【就活】金融機関が抱えている課題
どの業界でも共通かもしれないが、足元はデジタル化等の影響で世の中の変化が激しく対処するべき課題が満載だ。今回は金融機関で最も多くの社員が働いているリテール・ビジネスを中心に金融業界が抱える問題ついて考えてみる。
❶メイン顧客の高齢化
対面金融機関における金融商品の主な買い手は高齢者だ。この方たちが加齢により株や投資信託の取引を止めた場合、金融機関の収入は大きく減少する。将来的に相続が発生した場合、その方たちのお子さん世代の多くはおそらくネット証券・銀行に行ってしまう。各社は若い世代の囲い込みにも取り組んでいるが、今のところなかなか効果が出ていない。
❷過剰な店舗コストの負担
もともと支店への来店者は減少していたが、コロナ禍でそれが加速している。三菱UFJ銀行は店舗への来店客がこの5年で半減したそうだ。銀行の店舗は駅前等の立地がよい場所にある。人が来ない店舗に賃料その他、多額のコストがかかっている。ちなみにATMの維持費は一台あたり月に30万程度かかるそうだ。
次の❸が一番やっかいかもしれない。
❸デジタル化の進展
これは①と②にもつながるのだが、収益の減少を補うため各社はコスト削減を進めるはずだ。デジタル化を進め店舗等を削減する。その結果、本来は自分たちの強みであるはずの対面のサービスが低下することになりかねない。ネット銀行や証券と同じ状態だ。社員は簡単に解雇できない、でも提供されているサービスはネット証券等と同じ。これでは生き残りは難しいだろう。リテール業務におけるメガバンクの存在意義は何だろう?これは極めて重い経営課題だ。メガバンクの中期経営計画には「デジタル化の推進」と大きく書かれているが、必ずしもプラスの面だけではないのだ。
まずはこうした事実を認識し、(正解は誰にもわからないので)自由な発想で自分なりに解決方法を考えてみるといいと思う。ここまで頭が整理されていれば採用面接なんて怖くない。