低コスト投信の台頭とアセマネの将来
投資信託の11月末時点の純資産残高ランキング。『eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)』が前月の7位から4位に上昇した。インデックスファンドがトップ5入りするのは2005年11月以来16年ぶりとのこと。なお11月末時点の残高首位は5カ月連続で『アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型』で、残高上位は対面の銀行や証券で販売されているアクティブファンドが占める。
一方で11月単月の売れ筋ファンドをみると、上位にはインデックスファンドが複数並んでいる。足元のトレンドが継続すれば、いずれファンドの残高上位の顔ぶれもインデックス型の商品に変わっていくと思われる。
低コストのインデックスファンドは、投資家にとって非常に優れた商品だ。また同商品の普及により、資産形成層の投資家の裾野が拡大しているのは業界にとっても嬉しいニュースと言える。ただ悩ましいのは、前述したアライアンスのファンドの信託報酬は1.727% 一方のeMAXIS Slimは0.0968%、約17倍の差がある。アセマネの収入の大半は信託報酬なので、売れ筋がアクティブからインデックスに移るということは会社収益の低下につながることになる。
当社にもeMAXIS Slimはけしからん!と時代錯誤な発言をしている人もいるが、そのようなことを言っていても何の意味もない。投資家のアンケートをみると、自分に役に立つアドバイスを受けられるならお金を払ってもいいと言う方も少なくない。アセマネから発信する情報やアドバイスの質を高め、追加的な費用を負担していただけるような仕組みを作っていくことがアセマネが生き残る道だと思っている。