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【詩】翼があったら

両手の代わりに翼が生えていたなら
私はどこへ行くだろう
空高く飛び 大樹の上で休むだろう
もしくは砂漠の地へ下り立ち
枯れかけの花に水をやるかもしれない

両手の代わりに翼が生えていたなら
私は何をするだろう
迷子になってしまった幼子の手を取って
親元へ帰してやるかもしれないし
どこか遠い惑星へと旅をするかもしれない

立派な翼は生えてないけれど
私には両手がある
ちっぽけで
たよりなくて
かよわいけれど
震えているあの人の肩を抱いて
慰めることができたなら
どれ程良いだろう
小さな両手がある
それだけで 私には十分だ


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