに来る そのうち、Bさんはレジ周りのことで「自分の気になること」に注力してしまい接客は愚かレジ打ちもままならなくなる

そしてさらに、AさんのBさんへの不満が募り、雇い主の私たちのみならず他のマネキンさんに愚痴りに行ってしまう

お客様への声かけは私が行い、レジうちが必要になるとAさんに声をかける状況も何度もあった(もちろん、注意もお願いも2人にしている)

え?これで高い人件費払うの?と思わざるを得ない状況にまで

催事責任者に状況を伝え、派遣元の担当にも連絡して状況を確認してもらう

最終的に2人には契約時間前に退勤してもらい、百貨店側と派遣元のスタッフにレジ対応をしてもらうことになった

この日の2人の人件費に関しては支払うだけの働きをしてもらえてないことをクレームさせてもらったので人件費は無しになった(当然だ・・・)

自分たちが煩わしくないようにプロに頼んだのに、2人のいざこざに巻き込まれお客様への声がけ接客は自分たちでほとんどやっていた

◆長時間勤務で疲労困憊

百貨店の営業時間は午前10時から午後20時まで、前後に準備と片付けの時間を取るので1日の勤務時間は12時間

マネキンさんは7時間(休憩時間除く)で前後交代制
私たちは3人それぞれの担当があるので、合間を見て食事をとるだけ毛の休憩だったので、1日が終わるとへとへとだった

片付けて宿泊先近くのスーパーで「お値打ち品」をゲット
あとはお店に来てくださった知人・友人の差し入れと共に遅い夕飯をとった

3人ともアラフィフ(笑 12時間立ちっぱなしの勤務はきつい

けれど、催事のお知らせで私たちの店を知って足を運んでくれるお客様、出張途中・仕事途中、大阪在住の友人知人が連日のように店頭に来てくださって応援の言葉をかけてくれたり、差し入れしてくださったり、皆さんの気持ちに応えたい一心で「気合い」で乗り切った

◆6日間の総売り上げ

6月の下旬にもかかわらず、予想外に真夏日が続いた 

急に暑くなったためか百貨店が期待・予想していた客足の6割ほどの客入りだったので、百貨店側から「1日に〇〇食用意しておいてください」と言われて準備した食材が1日分売り切ることができなかった

日々の売り上げはレジ締めを行うと分かるが、自店舗の分しかわからない 
他の店舗がどの程度の売り上げかもわからない 

見込んでいた売り上げからはだいぶ少ない売り上げに感じながらも「やるしかない!」と3人で1日1日を終えながら最終日を迎えた

最終日の百貨店閉店後、仮設店舗を片付けて退店しなければならず、慌ただしく荷造りをして配送手配まで完了、宿泊先に戻ったら催事で余った食材を無駄にしまいとそれらをつまみにさっと夕飯を終え爆睡した

翌朝、早めにチェックアウトして新幹線に乗る
なんとか催事を終えたことに「安心感と充実感」を覚えて、ちょっと贅沢に「朝ビール」

そして新幹線でうとうとしていたら百貨店からメールが来た
百貨店の催事なので売り上げは百貨店側で管理されていたので、6日間の全店舗合計の総売り上げ、各店舗の日々の売り上げと総売り上げの記載されたエクセルが送られて来て・・・・

なんと、私たちが総売り上げトップと知った

百貨店としても私たちとしても見込んでいた売り上げ結果ではないが、それでもベストを尽くせたことに心から喜んだ

会社勤めを辞めて姉の飲食店を手伝うことにした最初の大仕事
準備段階から苦労したし、こんなに嬉しいことはなかった

のだが・・・・・

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