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生誕100年 松澤宥 長野県立美術館

長野県立美術館(長野市)にて、今年生誕100年となるアーティスト・松澤宥の展覧会が、2月2日からスタートする。

 松澤宥(1922-2006)は、長野県諏訪郡下諏訪町生まれで、同地を拠点に国内外に芸術を発信し続けた、日本を代表するコンセプチュアル・アーティストです。2022年2月2日の松澤宥生誕100年にあたり、生涯をたどる回顧展を開催します。
 本展では、芸術家としての原点である建築や詩から、美術文化協会展や読売アンデパンダン展等に出品された絵画やオブジェ、1964年に「オブジェを消せ」という啓示を受ける前後より国内外で発表された言語による作品やパフォーマンスまで、松澤の多彩な作品と活動を、同時代の資料や写真を交えてご紹介します。また、伝説のアトリエ「プサイの部屋」の一部を再現するとともに、VRで体験できる展示を行います。松澤宥の生涯に渡る作品や活動を一堂に集め、作家が追い求めた世界を考えていただく機会となることを願っています。

⬛︎本展のみどころ
①知られざる初期絵画やオブジェ作品を紹介
②「オブジェを消せ」以降の言語による作品やパフォーマンスなど多彩な活動を概観
③伝説のアトリエ「プサイの部屋」を一部再現、VR体験も
展覧会プレスリリースより


第1章 建築、詩から絵画へ

10代から詩作にふける傍ら、早稲田大学理工学部建築学科に進学した松澤は、「私は鉄とコンクリートの固さを信じない。魂の建築、無形の建築、見えない建築をしたい」という言葉と共に同校を卒業。



第2章 1964「オブジェを消せ」--観念芸術に向かって

1964年、夢で聞いた「オブジェを消せ」の啓示の下、「アンデパンダン’64」展に出品した≪プサイの死体遺体≫という「非感覚絵画」を生み出す。




第3章 共同体幻想

1969年に長野県信濃美術館(現・長野県立美術館)で開催された「美術という幻想の終焉」展を皮切りに、松澤の周辺に集まった「ニルヴァーナ・グループ」と呼ばれる人々と共に活動を繰り広げる。



第4章 言語と行為

松澤が生涯を通して主張した「消滅」という観念。
言葉を媒介とした作品やパフォーマンスを通して、松澤が目指した「観念美術」から「量子芸術」までの流れを辿る。



第5章 再考「プサイの部屋

諏訪大社下社秋宮付近に位置する松澤の自宅にあるアトリエは、親交の深かった美術評論家・瀧口修造によって「プサイの部屋」と命名された。
ここでは、この伝説の「プサイの部屋」を一部再現するとともに、VRで「プサイの部屋」を体験出来る展示も行っている。



生誕100年という記念の年に、ぜひ松澤宥の世界に浸ってみてはいかがだろうか。


※画像の展示風景は許可を得て撮影したものです。



展覧会概要
『生誕100年 松澤宥』
長野県立美術館(展示室1・2・3)

会期: 2022年2月2日(水)〜3月21日(月・祝)
休館: 毎週水曜日(ただし、2月2日・2月23日は開館)、2月24日(木)
観覧料: 一般800(700)円、大学生及び75歳以上600(500)円、高校生以下又は18歳未満無料

https://nagano.art.museum/exhibition/matsuzawayutaka#


レビューとレポート第33号(2022年2月)

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