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会計Column:会計門外漢の人に減損会計を説明して素朴な理解を得るメモ
■減損会計ってなんなん?
事業部長「減損会計、減損ってなんなん?」
経理担当「あー減損ですか。影響額デカいですもんね。難しい言葉をなるべく減らして説明しますね。」
事業部長「なんか減損することになったらすげー損失が出る、って経理部長から脅されてるんだよね。どういう話なのかコッソリ教えてよ。」
経理担当「……苦笑。まず、帳簿に製造設備が載ってますよね。」
事業部長「うん、帳簿の固定資産の中に設備の分の金額が入っているよね。」
経理担当「そうです。それで、帳簿に載っているということは「価値ある財産持ってますよ」と示していることになるわけです。」
事業部長「そりゃあ、お金払って買ってきたわけだからな、多少の価値はあるわな。」
経理担当「でも本当に表示しているほどの価値があるのか、という話なんです。」
■最初は 購入価額 < 設備から期待する儲け
経理担当「設備を買ってきたそのタイミングでは、買うのにかかった以上のお金を稼ぐことに使える、と思って買ったと思うんです。」
事業部長「そらそうよ、当たり前の話やな笑」
経理担当「逆に言えば、設備の価値は、かかった投資に見合う儲けが出せて初めて存在する、ということになりますよね。」
事業部長「まーそうなるかな」
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■もし 購入価額 > 設備から期待する儲け だったら…
経理担当「そうすると、「その設備にかかった投資に見合う儲け」が出せないなら、その設備の購入にかかった金額分の価値がないともいえませんか?」
事業部長「たしかに、100万円の設備を使いつぶした結果40万円しか実入りがないって話なら、60万円損することが見えてるわけだから、100万円の価値はないってことになるな。」
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■価値に見合う価格で帳簿に表示したい
経理担当「そうです。そんな設備100万円ではだれも買わないですよね。それに、外からその会社を見る人は帳簿に「設備100万円持ってます」と表示されてたら、当然それが将来100万円以上のおカネに化けることを期待するのですよ。そうじゃないならきちんと表示を直してほしいと思うわけですね。」
事業部長「は~なるほど~。設備が傷んだりしたわけじゃなくても、当初期待していた儲けがその設備を使って出せなくなったら、それに応じて価値を減らして見せてね、ということか。」
経理担当「そういうことです。」
事業部長「設備の価値を、設備そのものの状態じゃなくて設備できちんと儲けられるかで測るのか…なんか不思議。」
経理担当「あくまで帳簿の金額が過大な時に、「最低限の補正」をかける特殊な処理ですね。」
■減損損失の金額とは
事業部長「減損会計の目的と結果はなんとなくわかったけど、金額をどこまで下げるの?」
経理担当「今の価値まで、です。設備の今の価値は、①使って得られる価値で測る方法か、②売って得られる価格で測る方法で測ります。①はさっきの金額例でいうと、今後100万円の設備を使っても差引40万円しか実入りが無いなら、40万円の価値と評価します。」
事業部長「将来の計画・見通しによって設備の評価額が決まるということにあまり慣れてないから、まだ不思議な感じだよ。」
経理担当「そうですよね、とりあえず減損とは、の話のさわりはこんな感じです。またわからなくなったら聞いてくださいね。」
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