見出し画像

Something For Your M.I.N.D -Superorganism

“そういう事じゃないと思うんだけどそれって私だけ?”
12月18日に「グローバル・ジェンダー・ギャップ指数」2018年度版を世界経済フォーラム(WEF)が発表し日本は149カ国中110位だった、という結果について多くの人が反応しているのをインターネット上で見て“男女平等”についての関心が日本でも高まっていると実感し、社会が変わろうとしている、変わりつつある、と少しの希望を抱いたのは束の間で、その反応の中には申し訳ないのだけれど疑いたくなる様な、というか目をそらしたくなる様なコメントも多々あるのが現実だ。

“あの、日本の順位は昨年より上昇しているのではないのでしょうか。”(菅義偉官房長官)これを聞いた時、私はただ呆然としてしまった。確かに日本の順位は昨年の114位からは上昇したが、G7で最下位、そして何より順位が上がれば良いとかそういう問題ではないのだと思う。順位が上昇したという事実は“いい事”(いい事という言い方は何かしっくりこないのだけれど)だとは私も思うが、根本的な問題、そして視点を置くべきなのは順位ではなく何が上昇の理由何が日本という国を114位という低い位置に留めているのかだと思う。菅官房長官のコメントを完全に否定しているわけではなく“違うところに焦点を当てられたのではないか”と思うと同時にこの国のこれまで焦点が当たらなかった部分が明るみになってきているのだと実感した。

ジェンダーイクオリティー(気持ち的にはしっくりこないが直訳で男女平等)がここ数年で初めて議題に挙がったわけではなく、私が生まれるもっと前、明確にはいつからかはわからないが、長い間世界各国で性別間での“平等”のため多くの人が立ち上がり、声をあげ、どれだけ時間がかかったとしても戦い続けてきたのは明らで私は少しずつでも変わり続けている世界を、そして何より現状に満足するのではなく良い方向にできるだけ変えていこうと今尚戦い続けている人々をこの上なく誇らしく思う。

私は自分自身をフェミニストと表現するが、今だに何がフェミニストなのかわからなくなり、自分に自信がなくなる時が多々ある。“私はフェミニストだ”と伝える時、フェミニズムやクィア論に関する(いわゆるジェンダー学のフィールド)記事をシェアした時など私が普段から行なっている事に対して私のことをミサンドリー(男性嫌悪)、女性至上主義だと思ったり、さらには“またこいつがよくわからないLGなんとかゲイのこと話してるよ”、“男女平等がどうとかまた言ってるよ”、“女だって権利あるじゃんとっくに”なたいな反応をされる事が多々ある。

今回のランキングが発表された時もちろんフェミニストに限らず多くの人が日本の順位を問題視し何をすべきか/できるのかが議論された。一方で順位を問題視、議論する人々を批判する人々がやはり出てきた。“また自称フェミニスト達が騒いでるよw”、“男女平等とか騒いでる奴らモテないだけだろ笑”、さらには“こいつら他にやる事ないの?”という様なツイートまであった。これがこの国の、私の生まれ育った国の現実なのだと実感した。

日本という国を否定しているわけでもなければ、他の国がどうとか言っているわけでもないが日本国内で何故こんなにも女性の権利を男性と同等なものとして求める声に批判が集まるのかよく分からない。確かに間違った、というか道から少し外れた、矛盾している“フェミニズム”を掲げ、傷つけなくていい人や否定されるべきでない人を攻撃(という言い方はあまり好ましくないけれど)する“フェミニスト”がいるのは否定できない事実で、更に言うと、“女性だから”という扱われ方が不平等だと感じ、活動を始めたのに、逆にその女性を特別視する事を求めているのではないかと疑わざるを得ない声を上げる人がいるせいでフェミニズムやフェミニストという言葉自体にいい印象を持たない人がいるのは彼らの責任ではなく、間違った使い方をしている方であると私は思う。

そもそも“フェミニスト”という言葉の意味自体を勘違いする人は2018年が終わろうとしている今でも少なくないし、日本語であまり明確にされていないというのも誤解を招く一つの問題だと思う。しかし、だからと言ってそれを理由にフェミニスト、フェミニズム全体を毛嫌いするのは腑に落ちない、というか理解しがたいし初めから知ろうとしないという体制は好ましくない。

これから先私はフェミニストとして何が出来るのだろうと考える事・時間が前よりも確実に増えた。そんなことを考えているといつも気分が暗くなる。何故なら、自分が無力で十分な知識、経験がなく私が信じている事に、自分自身に自信をなくしてしまう事があるからだと思う。たまに気が滅入りすぎて涙が出る事があるのだけれど、泣いているだけでは何一つ解決する様な話ではなく、前に出来るだけ光が強う方角ヘ進み続けるしかない。とりあえず冬休み中に出来るだけ多くの本を読もうかな、と思う。それが気休めにしかならないとしても、いつか役に立つと信じて。



いいなと思ったら応援しよう!