相手の健康を考えるのなら150%のおもてなしをサプライズ
情けないことに、実家暮らしで27年間、父の誕生日をまともにお祝いしてきませんでした。
うちは、三人家族で妹が一人。実家には私と父の二人きり。母は8年ほど前に他界した。
悩みといえば、私は母親っ子だったのもあり、父とのコミュニケーションがうまく取れず、父のことももちろんよく知らない。具体的にどういう仕事しているのか、出張先で何をしているのか、なんでテレビを見るのか、好物は何か。
「おはよう」「おやすみ」挨拶は特にない。
会話は連絡ごと程度。
食事も別々。
でもこれって、別に普通だと思う。よくある風景ですよね。
正直、本音はちょっと寂しくないですか?
父は50歳を超えて、体型は年々丸くなって、表情は暗く、うつ病になりかけてないだろうかなんて、見ていて正直辛くて目を逸らしてしまう自分がいる。
休日、父がテレビを見ていても楽しそうな姿に見えないんだもん。
健康は、食・運動・睡眠といわれており。
どれも問題あるが、一番改善してほしいのが食だったので、それについて本人に伝えたくも、仕事の忙しさがあるので言いづらく。見守ることしかできず、もどかしかった。実際に、口癖のように、「時間がない」とよく返されるから。
そんなある時、父の好みを知った。父は羊のジンギスカンが好きだということを。
一応、これまで何度か物をあげたり料理を作ってみたりしたことがあるんですが、イマイチ刺さらなかったというか、記憶にも残っていなかったみたいで。
好みがわからなすぎて、あげる気も起きなくなっていた。
大きな一撃をGIVEしてみる。
以前知った、定評のある高級羊肉を取り扱ったお店からお取り寄せして、別居してる妹も呼んで、家で家族揃って焼肉をする計画を、父の誕生日である8/29に向けてみた。
結論から言うと、想像した50%増しの報酬と満足感を得られました。
やってよかった。
人に与えるって大事。妥協ダメ。相手のことを本当に思いやったプレゼントっていうのは伝わるんだ。
ついでに自分は人に与えることが好きなんだと気づけた点も…。
父との緊張はほぐれて、今まで気になっていたことや、父が実際に好きなものなどストレートに聞けて、自分が勝手に誤解を持っていたことも知ることができて…。反省。
父の口から「こんなに用意してくれたんだね、ありがとうね」ともらえて、嬉しかった。やっぱり家族って大切。大事にしようと思えました。
さて、今回計画した中で効果を確認できたことがあります。
費用を抑えつつも食事で人に満足感を与える方法
ポイントは4つ
1.人は視覚で食べるため、できるだけ種類を豊富にする
2.ちょっとずつ小出しにして、時間をのばし一気食いすることのないように(お肉高いし…)
3.高いお肉のボリュームを上げすぎず、安いお肉でカサ増しさせすぎず(高いお肉の価値を下げないようにするため)
4.順序を意識。味付けが薄いものから濃いものへ、最後に白米を出すことで満遍なくメニューを味わってもらえるように。
それでは具体的に。
今回、自分を含めて3人分の夕食にかかった、おもてなし費用は1万2000円ほどでした。
お肉は100g1000円。これを1000gと、他サイドメニュー追加と、念のため100g150円程の牛肉も450g用意しておきました。あと、野菜4〜5種類ほどですね。
需要なさそうですが、メニューをどう出していったかと言いますと、
安価の牛肉と野菜を二人にホットプレートで焼いていてもらい、まずは自由に食べていてもらう
(その間にキッチンにてフライパンでメインのラム肉を焼いて小出ししていくスタイル)
↓
フランス産マトン100g
↓
オーストラリア産マトン100g
↓
羊の油で焼いた野菜
↓
漬け込みジンギスカン100g
↓
麻辣レバー100g
↓
羊肉の串焼き80g分
↓
羊の油で焼いた野菜
↓
羊肉の餃子6個
↓
カレー1人120gと白米のシメ
こんな感じで、食卓見ていたらかなりボリューミーだったようで、食のペースが落ちるほどに満足してもらえていて何よりでした。
量は、見積もった25%多かったみたいで余ってしまいました。なるほどでした。
美味しすぎたので、後日の後夜祭という楽しみに回そうと思います。
もてなしてみて、気づいた反省点や改善点
1.雰囲気づくり。家だと先入観が入ってしまい、情報を伝えないとせっかくの良い食材の価値を感じ取ろうとして貰いづらくなる。(例えると、無料で美術館に入るよりも有料で入ったほうが、絵画を一枚一枚じっくり見ようとするよね、みたいな。)
2.もてなす相手の好みをできる限りリサーチする。当たり前ですが、相手の好みにヒットするほど相手の心に大きく響かせることができる。逆に、自分が好きな物を相手に送るとどんなに高価でも伝わらない。これ、基礎の基礎なのでこれこそやりすぎくらいが丁度良いかと思います。
3.時間厳守。疲労を溜めさせてしまったようでした。下準備が押してしまって、開始が予定の30分も。この30分で一口目がグダってしまったので、反省込めて悔しい点でした。
人と関係を深めたいなと、気にかけている事はありますか?
相手を思いやって、150%のおもてなしを計画してみると、思いがけないような、感情性のあるお返しがあるかもしれません。
結果、お肉を美味しく味わってもらえた喜びはもちろんですが、そのお肉によって緊張が溶けて、暖かみのあるコミュニケーションが築かれてできた家族との時間が、私にとって何よりも喜びのある一番の見返りでした。
家族3人で外食という形で焼肉屋産に行く事は度々ありましたが、あんまり喋れずでした。が、家の中というアットホームが良い意味でカジュアルさを作り、今回のように打ち解けたコミュニケーションに結びついたのもあるのかなと思います。
コロナで外食しづらい今、お取り寄せしてお家でワイワイすると、案外深まるものがあるのかもしれません。
今回お取り寄せしたお店はコチラ。
ラム肉好きな方はもちろん、ラム肉が苦手な方にも一度食べてみてもらいたいお品。ごちそうさまでした。
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